お化け?「・・・・おぅ。何やっとんじゃぃ。わしはお化けじゃ。
はよぅ怖がって、さっさと逃げんかぃ・・・。」
だが、その事を無視する灰間がお化け?のお面を手に取って、
すぐに剥ぎ取る。その素顔は、大岩の顔であった。
灰間「・・・・何やってんだ?てめェ。」
灰間が冷静でそう言い、大岩がピンチな表情で言い返す。
そう。お化けの正体は大岩だったのだ。
大岩「おどれ・・・!何でわかったんじゃ・・・・!?」
灰間「こんな芝居くせぇ衣装で、よくお化けと言えたもんだ。」
灰間がゾンビのお面を投げ捨てる。
野口が苦笑いして、こう言う。
野口「私も、お化けと感じてなかったわね・・・・。」
大岩「おどれェ・・・!本当に怖がらせたろうやないけ!」
大岩は灰間の胸ぐらを掴む。
その時、謎の呻き声が大きく聞こえる。
謎の呻き声「ウウウウウウゥゥゥゥゥゥ・・・・!」
灰間たち「っ!!?」 灰間たちはその声に驚く。
野口「あ、あの呻き声は・・・・!?」
灰間「大岩の仕業じゃねェ・・・!もしかして!?」
大岩「本物の・・・・お化けじゃのォ。きゃあああぁぁぁぁ!!!」
灰間「あっ!!こら!!てめっ!!」
大岩は物凄い恐怖で逃げ出した。灰間がこれに気づく。
野口「灰間君!!あれを見て!!」
灰間「ん・・・!?あっ!!!」
灰間は野口が指さした方向を見て、
驚く。そこには一人の男がいた。
灰間と野口は墓の後ろに隠れて、その男を見る。男の姿が、
衣装がボロボロで、
身体中が腐って崩れつつあった。そう。この男は。
野口「ゾ、ゾンビだわ・・・!」 灰間「ゾンビだと!?」
そう。ゾンビであった。この男は、生ける屍のゾンビであった。
ゾンビ「ウウウウゥゥゥゥゥ・・・・・。」
だが、ゾンビは一人だけではない。
別の方向から別のゾンビが出て、
墓の前の地面から、また別のゾンビが現れた。
次々とゾンビが増えては、
集まっていくところを見る灰間と野口。
灰間「まさか・・・!お化けが本当にいやがったとは・・・!」
野口「ここにいると、不味いわ。逃げましょ!」
灰間と野口は素早く逃げて行った。
だが、それを一人のゾンビが見ていた。
しかし、追う事はなかったので、二人は何とか家に帰れた。
ゾンビたちのうろつくこの墓場を遠くから見ているのは、
不気味な形をした虫であった。この虫は何なのだ。
BAR基地の司令室では、灰間は他の隊員たちに、
自分が目撃したゾンビの事を語っていた。
灰間「だから、見たんだよ。ゾンビって奴を。」
日下部「嘘に決まってるじゃん。」
日下部は無視するように本を読んでいる。
灰間「嘘じゃねェ。本当だ。」
叶野「そのゾンビを見たと言う、証拠はあるのか?」
叶野がそう言うと、灰間が少し困りそうに言う。
灰間「うっ!そ、それが・・・・。」
叶野「証拠がなければ、実在などしない事になる。」
上川「そうだよね。実際、僕にとっては、
ゾンビなんて存在して欲しくないからね・・・。
僕的には良いと思うよ。ゾンビが出ない方が。」
上川は少し臆病そうに言う。彼はお化けが苦手らしい。
日下部「と、言うワケで。あんたの言ってる事は、
夢の中の話と言う事で・・・・。」
大神「灰間の言ってる事は現実になるかも知れん。」
隊員たち「えっ!!?」 隊員たちは驚き、大神を見る。
大神「ポイントB-32の山地の墓場で、
異常な謎のエネルギーが発しているらしい。」
灰間「ポイントB-32・・・。
昨日の夜に俺が行ったところか!」
大神「その墓場に発するエネルギーで、死体が蘇ったのも、
不思議ではないと思う。あくまで、わしの予測じゃがのォ。」
叶野「ですが、予測だけで簡単に実現するハズが・・・。」
その時、テーブルにある電話が鳴り出し、
日下部がその受話器を取る。
つづく
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