ボトルズたちは今、カメ族の1匹についていき、
このカメ族の住み処を歩いていた。周囲を見回し、
それぞれ暮らしを楽しんでいるカメたちを見ていた。
プルレス「ここが、カメ族の住み処・・・・。」
カメ族の青年「そうです。私たちはここを拠点にしています。
他の種族は誰もここが私たちの拠点である事を知りません。」
ユミ「そう・・・。
どの種族もいかなる種族の拠点を知らないからね。
例え、知ったとしても大戦争で勝敗が決まるワケでもない。」
ボトルズ「確かに、
そのせいで沼での戦争が続いてるワケですし・・・。」
ボトルズたちが話しながら歩いている間に、
周囲にいるカメたちが、そんな彼らを珍しそうに見ていた。
カメA「何だ、こいつら・・・・?」
カメB「土竜にジンジョー、人間と妖精らしいな?」
カメC「まあ、良いか。俺たちカメ族は客を拒まんからね・・・。」
ミクス「うう・・・・・っ。」
カメたちにじろじろと見られている事に怯えるミクスは、
ユミの背中に隠れる。プルレスも少し怯えてそうだ。
プルレス「ねえ。ユミさん。本当に、カメ族は、
僕らを襲わないよね・・・・っ!?」
ユミ「ええ。平和的な者が多いから、きっと襲わないわ。
まあ、戦う事はあるけれどね・・・・。」
そして、ボトルズたちはあるところに来ていた。そこには、
数人のカメが集まっていた。中央には、巨大なカメもいた。
案内人のカメがボトルズたちと一緒に、
立ち止まり、こう言う。
カメ族の青年「この方が、我らカメ族の長です。」
カメ族の青年は、巨大なカメに手を向けてそう言う。
プルレス「こ、この大きなカメが長・・・!?」
ボトルズたちは大きなカメの姿を見て驚く。
そのカメの色は茶色で、おとなしそうな顔つきであった。
巨大なカメ「私はタンクタップ。このカメ族の長老だよ。
君たちは、この沼の住人じゃないらしいけど、
何かの用でここに来たのかね・・・?」
ボトルズ「この沼にジグソーが多くあると聞きまして・・・。」
カメたち「ジグソー!?」 「ジグソーだっ?何のために・・・。」
タンプタップ「ジグソーか。もしや、そなたらは・・・・。
我らのジグソーを求める盗賊か・・・・っ!?」
プルレス「カメ族が持ってたの!?ジグソーを!」
ユミ「この沼の種族全てが、
それぞれ複数のジグソーを持ってるらしいの。」
プルレス「そうなんだ・・・。」
ボトルズ「違います!!私の友人の妹を助けるために、
グランティを倒せる程の力が欲しいだけに、
ジグソーを集めています。」
カメたち「グランティ!!?」
カメたちはグランティと聞いて、驚く。
タンクタップ「グランティ・・・!最近、この沼で暗躍している、
悪の大組織か・・・。良いでしょう。ならば・・・・。うっ!?」
その時、タンプタップの表情が急に歪む。
何か悲しそうな顔をしている。
ボトルズ「どうしたのですか・・・・!?」
タンクタップ「ううう・・・足が・・・・・っ。痺れて冷たい・・・。」
どうやら、足が痺れているそうで、痛がっているそうだ。
カメ族の青年「タンクタップ様は、戦争が始まって以来、
ずっとここを動かなかったのです。
それで、こうなってしまわれたのです。」
それを知ったボトルズたちはタンクタップに同情したい気持ちを抱く。
ユミ「何とかできなかったの・・・・?」
カメ族の青年「我々の力では、どうにもなりません・・・・。」
ミクス「可哀想だわ・・・。どうすれば・・・・。」
タンクタップ「う・・・・っ!足が痺れる・・・!いつになったら、
治るのだ・・・。この地獄のような苦しみは・・・・・・。」
ユミ「・・・・強い衝撃を与えれば良いのですね?」
ユミが少し前に出て、そう言う。
カメ族の青年「えっ!?な、何をなさるのですか!?」
ユミ「良いから、見てなさい。
ちょっと、我慢してくださいね。はっ!!」
ユミはジャンプして、タンクタップに近づく。
タンクタップ「え・・・・?」 ユミ「てやああああぁぁぁぁぁ!!!!」
そして、ユミはタンクタップの右足を手の平で思い切り突いた。
タンクタップ「あ”あああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
すると、タンクタップは物凄い声をあげて、
突かれた右足を甲羅の中に入れる。
これを見たボトルズたちと多くのカメたちが驚く。
ミクス「ユ、ユミさん!!?」 ボトルズ「何やってるんですか!?」
カメA「こ、この女!!タンクタップ様に何て事を・・・!」
カメB「我が長に手を出すなんて、許せねェ!!」
苦痛を感じるような表情をするタンクタップだが、
何故か徐々に癒されるような表情をするようになる。
タンクタップ「ああ・・・・。少し楽になった・・・・。」
カメたち「えっ!?」 カメたちはタンプタックの言葉に驚く。
プルレス「ど、どうなってるの・・・・!?」
ボトルズ「もしかして、強い打撃による衝撃で、
冷たくなった足を温かくしているのですか!?」
ユミ「ピンポーン。私が幼い時に、雪山で遭難して、
冷たくなった身体をお母さんが、
強い衝撃で温かくしてくれたからね。
さっ!もういっちょいきますよ!!ええええぇぇぇぇい!!!」
ユミはさらにタンクタップの別の足の方へ飛び、
その部分を手の平で突き、
強い衝撃を与える。その足も甲羅の中に入る。
タンクタップ「あ”ああぁぁぁっ!!も、もっと・・・・。」
ユミ「まだまだ!!てやあああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ユミはまたもジャンプし、別の足に手の平で強い衝撃を与える。
そして、
すぐに最後の足にもジャンプして手の平で強い衝撃を与えた。
タンクタップ「あ”あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
タンクタップは物凄い叫びと共に、
二つの足を甲羅の中に入れると、
同時に、口からジグソーが出た。そして、すぐに笑顔になった。
タンプタック「ああ・・・。ありがとう。妖精の少女。
おかげで、足が温かくなったよ。さァ。このジグソーを。」
ボトルズ「このジグソーを、くれるのですね?」
ボトルズも笑顔で、ジグソーを手に取る。
タンクタップ「はい。あなたたちは恩人だ。」
ユミ「良かったわね。タンクタップさん。」
こうして、ボトルズたちはジグソーを1個、手に入れた。
これで、バンジョー一行の持つジグソーは26個目となる。
ボトルズ「ジグソーをくれたお礼として、
何か手伝わせてくれませんか?
この沼は争いが続いていますよね・・・?」
タンクタップ「そうだ・・・・。では、あなたたちが、
この戦争を止めてくださるか・・・?」
ユミ「できれば、そうしたいです。」
ミクス「これ以上、殺し合いなんて悲しいですから・・・。」
プルレス「そもそも、何故?
この沼に戦争が起きたのですか?」
タンクタップ「そうじゃな。話せば長くなるが・・・・。」
ボトルズ「それでも構いません。
この沼の全てを教えてください!!」
タンクタップ「・・・・全てとは言えないが、話せるだけ話そう・・・。」
つづく
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