乙宮灰音(おとみや・はいね)。この物語の主人公である彼女は、帝国学園に通う少女である。
ただし、この学園にはランクがあり、銅は一般生徒中心、
銀は大金持ち、旧家、名家の者中心、そして、金は皇帝(この学園での生徒会長)の証であった。
その証を持つのは、東宮高成(とうぐう・たかなり)。そして、皇帝の恋人の証であるプラチナ。
そのプラチナの称号を持つのが、灰音であった。
灰音と高成。二人は愛し合っている存在である。
そして、そんな二人にも愉快な仲間たちがいた。
天宮潮(あまみや・うしお)。銀ランク。紫陽花の君と呼ばれる美少女で、
クールな性格。生徒会の書記担当である。男嫌いなところもあるが。、
灰音や保険医の成宮千里(なるみや・せんり)を常に愛している。
辻宮真栗(つじみや・まぐり)。銀ランク。嫉妬深い男で、生徒会の副会長。
関雅(本当は高成)を愛するガチホモだが、最近はまおらとも付き合っている。
ちなみに、関雅(しずまさ)は高成の弟で、本当は関雅が本当の皇帝で、
高成はその影武者であった。灰音は関雅が好きであった・・・。しかし、高成にも愛を注いでいた。
まおら。銀ランク。生徒会の企画と会計を担当して、女子生徒の服で登校して少女に見えるが、
実は男で、女装少年でもあった。同姓の真栗を愛しているらしい。
潮、まおら、真栗の3人は関雅=高成である事を知らない・・・・。
他にも十夜少年やまおらのペットのミニ羊オコリマクリ君などもいて、
灰音はそんな仲間たちに囲まれながら平和な毎日を送っていた。
これは、灰音の本当の家族がいる香宮家火災事件から数日後の話である。
ある日、帝国学園のどこかで、灰音と潮が歩いていた。
灰音「・・・・・・・・・・・。」 今日の灰音は何故か元気がない。
いつもなら灰音がハイテンションで明るいはずであった。何か理由でもあるだろうか?
潮「どうした?灰音。」
灰音「ん?いや、なんでもないわ。なんでも。」
灰音は潮に笑顔を見せ、答えた。しかし、すぐに切ない表情になり・・・・。
灰音「・・・・・ねえ、潮。」
潮「なんだ?」
灰音「・・・・・もし、この世界に屍が増え続けていれば・・・どうなるのかな・・・・?」
潮「・・・・・人は必ず死ぬ。その人間を屍と呼ぶ。だが、私たちは生きている。
命は・・・・・短いままで終わらせてはいけない・・・・・。」
灰音「・・・・・そうだね。命は・・・・短いままで終わっちゃ・・・駄目だよね。」
潮「・・・・・私には、灰音・・・それに、千里には。必ず生きて欲しい・・・・。」
灰音「うん。この学園に死んでいい人なんていない。あなたも、
真栗まおちゃんも。みんな生きて欲しい!特に、関雅様には・・・・・。」
潮「そうか・・・・。だが、灰音。最近また元気がないぞ?
本当の母を救い、本当の父と想いを通じ合って、心から笑顔を見せるようになったと言うのに、
また何か悩み事でも残ったのか?」
灰音「・・・・・・だとすれば、どうする?」
潮「しかし・・・・・・!」
灰音「・・・・・これだけは言っておくわ。命がなくても、屍は動く。
この世界は変わり始めて行くわ・・・・・・。」
潮「世界が・・・・・・・?」
灰音「大丈夫・・・・・私がなんとかしてみせる・・・・・!(そう・・・・私が・・・・・!)」
つづく
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