その事を思い出したイチゴは、さっきの事を思い出して、顔に不愉快さを表した。
イチゴ「その時の少年からは物凄い殺気を感じたんだ・・・・・。」
テブリッシュ「その少年がまさか犯人だとでも・・・・?」
シュドー「まさか・・・・これは侵略作戦の一つじゃあないだろうな?」
イチゴ「わからない・・・・・もし、見つかったら捕まえて、事実を聞かねばならない。」
モモ「・・・・・よし!今日もヨーロッパの調査を命ずるわ!全員、出動!!」
隊員たち「了解!!!!」
隊員たちは司令室から出て、再びヨーロッパに向かう。モモは司令室に残っていた。
ヨーロッパの街でヘンリーは一人歩いた。
ヘンリー「・・・・・・どの人間もこの人間も・・・・・みんな、どうでもいい。
なのにどうして僕はこの人間など・・・・・・。ん?」
ヘンリーは見た。女の子が風船を持っているところを。
しかし、その女の子はくしゃみしてしまい、そのせいで風船を放して、風船が飛んでしまった。
女の子「くしゅん!・・・あ・・・・・・。」
ヘンリー「・・・・・ふん!!」
ヘンリーはジャンプした。そのジャンプ力はあまりに高く、高く飛んだ風船を見事取った。
ヘンリーは着地し、女の子に風船を返した。
女の子「ありがとう。お兄ちゃん。」
ヘンリー「次はちゃんと守れよ。」
ヘンリーは女の子から離れ、また歩いた。そこに、ヴィレッタが嬉しそうに走ってきた。
ヴィレッタ「ヘンリーさ~ん!」
ヘンリー「ん?またお前か・・・・・・。」
ヴィレッタ「見たわよ。ヘンリーさん、やっぱり、あなたは優しいんだね。」
ヘンリー「・・・・・これは僕の意思でやったんじゃない。ただ、体が勝手に動いただけだ。」
ヴィレッタ「いいじゃないいいじゃないwだって、あの時のあなたも優しかったもん。」
ヘンリー「いや、僕は優しくなんかない・・・・。」
ヴィレッタ「それでもいいの。それでも・・・・・・。」
今から3週間前、ヘンリーはヨーロッパの街に来た。だが、ヘンリーは不満だった。
元々はここに来るつもりはなかったのだ。しかし、彼女の優しさに触れたせいか、
その優しさを忘れることはできないため、再び彼女に会おうとした。
ヘンリー「この街がヨーロッパか・・・・・ここに彼女がいるならば・・・・・・・!」
ヘンリーは手を強く握った。そこに、いきなり、ヴィレッタに会った。
ヘンリー「え?」 ヴィレッタ「あ!」
二人は前を向き合った。そして、いきなり会った驚きでヘンリーはびっくりした。
ヘンリー「うわ!!お・・・お前、あの時・・・・・!!」
ヴィレッタ「くす。やっぱり、ここに住んだんだね。ヘンリーさん。」
ヴィレッタは笑って答えた。ヘンリーは落ち着いてヴィレッタにこう言った。
ヘンリー「・・・・・・・実は・・・・・君に会いに来た。」
ヴィレッタ「え・・・・・・。」
ヴィレッタはきょとんとして、赤くなった。
ヘンリー「あの時・・・・・君に助けられて、君の事が忘れられなくて・・・・・・。」
ヴィレッタ「じゃあ、友達になる?」
ヘンリー「え?」
ヴィレッタ「私の事、忘れられないのでしょ?じゃあ、ずっといられるように、友達になろ!」
そして、現在・・・・・・ヘンリーとヴィレッタはいつの間にか彼女の家の二階にいた。
部屋では、いつも通り友達もいた。彼女たちが楽しくゲームしているもの、ヘンリーは一人佇む。
ヘンリー(・・・・・・・あの時から友達に・・・・・いや、僕はそのフリした。あいつらなどどうでもいいから。
でも、なんで手を出せないんだ。それに、この暖かな気持ちは・・・・・・。)
ヴィレッタ「やったぁ!!」 ヴィレッタは友達と対戦して勝った。
「うひゃ~負けた~!」 「ほら、次、ヘンリーさんの番!」
ヘンリー「え?もう僕の出番か・・・・・?なら・・・・・。」
ヘンリーはWIIリモコンを持ち出した。どうやら、皆はスマブラXをやっていた。
ヴィレッタ「ついに勝負だね!ヘンリーさん。」
ヘンリー「・・・・・・ふ。負けるつもりはないけど?」
ヘンリーは一瞬、笑った。それは一緒に遊べる嬉しさだろうか?
ヘンリーはメタナイト、ヴィレッタはゲームウォッチである。対戦は既に始まっていた。
凄い勝負だ。友人たちも応援していた。そこに、窓の外から何者かが見ていた。
外では、ギェゾンが他の家の屋根からヴィレッタの家・・・・彼女の部屋を覗いていた。
ギェゾンはその部屋で・・・・ヘンリーやヴィレッタたちが楽しくやっているところに不愉快さを感じた。
ギェゾン「・・・・・・ヘンリーめ・・・・・・・!あの女・・・・・・始末する必要があるね・・・・・・・・。」
一方、ヴィレッタの部屋では・・・・・・・。
ヴィレッタ「負けちゃった~。」
ヘンリー「か・・・・・勝ったのか?」
テレビの画面ではメタナイトが勝利のポーズをとっていた。ヘンリーは勝ったのだ。
ヴィレッタ「ヘンリーさん、結構、強いのね。」
ヘンリー「悔しがらないのか?楽しそうな表情してるけど・・・・。」
ヴィレッタ「だって、楽しいんだもん。楽しければ勝ち負けもないよ。」
「次、私やるぅ~。ヴィレッタちゃん、交代ね!」 友人が嬉しそうに言って、ヴィレッタも嬉しそうに答える。
ヴィレッタ「うん!ヘンリーさん、強いよ。」
ヘンリー「いや、僕はそんなに・・・・・・。でも、僕はやるつもりだ。・・・・・・・・・!」
ヘンリーは窓のほうを見た。なぜなら、そこにギェゾンが自分を見ているからだ。
ギェゾン「・・・・・・・・・・・・・。」
ヘンリー「・・・・・・・あいつ・・・・・・・!」
一方、コリス、テブリッシュ、シュドー、サキ、イチゴは再び現場で調査した。
イチゴ「これより、二人の少年・・・・・緑髪の者と茶髪の者を探して捕まえる!
コリスとサキ、テブリッシュとシュドー、僕は単独でそれぞれに分かれ、行動する!」
隊員たち「了解!!!」
こうして、コリスとサキ、テブリッシュとシュドー、イチゴで三組に分かれ、それぞれ行動開始した。
テブリッシュ「俺たちは茶髪の奴を追おう!」
シュドー「よし!正体を突き止めてやるぜ!!」
サキ「私たちは緑髪の・・・・ヘンリーって人を追いましょ!」
コリス「はい!(ヘンリー・・・・・・。)」
コリスの心は不安でいっぱいだった。彼の旧友が悪の手先になってしまったのかと思ったからだ。
イチゴ「さて・・・・僕は誰を追おうか・・・・・茶髪の奴は狂暴な気がするけど・・・・・・・。
あの緑の髪の奴も問題だな・・・・・・!」
夕日になった。友人たちはいつも通り、ヴィレッタの家から出て帰っていった。
しかし、玄関で、ヘンリーはまだヴィレッタといた。
ヴィレッタ「またね、ヘンリーさん!」
ヴィレッタの表情は楽しさと喜びを表していた。しかし、ヘンリーの表情は不安に満ちていた。
ヘンリー「ヴィレッタ・・・・・・。」
ヴィレッタ「どうしたの?」
ヘンリー「もし、君が僕に出会ってなかったら・・・・・・・どうなっただろうな・・・・・。」
ヴィレッタ「え・・・・・?」
ヴィレッタはヘンリーの言葉を聞いて、少し不安な表情を見せた。
ヘンリー「あなたは・・・・・・悪魔の仲間と出会ってしまったんだ・・・・・。」
ヴィレッタ「そ・・・・そんな事ないよ!ヘンリーさんは悪魔なんかじゃないよ!!」
ヘンリー「・・・・僕の仲間が・・・・・君を襲うかも知れない・・・・・・・。」
ヴィレッタ「襲う?どういう事・・・・・・?」
ヘンリー「元々僕はあなたが嫌いだった・・・・・でも、あなたの優しさが・・・・・僕を変えた。」
ヴィレッタ「変えた?・・・・じゃあ、あなたは・・・・一体・・・・・・・・。」
ヘンリー「僕は・・・・・・・・・。」
ヘンリーは自分の真実を語ろうとするが、彼の脳裏に組織の上司からの声が聞こえた。
『お前たちエージェントは、自分の正体を決して、敵に見せてはならぬ。』
ヘンリー「・・・・・・・・・殺人者の仲間だから・・・・・・!」
ヴィレッタ「さ・・・・殺人者・・・・・・・!?」
ヘンリー「・・・・・・すまない・・・・・・・・。」
ヘンリーはヴィレッタに後ろを見せ、走り去った。ヴィレッタは悲しげな表情であった。
ヴィレッタ「・・・・・・・ヘンリー・・・・・さん・・・・・・。」
夜の街でヘンリーが走っていた。そこに、彼の前にコリスとサキが来た。
コリス「ヘンリー!!」
ヘンリー「・・・・・!?貴様は・・・・・・!!」
サキ「あなたね!コリス君を殴ったのは!?」
ヘンリー「・・・・・・そうだ・・・・・・。」
コリス「ヘンリー・・・・・・僕の話・・・・聞いてくれないかな・・・・?」
ヘンリー「お前たちに話す権利はない・・・・・・・・!」
コリス「でも・・・・・・わかるんだ・・・・・・。君は・・・・・誰かが好きになったんでしょ?」
ヘンリー「・・・・!?なぜ、わかる!!??」
サキ「それは・・・・・・あなたの友人から聞いたのよ・・・・・。」
ヘンリー「な・・・・なんだと・・・・・?」
サキとコリスはヘンリーを探している間に、ヴィレッタの友人と出会い、
彼女に、『緑髪の男は知らないか?』と聞いた。友人は知っていたので、彼の事を教えたのであった。
一方、ヴォレッタは自分の部屋にいて、ベッドで寝転がって、悩んでいた。
ヴィレッタ(・・・・・・・ヘンリーさん・・・・・・なんであんな事いうんだろ?
でも・・・・・・私とヘンリーさんは・・・・友達だよね・・・・・・・。)
ヴィレッタはベッドから起き上がって、出た。そこに、彼女の目の前にいつの間にギェゾンがいた。
ヴィレッタ「・・・・・・っ!!?」
ヴィレッタはいきなりギェゾンが自分の部屋にいたため、驚いて後ろにベッドの方に扱けた。
ギェゾン「驚いては当たり前だね・・・・・・なぜなら僕は君を殺すため、ここに入ったんだからね。」
ヴィレッタ「か・・・母さん!!!」
ギェゾン「君の母なら眠ってるよ。安心しな、命は奪ってない。」
ギェゾンはヴィレッタの手を掴み始めた。
つづく
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