そう。ついに谷の主がその姿を現したのだ。その姿は。
灰色で、屈強した獣に近い身体。耳がとても大きい。
巨大な尻尾まで生えて、両手の筋肉が強くとても大きい。
頭に2本の角が黄色く輝く目が鋭かった。
谷の主「ギャオオオオオオオォォォォォォォォ」
谷の主は大きな声で吠えた。その声は周囲に響いていた。
カズーイ「で、でかいわ!多分、50メートルはあるわ!!」
巣から出て、谷の屋上にいるホックたちやボトルズやプルレスも、
その谷の主の巨大な姿を見て、驚愕していた。
ホック「ついに目覚めてしまったか・・・・!」
プルレス「こ、これが谷の主の姿なの!?」
ホンタ「うん。この谷の主はあまりに凶暴すぎて、
目に入った生物を全て殺してしまうんだ・・・。」
ボトルズ「この谷の主にはどんな力があるんですか?」
ホーコ「全てを粉砕する驚異的な腕力よ。
ただでさえ大きすぎるのに、
とても強すぎて、誰の手に負えないわ。」
谷の主「ギャオオオオオォォォォォォォォ」
谷の主はその大きな耳で辺りから多くの悲鳴を聞いた。
その悲鳴の五月蠅さに怒りを込み上げて、胸を叩いた。
そして、谷の主はその巨大な拳で目の前の場所を殴り始める。
そこには、多くのグレースルと黒い狼がいた。
グレースル「ひぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
黒い狼「ワオオオオオオオオオォォォォォォォォォン」
その者たちは主の巨大な拳を受けて、
それぞれ潰されたり吹き飛んだりしていた。
谷の主「ギャオオオオオオォォォォォォォォォ」
谷の主は二つの拳を振るい、暴れまわった。そのため、
多くのグレースルや黒い狼が次々と殺害されていく。
バンジョー「凄い暴れっぷりだ・・・・!」
カズーイ「それ程に不機嫌らしいわね。どうするの?」
バンジョー「何とか、沈めなきゃ・・・!むっ!?」
バンジョーはある谷の頂上にいるワーラを見る。
ワーラは谷の主が暴れているところを見て、喜んでいる。
ワーラ「わはははははははははははは!!!!
良いぞ!!谷の主よ!!そのまま大暴れして、
この谷を地獄と化せィ!!
お前の力を俺に見せ続けるのだ!!!」
そして、バンジョーがその屋上に着地して、ワーラにこう叫ぶ。
バンジョー「何を言ってるんだ!?お前の手下まで、
あの谷の主に殺されているんだぞ!!?」
ワーラ「だからどうした?手下ならまた集めれば良い。
我々グランティはこの谷の主をコントロールして、
俺がそいつを操ってやるのさ!!世界征服のためになァ!!!」
バンジョー「そうはさせるか!!!」
バンジョーがワーラに殴りかかる。その時。
ワーラ「ワオオオオオオオオォォォォォォォォォン!!!!!!」
ワーラは谷の主を向かった音波を発した。
バンジョーは驚いて走りを止める。
カズーイ「あの狼!?何をやってるの!!?」
ワーラの音波を浴びた谷の主がバンジョーとカズーイの方に向く。
谷の主「グルルルルルルルルルルル・・・・」
バンジョー「こっちに向いた!?
しかも、奴の音波が効かないなんて!」
ワーラ「クククク・・・・!」 ワーラは一瞬に消えた。
谷の主「ギャオオオオオオオオォォォォォォォォォ」
そして、谷の主がバンジョーとカズーイに近づき、
二人に殴りかかった。
カズーイ「危ない!!!」 カズーイとバンジョーは空を飛んだ。
それにより、敵の打撃を避ける事ができた。
だが、主は空を飛ぶ二人を見る。
谷の主「ギャオオオオオオオォォォォォォォォォォ」
カズーイ「な、何故こちらに向くの!?」
バンジョー「きっと、僕らが主を怒らせた事になるんだ。
ワーラが五月蠅い声を出して、
奴が僕らがそうした事になってるんだ!」
そう。ワーラは谷の主を怒らせた罪を、
バンジョーとカズーイに着せて、
谷の主を二人に襲われようとしていたのだ。
その策は見事に成功する。
谷の主は巨大な拳で二人を殴る。カズーイは必死でそれを避ける。
カズーイ「くっ!!あの狼・・・汚いわね!!!」
暴れる谷の主を見て、ユミとミクスは恐怖を感じていた。
ミクス「こ、これが谷の主・・・!恐ろしいわね。」
ユミ「恐らく私の技では勝てないわね。ミクスは?」
ミクス「駄目です。
私の空気の能力でも、この巨大な者では・・・。」
ユミ「勝てないみたいね・・・。任せるわ。バンジョー。カズーイ。」
バンジョーは別の屋上に着地し、遠くの谷の主の背中を狙う。
カズーイ「タマゴミサイル!!!!!!」
カズーイが無数のタマゴミサイルを連射して、
谷の主を攻撃する。
谷の主「グルルルルルルルルルル・・・・」
しかし、巨大な谷の主にタマゴミサイルは通用せず、
後ろのバンジョーとカズーイを睨みつけ、近づく。
バンジョー「タ、タマゴミサイルが効かない!!?」
カズーイ「あいつに攻撃が通じないっての!?」
二人は自身の攻撃が効かない事に驚き、谷の主が殴りかかる。
カズーイ「不味いわ!!ショックジャンプ!!!!!」
カズーイは自身の両足で地面を蹴って、大ジャンプした。
それにより、敵の打撃をまた避け、別の屋上に着地する。
ホック「谷の主にはいかなる攻撃が通じない。」
ボトルズ「それが、超科学兵器でもですか・・・?」
ホック「多分・・・。痛めつける事は可能だけど、
死ぬ事はないね。むしろ、余計に怒らせる程度だ。
対抗できるのは、伝説の力だけかと・・・。」
ボトルズ「その力を持ってる者なら今、主と戦っています。」
ホックたち「えっ!!?」 フクロウたちはそれを聞いて驚く。
ボトルズ「まだ・・・決まったワケじゃないけど・・・。」
バンジョーとカズーイ「はああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
カズーイとバンジョーは空を飛び、谷の主へ接近する。
谷の主「ギャオオオオオオオオォォォォォォォ」
谷の主はまたも殴るが、カズーイはそれを避ける。さらに、
バンジョーはその主の巨大な腕に着地して、そのまま走る。
バンジョー「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
バンジョーは巨大な腕を道として利用して、敵の顔を狙うつもりだ。
バンジョー「ローリングアタック!!!!!!」
バンジョーはローリングアタックで谷の主の顔に直撃する。
だが。
谷の主「グルルルルルルルルルルルル・・・・」
バンジョー「くぅ・・・・・っ!」
バンジョーは主の顔の巨大さと硬さに弾かれてしまう。
カズーイ「まだまだよ!!!」
カズーイは翼を羽ばたかせ、再び敵の顔に近づく。
カズーイ「キキツキアタック!!!!!!」
カズーイは谷の主の顔を何度も突く。しかし、
谷の主は痛がる事はもちろん、むしろ鬱陶しい程に怒っていた。
谷の主「ギャオオオオオォォォォォォォ」
そして、谷の主は顔を振り、
カズーイとバンジョーを弾き飛ばす。
バンジョーとカズーイ「うわあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!??」
別の谷の頂上に立っているワーラがそう言う。
ワーラ「ククククク!無駄だ。多くの我が同志を打ち破った、
貴様たち熊と鳥の力でも、この谷の主には勝てぬ!!
嗚呼・・・。ますますと欲しくなったぞ。主の力を!!」
ミクス「バンジョーさんとカズーイさんが必死に戦っている。
でも、谷の主に苦戦しているわ・・・・。」
ユミ「頑張って・・・!二人とも。
こんな時に、テルとミルがいれば・・・。」
カズーイは空を高く飛び、谷の主の頭上に浮いた。
カズーイ「こうなれば、あれで行くわよォ!!!」
そして、カズーイが谷の主の頭に向かって嘴を向けた。
バンジョーとカズーイ「くちばしバスター!!!!!!!」
バンジョーとカズーイはくちばしバスターで谷の主の頭を攻撃した。
谷の主「ギャオオオオォォォォォォォォォォ」
谷の主は頭を打たれて、少し痛がるように倒れそうになる。
カズーイ「やったわ!!攻撃が効いたみたいよ!!」
バンジョー「このまま行けば・・・・!」
ワーラ「馬鹿め。主は攻撃が効けば効くほどに怒ってゆく。
その怒りが主のパワーとなるのだ・・・!」
谷の主「グルルルルルルル・・・!ギャオオオオオォォォォォォ」
谷の主はブチキレて、空飛ぶカズーイとバンジョーに拳を向ける。
バンジョー「なっ!?」 カズーイ「は、速・・・!」
二人は驚く間に、主の巨大な拳を受けてしまう。
谷の主はブチキレて、攻撃のスピードが強化したのだ。
バンジョーとカズーイ「うわあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
主に殴り飛ばされたバンジョーとカズーイが、
谷の岩壁に叩きつけられる。
その岩壁が二人がぶつかった事で崩れそうになる。
バンジョーとカズーイ「ぐあ・・・・っ!!!」
二人は地面に落ちるが、何とか立ち上がろうとする。
ワーラ「はははははっ!!さァ!!ゆけ!!谷の主よ!!
熊と鳥をぶっ潰してしまえィ!!!」
谷の主「ギャオオオオオオォォォォォォォォォォ」
谷の主はバンジョーとカズーイに迫るように走る。
バンジョー「く・・・・っ!どうやら、あれを使うしかないね!」
カズーイ「あれって・・・・。金色の光よね?」
バンジョー「ああ・・・!今こそ、それにかける!!!」
バンジョーはしゃがみ、
カズーイは両方の羽でバンジョーを包んだ。
ワーラ「むっ!?こ、この構えは・・・・・!!!」
つづく
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