灰間「うわっ!!!」 灰間は慌てて火炎を避けた。
少年「おーっと。危ない危ない。ここは、
僕の好物に影響が出て、
この倉庫が爆発するところだったぜ。
お前のような人間には、喰う事で十分だああぁぁぁ!!!!」
少年はそう言って、灰間に跳びかかる。
灰間「てぁ!!」 灰間はバック転で敵から離れる。
そして、素早く殴りかかって、少年を攻撃する。
灰間「おるあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
少年「ぐはああぁぁぁぁっ!!!」
少年は灰間のパンチを受けて吹き飛び、
後ろの方にあるドラム缶にぶつかる。それにより、
積み込んだドラム缶の多くが崩れ落ちていく。
その多くが少年を下敷きにしてしまった。
灰間「どうだよ?この野郎・・・!」
その時、崩れたドラム缶の山から、
オイルのような液体が流れて来た。
何らかの影響で漏れたのか。
灰間「ん?オイルだと・・・?漏れちまったのか?」
灰間はそのオイルに近づいてみる。漏れていくオイルは、
倉庫の外に流れていく。まるで、意思が宿っていくように。
灰間「オイルが川のように流れていく・・・・!?
いや、ありえない・・・。どこへ行くんだ!?」
灰間は流れるオイルの川を辿った倉庫の外へ出た。
外へ出た灰間。
彼の前にはオイルが水たまりみたいになっていた。
灰間「こ・・・これは・・・・!!」 灰間はこれに驚く。
そして、溜まったオイルが急に変化し始めた。オイルが、
黒い色をした人型になる。そして、色が変わっていき、
少年の姿となった。まさか、オイルに魔力があるのか。
灰間「な、何・・・・っ!!?」
ちなみに、遠くの建物の物陰から警察らしき人が見ていたが、
両者はそれに気づいていない。
少年「驚いたか?僕は自身をオイルに変える事ができるんだ。
見せてやるよ・・・!僕の本当の力を!!」
灰間「ぐっ!!そうはさせるか!!」
灰間は再び殴りかかる。だが、少年は再び黒くなる。
そして、オイルとなって灰間の打撃を避けた。
灰間「く・・・・っ!!」
オイルは素早く倉庫の方に入る。灰間はそれに気づく。
灰間「またオイルを飲むつもりか!?おっ!!」
その時、倉庫から発光が起きる。それも、数回。
発光が消えた後、急に地震が起こった。そして、
倉庫に大きくヒビが入り、その屋根を巨大な何かが突き破って出てきた。
それは、頭と鼻の部分に角が生えて、緑色をした怪物であった。
怪物「キイイイイイイイイィィィィィィィィィィ」
灰間「野郎・・・!魔獣になりやがったか・・・・!!」
そう。この怪物は魔族である少年が倉庫の中で、
多くのオイルを飲み尽くし、変身した巨大な魔獣・オイルドリンカーなのだ。
オイルドリンカー「キイイイイイィィィィィィィィ」
オイルドリンカーは上半身を外に出して、灰間を睨む。
そして、口から火炎を放射して、灰間を襲った。
灰間「う、うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
灰間は火炎に押されるように吹き飛んで、海の方に落ちた。
オイルドリンカー「キイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィ」
魔獣は倉庫を蹴って壊して、下半身をも外に出した。
魔獣が東京湾に出現したとの情報は、
ただちにBAR本部に届けられた。
大神「新しい魔獣が、東京湾に出現したけ。」
上川「いよいよ、バルワンダーの出番ですね・・・っ!」
大神「その通りだ。じゃが、警備員からの情報によれば、
その魔獣の正体は昨日、
灰間が暴行した少年だったようじゃ。」
叶野「な、何ですって・・・・・!!?」
隊員たちは魔獣の正体を聞いて驚く。
大神「少年は魔族だったようで、口から火を吐いたり、
身体を黒い液体に変えたりしとったんなら。」
日下部「それでは、あいつ(灰間)が見たのは・・・・!」
日下部は切なそうに震えて、言う。
大神「どうやら、本当のようじゃの。さっそく、
灰間を助けに行く!バルワンダーの出撃じゃ!!!」
隊員たち「了解!!!!」
こうして、BARは戦闘メカ・バルワンダーで出撃した。
格納庫でついに3機のバルワンダーが動き出した。
バルワンダー1号に日下部、
バルワンダー2号に叶野、バルワンダー3号に上川が乗っている。
そして、ドーム状の基地から3つの壁が開き、
カタパルトとなった。
基地の前の部分、右の部分、左の部分であった。
3機のバルワンダーがそれぞれカタパルトの前に停まる。
そして、ブーストが点火し、3機がカタパルトの上を走る。
ちなみに、1号が前の方のカタパルト、
2号が右の方のカタパルト、3号が左の方のカタパルト。
3機がそれぞれのカタパルトから飛んで、
ついに空へ舞い上がった。こうして、
3機のバルワンダーは魔獣の暴れる地へと飛んで行く。
よく見れば、3機とも白色を中心としているらしい。
東京湾では、オイルドリンカーがタンカーへ向かって歩く。
オイルドリンカー「キイイイイイイイイィィィィィィィィィ」
そして、鼻の角でタンカーの石油タンクを突く。
その石油タンクに、穴が開き、
そこからオイルが出てきた。オイルドリンカーは、
そのオイルを飲んでいる。オイルが出なくなると、
オイルドリンカーが満足そうに飲み終えた事になる。
オイルドリンカー「キイイイイイイイイィィィィィィィィ」
そして、魔獣は次のタンカーへ目指そうと歩く。その時、
空から3機のバルワンダーが飛んで来た。
上川「魔獣を発見しました!!」
叶野「これより、攻撃を開始する!!
魔獣をタンカーに近づけるな!!」
そして、3機のバルワンダーが、
一斉にレーザーバルカンを連射し始めた。
その攻撃がオイルドリンカーに命中した。
オイルドリンカー「キイイイイイイイイイィィィィィィィィィィィ」
魔獣は攻撃を受けて、タンカーからさがり、
3機のバルワンダーを見る。
日下部「魔獣め・・・!!くらいなさい!!!」
バルワンダー1号がレーザーバルカンを連射。
魔獣はこれを受けて痛がる。
上川「良いぞ!!僕らの攻撃があの魔獣を押している!!」
叶野「これがバルワンダーの性能・・・!
これなら、勝てる!!」
そして、2号や3号もレーザーバルカンを連射し続ける。
オイルドリンカー「キイイイイイイイイィィィィィィィィィィ」
攻撃を受け続けてオイルドリンカーは、口
からの火炎で反撃する。
上川「わっ!!」 叶野「危ない!!!」
2機のバルワンダーは素早く火炎を避ける。
上川「ちっくしょーっ!よくもやったな!!」
叶野「バルワンダーの武器は一つだけじゃないぜ!!」
2号は2問の大砲から少し太く見える火薬弾4発を発射した。
その4発を受けたオイルドリンカーは痛がってさがる。
オイルドリンカー「キイイイイイイイイィィィィィィィィィィィ」
3号は先端から赤い光線を発射した。
魔獣はこれを受けて、
身体の一部が爆発して、倒れる。
日下部「バルワンダー・・・!何て素晴らしい兵器かしら!!
これなら勝てる!!とどめは私が・・・・!!」
余裕の表情で日下部は1号を動かして、
魔獣に接近する。その時。
オイルドリンカーの身体が黒くなり、黒い液体となった。
日下部「っ!?え、液体になった・・・?それでも!!」
叶野「あっ!!待て!!日下部隊員!!!」
1号はレーザーバルカンを連射して、黒い液体を攻撃した。
その液体が爆発すると、それによる炎が大きく広がっていく。
多くの建物や多くの船が火炎に包まれて、
その複数が爆発する。
日下部「えっ!?そ、そんな・・・・!!?」
日下部は突然の出来事に混乱しそうになる。
上川「あの黒い液体はオイルだったんだ・・・・!!
だから、爆発すると、大きな炎上が起きたんだ!」
そして、炎の中からオイルドリンカーが出てきた。
つづく
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