それは、灰音がまだヤンキーの頃であった。
灰音と仲間の暗黒人魚(ダークマーメイド)である春日と二人で夜の散歩をしていた。
いつもなら他のヤンキーたちと喧嘩をしていたが、今夜は静かに二人で散歩とは珍しい事である。
春日「・・・・・・妙だな。今夜は何か変な感じがするぞ?」
灰音「そうね・・・・・。ここは順調に行くべきね・・・・。もしかしたら、また喧嘩の予感がするわ・・・!」
春日「うむ。・・・・・ん?血・・・・・?」 二人の前に何者かの血があった。
しかも、その血は前へと続いていった。
灰音「誰かが傷ついているかも知れないわね・・・・。」
春日「血が前に続いている・・・。よし!辿ってみよう。」
灰音「ええ・・・・!」 二人は血を辿って前に進んだ。その先には恐るべし悲劇が起ころうとは、
二人は知るよしもなかった・・・・・。
灰音「・・・・っ!待って!!」
春日「む!?どうした!?」 灰音は目の前からの危険を察し、春日を止めた。
灰音「・・・・・誰かが来る・・・・・・!!」
灰音は震えていた。二人の前に謎の人物が歩いてきた。
春日「な・・・・こ・・・・・こいつは・・・・・!!」 そして、ついに人物の正体が見えてきた。
両目がなく、肌が物凄いほど崩れていた。口も笑ってはいない。
とても、人とは思えない人であった。春日はそれを見て脅えた。
春日「ひっ!く・・・・腐ってる!!こ、これが人間なのか・・・・!!?」
灰音「・・・・いや・・・・ゾンビよ・・・・!」 そう、この得体の知れない人こそがゾンビであったのだ。
ゾンビ「・・・・ウウウゥゥゥゥゥ・・・・!!」
春日「・・・・少し恐ろしいが・・・・喧嘩売ってると見えるから、やっておくか・・・・!」
灰音「・・・・ふっ。当然・・・・・!!」 春日と灰音は木刀を構えてゾンビに挑んだ・・・・。
そして、現在。灰音は潮とともに生徒会の部屋に来た。
そこに、まおら、真栗、そして、皇帝の高成がいた。
まおら「おはよう!灰音ちゃん!潮ちゃん!」
真栗「よう。おはよう。」
灰音&潮「おはよう。」
高成「おはよう。」
灰音「おはようございます。たか・・・関雄様。」 灰音は高成に側に座った。
ちなみに、5人ともテーブルの前で灰音や高成、他3人とそれぞれのソファに座っていた。
それで、みんなでお話とかしていた。今日もみんなで楽しいお話をしていた。
まおら「それでね、大怪人バドルNEOが明日出るって!まおら、楽しみぃ~!」
真栗「なんじゃそりゃ?それって単なるデータカードダスか?」
灰音「まあ、草芽や小牧もハマってるほどの人気ゲームよ。
確か、怪人同士が戦うんだってさ。私は一度だけやったけどさ・・・。」
潮「・・・・興味ないな。でも、灰音がやってたと言うのなら・・・・。」
灰音「え?潮もやるの?でも、金がかかりそうよ。1回100円だって。」
高成「・・・・遊びもいいが、この後の事も考えた事もいいんじゃないか?」
まおら「ん?この後の事・・・・?」
真栗「ああ・・・・大学部進路とか将来の夢とかじゃろ?」
潮「・・・・・将来の・・・・夢か・・・・・。」
灰音「・・・・・・・・・・・・。」
灰音は高成をひっそり見ていた。
灰音(・・・・・高成様・・・・・・・。)
高成「・・・・そして、この日本ではなんらかの噂が流れているらしい。」
まおら「噂?どういう事ですか?」
高成「・・・・こちらもわからないのだが、我が東宮家のある者によれば、
得体の知れない怪人が最近各地でさ迷っているかのように出没しているらしいと。」
灰音「―――っ!!???」 灰音は得たいの知れない怪人と聞いて驚いた。
高成「ん?どうした?灰音。」
灰音「い・・・・いえ・・・・・!!」
真栗「なんか震えとるが、大丈夫けぇ?」
灰音「う・・・うん・・・・。」
潮「・・・・・・・・・・・・・。」 そこに、十夜が慌てて灰音たちの方に来た。
十夜「大変です!!皆さん!!!」
灰音「どうしたの?十夜君!」
十夜「東京S地区に奇妙なガスが発生した模様です!!」
高成「なんだって!!???」 皆はそれを聞いて驚いた。
灰音「っ!!?ま・・・・・まさか・・・・・・!!」
高成「っ?灰音・・・・・お前・・・・?」
一同はテレビを見ていた。テレビでは、とんでもない映像を流していた。
街中では、紫色のガスが覆っていた。ガスに包まれた人々は苦しみながら逃げようと必死であった。
中には耐えられないために倒れた者もいた。
潮「紫のガス・・・・・一体何が・・・!?」
まおら「もしかして・・・・宇宙人の仕業じゃ!?」
真栗「何言っとんじゃ!映画じゃあるまいし!」
高成「とりあえず、このガスに一体何の意味が?」
中継しているアナウンサーはガスに苦しみながらも、必死にテレビを見ている人たちに伝えた。
アナウンサー『ご覧ください!げほげほ!!このガスを浴びた人たちが・・・げほ!
皆次々と・・げほ!倒れていきます!!こ・・・このままでは・・・私も・・・・・!!』
そして、アナウンサーの後ろから肩に触れた者がいた。
その者の手は肌が腐っていて、人差し指がない。そして、片目がなく、
奇妙な顔が見えた。その男がアナウンサーを襲った・・・・。
アナウンサー『ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
灰音たち「!!????」 そして、テレビの映像が乱れ、ついに映像が途絶えた。
まおら「い・・・今の怪人・・・・・!」
真栗「いや・・・・人間じゃ・・・・!変わり果てた人間だ・・・・!!」
潮「紫のガス・・・・・変わり果てた人間・・・・・謎だ・・・・・!」
高成「・・・・・一体・・・何が起きたというのだ・・・!?」
灰音「くぅぅぅぅ・・・・・・!!」 灰音は怒りのあまり、突然、部屋から出ようとした。
高成「っ!灰音!どこ行くんだ!!?」 高成に呼ばれ、足を止めた灰音はこう言った。
灰音「・・・・・すみません・・・・関雄様・・・・・。」
灰音はそう言うと、部屋から出た。
高成「は・・・・灰音・・・!?」
潮「・・・・・灰音・・・・・・。」
つづく
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