その人は、ハリーの恋人であるナギサであった。
ナギサ「ハリー!!!!」 ナギサは切ない表情でハリーに近づく。
だが、ハリーは永延に起きない。魂を吸われたからだ・・・。
ナギサ「ハリー!!起きて!!ハリー!!私よ・・・!
ナギサよ!!!だから、起きて!!ハリー!!!死んでないわよね!?」
ナギサは涙目でハリーを呼び続ける。余程、彼を愛している。
ナギサ「ハリー!!ハリー・・・っ!起きて。起きてよォ・・・。」
モモ「ナギサさん・・・・。」 コリス「・・・・・っ。」
そんなナギサをモモとコリスは見ているしかなかった。
二人もハリーが死ぬと言う残酷な現実を受け入れたくなかったのだ。
ナギサ「・・・・っ!ハリーがあの、
巨大なロザリオに襲われたって本当ですか!?」
モモ「・・・・・はい。ハリーさんの魂は、
あのロザリオに吸われてしまって・・・もう彼の存在は・・・。」
ナギサ「う・・・うう・・・!うわああああぁぁぁぁぁぁん!!!!」
ナギサはハリーが完全に死んだと知り、彼の遺体に抱きついて泣き出した。
ハリーの魂はロザリオの中の世界に永延にさ迷っているため、
あの世に行けない。
ロザリオに吸われた魂は、その中で永延の眠りにつかなければならないのだ。
コリス「・・・・・っ!!うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
コリスは怒りが爆発したか、急に走り出して、病室から出た。
モモ「コ、コリス!!!?」
コリスは街中を走った。自身を家族にしてくれたハリーを失った、
悲しみと共に涙を流しながら・・・。
コリス「うっ!・・・っ!ぐす!ちくしょおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!
よくもハリーさんをおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」
DGC本部の司令室で、モモは隊員たちを集めて、静かに何かを語っていた。
ただし、コリスはいない。恐らく単独で、例の少年を探している。
モモ「あの巨大ロザリオの対策を考えたわ。」
シュドー「対策?まさか、破壊する事ですか!?」
モモ「それは簡単だけど、今は破壊しちゃ駄目よ。中に、
人間たちの魂が無数に入っているんだから・・・。」
テブリッシュ「では、ロザリオの中に入って、魂を救出すると言うのは?」
モモ「NASAが調査したけど、ロザリオに入るための部分が全くないわ。
つまり、ロザリオの中に入れない。やはり、あの少年を探すしかない・・・。」
イチゴ「けど、その間に巨大ロザリオが我々のところに落ちて来たら。」
モモ「それよ。そのための対策を練ったのよ。」
モモはポケットから、7枚の黒いアイマスクを出した。隊員たちはこれに注目。
サキ「ア、アイマスク・・・・!?」 サキたちはそれに呆れそうであった。
モモ「コリスは目を瞑っていたため、ロザリオの光に目が入る事なく、
魂を吸われなかったわ。つまり、その光を見なければ良い。
もし、犯人を捜している途中で、ロザリオが振ってきたら、これを使いなさい。」
テブリッシュ「なるほど、ロザリオの光が消えるまで、
こいつを付けるんですね!!」
シュドー「もちろん、その光以外に、
何かが見えると言うシステムがありますよね?」
モモ「ええ。今朝、SATの調査隊からの情報だけど、
例の少年はG-34地区にいたそうよ。彼はその地区か、そこの近くにいるハズ。
即座に、その地区を中心に調査にかかって、あの少年を捕まえるのよ!!」
モモは隊員たちにそれぞれ、アイマスクを渡しながら、語っていた。
隊員たち「了解!!!!」 こうして、隊員たちはロードラッシュで出撃した。
モモ「・・・・その間に、地区の人々にも、このアイマスクをあげなきゃ!」
モモは残り1枚となったアイマスクを見て、そう言う。こうして、
モモの要請を受けた防衛隊の協力で、街の人々はアイマスクを持つようになった。
巨大ロザリオの魔の手から、魂を守るために・・・。
コリスは多くの人々が消えて、ゴーストタウンとなった6T地区にいた。
コリスはこの街を支配するかのように、聳える巨大ロザリオを見つめていた。
コリス「・・・・ハリーさん。っ!!?」 その時、コリスは、
別の方向に目をつける。だが、そこに誰もいない。
コリス「今のは・・・!恐ろしい気配だ。まさか、あの少年か!?」
そう。コリスが感じたのは、例の少年からの気配だった。
コリス「ハリーさんの仇・・・っ!でっ!!」
コリスはその気配を辿って、あの少年を探そうと走った。
G-34地区。そこの街は平和なため、
多くの人ごみがそれぞれの方向を歩いている。
そこで、ロードラッシュを運転するイチゴと、その車内のレーダーで探しているサキ。
徒歩で行動するテブリッシュとシュドー。何としても少年を探すつもりだ。
そんなシュドーとテブリッシュを、例の少年が、密かにビルの隙間から見ていた。
少年「厄介だな・・・。いち早く落下させるか。」 少年は指をパチンと鳴らす。
その時、空から巨大ロザリオが落ちてきた。人々はそれに注目する。
男性「あっ!!巨大ロザリオだ!!」 人々は動揺する。
シュドー「くそっ!!やはり、敵はこの街にいたのか!?」
テブリッシュ「アイマスクの着用を!!!」
二人の隊員がアイマスクを付けて、目を隠す。そして・・・。
男性「皆!!アイマスクを付けるんだ!!!」 街の人々も、
シュドーやテブリッシュと同じアイマスクを持っていて、全員がそれを目に着ける。
そして、巨大ロザリオの両目が赤く光り、口から黒い光を発した。
赤い光に包まれた人々。だが、倒れていない。そして、隊員たちよ。
ロードに乗っていたイチゴやサキもアイマスクを付けている。
そして、光が消えた。何故か、人々や隊員たちが倒れていない。
シュドー「・・・・・っ!俺たち、生きている?」
テブリッシュ「・・・・そうだ!魂は吸われていないんだ!!」
そう。DGCの開発した特殊アイマスクによって、巨大ロザリオから発する、
邪悪な光が見えないようになっていたため、魂を吸収されずに済んだのだ。
街の人々「やったあああぁぁぁぁ!!!」 「助かったぞォ!!!」
赤い光を見る事はなかった人々は、アイマスクを外して大いに喜んだ。
それを見た少年は予期せぬ事態に驚き、動揺していた。
少年「ど、どう言う事だ!!?何故、魂が吸われていない!?
巨大ロザリオは完全のハズだ!!それがどうして・・・・・!」
その時、少年の背後からコリスの声が出た。少年はこれに驚く。
コリスの声「DGCが良い事を考えてくれたみたいだね・・・。」
少年「っ!!き・・・貴様・・・・!!!」
少年はコリスの方を見て、驚く。
コリス「もう逃げられないぞ・・・!!お前は一体、何者なんだ!?」
少年「ふ・・・っ!流石はマリンナーサの王子。やはり、
遊びで、ワザと出してやった気配を辿ったな?答えてやるよ。
俺の名は、ヴァイラン。その名を聞いて、どう思う?」
少年の名は、ヴァイランだった。コリスは静かな表情で問い続ける。
コリス「お前の出した巨大ロザリオから科学反応がなかった。」
ヴァイラン「そうだろ?言っておくが、俺は宇宙人じゃない。
だとすれば、わかってるのは、一つだけだろ?」
コリス「・・・・・まさか。怪獣でも宇宙人でもない存在・・・!」
コリスはヴァイランの正体に気づき、怒りを込み上げる表情になった。
ヴァイラン「そうさ・・・!俺は使途!!暗躍使途・ヴァイランさ!!!」
そう。ヴァイランは、ヴァルアロスと同じ謎の存在にして、
新たなる敵・使途の一人だった。使途はやはり、諦めていなかったのだ。
奴等は、このヴァイランを第2の使者として、この世界に攻撃を仕掛けた。
コリス「・・・・やはり、まだ消えてないのか。使途の悪意は・・・・!」
コリスの言葉に、ヴァイランは笑みを浮かべ、こう語る。
ヴァイラン「その通りさ!それにしても、ヴァルアロスめ。いくら強いからと言って、
すぐに暴れやがって・・・。そのため、返り討ちにあって死んぢまった。
だが、俺はあの馬鹿とは違う。
俺は冷静な判断で、静かに行動するのが得意でね。
この星の人間共は他の連中から見れば、即座に死すべき存在だと言うが、
その魂は実に面白そうな素質を持っている。」
コリス「どうして、巨大ロザリオで人間たちの魂を奪うんだ・・・・!!」
ヴァイラン「ふむ。巨大ロザリオにはな、存在を変える力を持っていてね。
そこで俺は考えたのよ。そのロザリオを使って、
人間の魂を作り変えて、我が僕の怪獣にしてしまおうとね・・・。」
コリス「それで・・・ハリーさんたちの魂を!!!」
ヴァイラン「っ!!!」 コリスはウルトラシューターを構え、いきなり射撃した。
その弾丸がヴァイランに命中し、爆発した。
ヴァイラン「ぐわっ!!!!!」 そして、そこから巨大な光が発した。
街の人々「っ!?」 「何だ!?光が・・・・!?」
テブリッシュ「この光は・・・!!」 隊員たちや人々がそれに注目する。
光が消え、そこから異形の巨人が現れた。その巨人は頭や背中、下半身が、
獣のような毛に覆われ、顔が目が白く、黄緑のマスクをしていた。
手が3本だけで、それらに鋭い爪が生えている。
人々は巨人に恐怖し、逃げ出す。
街の人々「わああああぁぁぁぁ!!!」 「怪獣だああぁぁぁぁぁ!!!!」
巨人「・・・・・・・!!」
シュドー「巨人だ!!!」 テブリッシュ「攻撃だ!!!」
二人は巨人に攻撃するが、全然効いてないみたいだ。
巨人「・・・・・!・・・・・・!!」
再び攻撃をする二人だが、そこにコリスが来た。
コリス「シュドーさん!!テブリッシュさん!!!」
シュドー「コリス!!どこに行ってたんだ!!」
コリス「あの巨人の正体は、例の少年です!!奴は使途だったんです!!!」
テブリッシュ「な!?し、使途だとォ!!?」
3人は巨人の方を見る。この巨人こそ、ヴァイランの本当の姿なのだ。
つづく
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