そう。サソリンガはクリスタルのエネルギーを吸っているのだ。
怪獣は触覚でクリスタルの生命を全て吸い尽くしている。
サソリンガ「キチャアアァァァイイィィィヨン」
ウルトラマンクリスタル「うぅ・・・・っ!あ・・・・。」
クリスタルは次第に弱まって、膝が地面につく。
イチゴ「いけない!!クリスタルは生命を吸われているんだ!!」
シュドー「このままじゃ、死んじまうぞ!!!」
テブリッシュ「何とか援護できないのか・・・っ!?」
3人はクリスタルのピンチに戸惑っている。そして、浩二も・・・。
浩二「駄目だ・・・!このまま行くと、クリスタルがミイラになっちまう!!
DGCの攻撃も効かないし!一体、どうすれば良いんだ・・・!?
僕には・・・・何もできないのか・・・・・っ!??」
浩二は己の無力さを知り、悔やんでいた。
浩二(・・・・シルバー仮面がいてくれたら・・・・っ!!
そして、僕もシルバー仮面のように強くなれたら!!)
その時、謎の声が浩二も耳に届いた。彼の背後に白き光が。
謎の声「少年よ!!」 浩二「っ!!!」
浩二は後ろを向く。そこに、光に包まれた影の男がいた。
頭に甲冑を被っている。この男はもしや・・・。
浩二「シ、シルバー仮面!!!!!!」
浩二はそう言って、驚く。そう。光に包まれている男こそが、
シルバー仮面であったのだ。浩二は再びシルバー仮面と出会えたのだ。
シルバー仮面「また会ったな・・・・。少年よ。」
浩二「シルバー仮面・・・!来てくれたのですね・・・・!」
浩二はシルバー仮面が来てくれた事に嬉しくて、笑顔になる。
シルバー仮面「そこで、君にシルバーの力を与えようと思う。」
浩二「え・・・!?どう言う事ですか・・・・!!?」
浩二はシルバー仮面の発言に疑問を感じる。
シルバー仮面「私は今、君の心を知った。
君の夢は、私になりたいそうだね?」
浩二「・・・・は、はい。そうですけど・・・・・。」
シルバー仮面「だから、私は君をシルバー仮面にしようと思う。」
浩二「え!?ぼ、僕があなたになるって事ですか!?」
シルバー仮面「そう。それが、君の夢だろう・・・?」
浩二「で、ですが・・・・・。」 浩二は戸惑っていた。
この3次元で自分が本当にシルバー仮面になって良いのだろうかと。
シルバー仮面「拒む事はない。夢は叶えるべきであろう?さぁ!
早く私の力を手にして、ウルトラマンを助けてくれ!!」
浩二「ウルトラマン・・・?あっ!!」
そして、浩二はクリスタルが怪獣に力を吸収されているところを見て、驚いた。
シルバー仮面「・・・・誰かのために命をかける。それが、ヒーローの宿命。
そして、この地球を守るためにあるんじゃないのかね・・・・?」
浩二「誰かのために・・・・。わかりました!!その力を僕に!!!!」
浩二はシルバー仮面に手を差し伸べる。
そして、シルバー仮面も手を伸ばし、
互いの手が重なり、そこから眩い光が。その光が大きくなっていく。
ウルトラマンクリスタル「っ!!?」 サキュバイア「な、何!?」
クリスタルもサソリンガもサキュバイアも、その光に注目する。
浩二の声「シルバアアアァァァァァァ!!!!!!」
その光から浩二の声が響き、その光が消えると、銀色の巨人が現れる。
その巨人は頭に甲冑を被っていて、口元が露出していた。
衣装は色が鼠色と白だけのシンプルな感じであった。そう。
この仮面の巨人こそが、シルバー仮面の姿なのだ。
ウルトラマンクリスタル「シ、シルバー仮面!!!!!」
サキュバイア「シルバー仮面!?な、何故、奴がこの世界に・・・っ!!」
シルバー仮面の出現に誰もが驚いていた。
シルバー仮面「・・・・・・!」 シルバー仮面はジャンプした。
そして、クリスタルの身体を刺している、
サソリンガの触覚をチョップで切り裂く。
サソリンガ「キチャアアアァァァイイイィィィィヨン」
怪獣は触覚を切られて、さがった。敵の攻撃から解放されたクリスタルは、
エネルギーが少ないためか、疲れて膝を地面につく。
ウルトラマンクリスタル「・・・・・・・っ!」
シルバー仮面「まだ・・・戦えるかぃ?」
ウルトラマンクリスタル「っ!あ・・・あなたは・・・・!?」
クリスタルはシルバー仮面の声を聞いて、何かに気づく。
イチゴ「シルバー仮面が・・・・本当にいたなんて・・・・っ!!」
男「君の友人が、私の力を与えたからさ・・・・。」
イチゴたちの隣に、初老の男が来て、そう言う。3人はその男を見て驚く。
シュドー「わわっ!だ、誰だ!?あんた・・・。」
イチゴ「・・・・あっ!!あなたは、
春日光二(かすが・こうじ)さんですか!!?」
テブリッシュ「春日光二!?もしや、シルバー仮面に変身する者か!!?」
そう。この男こそが、
シルバー仮面に変身せり男、春日光二であったのだ。
シルバー仮面「・・・・!・・・・・・!!」
シルバー仮面は先攻でサソリンガにパンチ、そしてキックを打つ。
光二「あのシルバー仮面はイチゴ君。君の親友の浩二君さ。」
イチゴ「ええぇぇっ!?じゃあ、今いるシルバー仮面が浩二君!!?」
そう。今、怪獣と戦っているシルバー仮面こそが、
イチゴの友人たる浩二であったのだ。
彼は念願でシルバー仮面になれたのである。
シルバー仮面「・・・・・・!?」 シルバー仮面は怪獣の打撃を受けて、さがる。
サソリンガ「キチャアアァァァァイィィィヨン」
サソリンガはさらにハサミを突き出して、シルバー仮面を攻撃する。
シルバー仮面「・・・・・!!・・・・!!・・・・・!!!」
シルバー仮面はさがるが、ミドルキックで反撃する。
サソリンガ「キチャアアァァイイイィィィヨン」
攻撃を受けた怪獣はハサミでシルバー仮面に打撃する。
シルバー仮面「・・・・!?・・・・・・!!」
シルバー仮面も負けずに、サソリンガの顔を殴る。凄まじい格闘戦だ。
サソリンガは怒って、口からの火炎でシルバー仮面を襲う。
シルバー仮面「・・・・・!・・・・・・!!!」
敵の強烈な火炎を浴びて倒れてしまうシルバー仮面。
そこに迫る怪獣だが。
ウルトラマンクリスタル「はあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
クリスタルはジャンプキックでサソリンガの顔にヒット。敵は倒れた。
ウルトラマンクリスタル「大丈夫ですか!?浩二さん!!!」
シルバー仮面「ああ・・・っ!平気平気!!」
このシルバー仮面の声は浩二そのもの。
やはり、変身しているのは浩二だったのだ。
シルバー仮面「行くぞ!!クリスタル!!」
ウルトラマンクリスタル「はいっ!!」
そして、二人の巨人がサソリンガにWパンチを繰り出す。
ウルトラマンクリスタル「ショワッ!!」 シルバー仮面「・・・・!」
その合体打撃を受けたサソリンガは痛みでさがるが、
負けずに反撃に出る。
サソリンガ「キチャアアアアァァァァァイイイィィィィィヨン」
怪獣は両腕のハサミで、それぞれ、クリスタルやシルバー仮面の首を挟む。
ウルトラマンクリスタル「うわ!?」 シルバー仮面「・・・・・!?」
サキュバイア「二人とも、首を切られてしまいなさい!!!」
ウルトラマンクリスタル「とう!!」 シルバー仮面「・・・・・・!!」
だが、
二人の戦士はダブルキックでサソリンガにダメージを与え、ひるませた。
それにより、二人は怪獣のハサミから離れる事ができた。
サソリンガ「キチャアアアァァァイイィィヨン」
シルバー仮面「・・・・・!・・・・・!」 シルバー仮面は敵の頭にチョップ。
さらにハイキック、素早いパンチなどでサソリンガを苦しめた。
サソリンガ「キチャアアァァイイイィィィィヨン」
シルバー仮面「・・・・・・!!・・・・・・!!!!」
そして、サソリンガの両足を掴んだシルバー仮面は、その怪獣を、
思い切り投げ飛ばした。サソリンガは地面に落ちて、叩きつけられた。
サソリンガ「キチャアアアァァァイイィィヨン」
怪獣はもはや瀕死寸前である。そして、走って迫るシルバー仮面。
だが、サソリンガは最後の力を振り絞って、口から火炎を吐く。
シルバー仮面「・・・・・!!」 シルバー仮面はその火炎からさがる。
イチゴ「浩二君!!頑張って!!!」
イチゴがシルバー仮面を親友に浩二として応援する。
その声援を受けたシルバー仮面はジャンプして、怪獣に迫る。
シルバー仮面「・・・・・・・・・・!!!!!」
シルバー仮面は凄まじいジャンプキックでサソリンガを蹴り飛ばした。
この技はシルバーキック。命がけで最強のキック技なのだ。
サソリンガは蹴られた部分が爆発し、吹き飛んだ。そして、
遠いところに落ちたところで爆発した。サキュバイアはこれに驚く。
サキュバイア「ひっ!?そ・・・そんな!!あの冥界怪獣が・・・っ!!
わ・・・・我等のボスに報告せねばっ!!!」
サキュバイアは夜空を飛んで逃げる。だが、クリスタルはそれを見ていた。
ウルトラマンクリスタル「逃がさん!!クリスタルレーザー!!!!」
クリスタルはクリスタルレーザーでサキュバイアを攻撃した。
使途は光となって、消滅した。サキュバイアも死んだのだ。
イチゴたちはこれを見て、喜ぶ。
シュドー「よっしゃああぁぁぁぁ!!!」 テブリッシュ「勝ったぞ!!」
イチゴ「やった!!やったな!!浩二君!!!」
ウルトラマンクリスタル「ありがとう。シルバー仮面。」
シルバー仮面「うん。こちらも・・・・。」
シルバー仮面とクリスタルは熱い握手を交わし、クリスタルは彼から離れる。
ウルトラマンクリスタル「・・・・ショア!!」 クリスタルは夜空へ飛び去る。
シルバー仮面「・・・・・イチゴ。見てくれたかぃ?」
イチゴ「うん・・・!君は、本当にシルバー仮面になれたんだな・・・っ!」
シルバー仮面「うん。ありがとう。光二さん。僕の夢を叶えてくれて。」
光二「ああ・・・。では、君を元の人間に戻そう・・・。」
光二はシルバー仮面に手を向け、その手の平が光る。
すると、シルバー仮面から光が発して、その光が光二の手に吸収される。
そして、シルバー仮面は小さくなり、浩二の姿へと戻っていった。
浩二「おお・・・・!」 浩二は元に戻った事に驚く。
光二「どうだぃ?夢のヒーローになった気分は?」
浩二「ええ!最高でした!!こんな嬉しい事は滅多にないでしょう。」
シルバー仮面になれて嬉しさに満ちた浩二ははっきりとそう語った。
光二「うん。それは良かった。」 そこに、コリスも歩いて来た。
イチゴ「ありがとうございます。友人の夢を現実にしてくれて・・・。」
光二「ああ。それでは、私は旅に出るよ。
他の国でも宇宙人が暗躍しているからな。」
そして、光二は歩いていった。さらなる戦いを求めて・・・。
浩二「ありがとう!!春日光二!!シルバー仮面!!!」
イチゴ「また、お会いしましょう!!!」 一同は笑顔で手を振った。
コリス(ありがとう・・・・。シルバー仮面。浩二さんの夢を叶えてくれて。
これからは、僕がこの地球の人の夢を叶え続けます。それまで、
一緒に戦い、この星を悪の手から守りましょう・・・・。)
こうして、シルバー仮面は去りました。己を愛した者の夢を叶えて・・・。
人は誰もが自身が愛したヒーローになりたい夢を持っているかも知れません。
あなたも憧れていたヒーローになりたいですか?そして、
そのヒーロー本人に会いたいですか?
次回につづく
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