3人はグランティに対する怒りと共に歩き出す。
バンジョー「グランティめ・・・・!むっ!?」
その時、バンジョーはどこからか激しい足音を聞いた。
ボトルズ「どうしたのですか!?バンジョー。」
バンジョー「何かが・・・近づいてくる・・・・!!」
カズーイ「何かが・・・?あっ!!」
3人は右の方を見る。何かに気づいたかのように。
その何かは、まるで巨大な4足の動物のような影だった。
その影の者はバンジョーたちを襲うように物凄いスピードで近づく。
バンジョー「ち、近い!!」 カズーイ「避けて!!」
影の者が突進する寸前に、バンジョーはボトルズを抱いて、
間一髪、跳びだして避けた。カズーイも無事である。
ボトルズ「おわぁ!?」 バンジョーとボトルズは地面に転がる。
バンジョー「だ、誰だ・・・・・!?」
バンジョーにそう問われた影の者は、その姿を完全に表す。
それは、サイそのものの姿が少しだけ大きくなったような姿だ。
カズーイ「な、何てでっかいサイなの・・・!?」
ボトルズ「この者は、巨大サイ族。この谷に住んでいる、
かなり攻撃的な種族です。グレースル族と仲が悪いかと・・・。」
バンジョー「もしかして、お前はグレンティなのか!!?」
バンジョーは巨大なサイに向かって指をさす。
グレースル族はグランティと敵対しているそうなので、
彼らと仲が悪いサイ族が、
グランティではないかとバンジョーは思った。だが。
巨大なサイ「グランティ?残念ながら我らサイ族は、
そのような犯罪者どもの仲間になってはいない。
俺の名はギャンビ。この谷の主を守りし者だ。」
バンジョー「谷の主・・・・!?」
ボトルズ「知ってます。この谷のモンスターの中で、
最も強く、この谷全てを支配している大怪獣ですよね。」
ギャンビ「その通り。
俺たちサイ族はその谷の主に忠誠を誓い、
主を守り続けているのだ。最近は主を狙う者が多すぎる。
貴様たちもその主を狙いに、ここを歩んだのであろう?」
バンジョー「な、何を言ってるんだ!?違う!!
僕たちはただ、
この谷に迷い込んだ仲間たちを探しに・・・・!」
バンジョーは説得するが、
ギャンビは彼の話を聞くつもりはない。
ギャンビ「言い訳など聞かぬ!!ぬああああぁぁぁぁぁ!!!」
ギャンビはバンジョーたちを、
主を狙う者として襲いかかろうと走る。
どうやら、
ギャンビは主を狙う者たちから言い訳を受け続けていて、
二度と騙されまいとこの谷に入った者たちを即座に殺していた。
主を狙わぬ者もその理由も聞かずに、排除したそうだ。
バンジョーとカズーイ「とんぼがえりジャンプ!!!!」
バンジョーとカズーイはとんぼがえりジャンプで、
ギャンビの突進を避けた。そして、二人は着地し、
ギャンビはそれに気づき走りを止める。
カズーイは強気でこう言う。
カズーイ「戦いましょ!バンジョー!!」
バンジョー「で、でも・・・。彼はグランティじゃないし・・・。」
カズーイ「でも、こいつはあたいたちを殺すつもりよ!!
あたいたちを敵として・・・!だから、戦うべきよ!!!
どうせ説得なんて通じない相手よ!」
ボトルズ「確かに・・・・。巨大サイ族は疑い深いのですから・・・。」
バンジョー「こうなれば、戦いでわからせるしかないか・・・!」
バンジョーは二つの拳を前に出す。
ギャンビと戦いつもりだ。その時、
謎の物体がバンジョーたちの前に落ちて来た。
バンジョーとカズーイ「ん・・・・?」
ボトルズ「何でしょうか・・・?うっ!?」
ボトルズはその物体を見て、驚く。バンジョーやカズーイも。
バンジョー「こ、これは・・・!」
カズーイ「コンドルの首だわ!!!」
そう。落ちてきた物体はコンドルの首であった。胴体はない。
バンジョー「何でコンドルの首が空から・・・・!」
3人は空で何が起こったか見上げてみる。そこに。
ギャンビ「よそ見をするなああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ギャンビはバンジョーとカズーイに向かって突進。
二人はそれに気づく。
バンジョーとカズーイ「っ!?うわああああぁぁぁぁぁ!!!!」
二人はギャンビの突進を受けて、吹き飛んだ。
ボトルズ「バンジョー!!!カズーイ!!!」
谷の上空では、ユミが複数のコンドルと遭遇していた。
だが、そのコンドルたちはユミを襲っている。
コンドル「ケアアアアアァァァァァァ!!!!!」
ユミ「はっ!!でや!!たあ!!とう!!えぃ!!」
ユミは手と足を素早く振り回して、迫る少数のコンドルの身体を、
バラバラに切り裂いた。多くの死骸が谷に落ちていく。
さっきのコンドルの首がバンジョーたちに落ちたのも、
このせいだ。
コンドルA「キイィィ・・・!!この妖精女!!強ェぞ!!」
コンドルB「可愛いと思ってナンパしてみりゃ、何てこった!!」
ユミ「さて・・・・どうする?まだ、あの子を虐める気?
その気があるなら、また仲間が減るわよ・・・?」
コンドル「ぬうぅぅっ!!逃げろ!!逃げるんだァ!!」
コンドルたちはユミに恐れをなして、一斉に逃げ出した。
ユミ「・・・・もう大丈夫よ。」
ユミが微笑んでそう言うと、1匹の小さなフクロウが飛んでくる。
フクロウ「ホォ!ホォ!ありがとう。妖精のお姉ちゃん。
このコンドルたち、グランティの連中で、僕らを襲おうと・・・。」
ユミ「でも、もう大丈夫よ。あいつら、逃げたし・・・。」
フクロウ「そうだね。お礼に僕らの家においでよ!!
案内するから!」
ユミ「ありがとう・・・。と、言いたいところだけど・・・。」
ユミはフクロウの少年の感謝に応えたいが、
自分はミクスとプルレスを探さなければならない。そのため、
フクロウ族の家には行ってはいけないと思っているのだ。
ユミ「今は仲間たちを探しているのに忙しいの。
人間の女の子と青いジンジョーの男の子だけど・・・。」
フクロウ「その二人も僕らの家にいるよ!」
ユミ「えっ!?本当!!」 ユミはそれを聞いて驚く。
フクロウ「本当だよ!ついて着て!ホォ!!ホォ!!」
ミクスとプルレスがフクロウたちの住み処にいようとは。
こうして、ユミはフクロウの少年についていき、彼らの住み処へ。
谷のとある岩壁にある洞穴がある。
ユミとフクロウはその穴に入る。
フクロウ「ホォ!ホォ!ただいま!!」
ユミとフクロウが入った洞窟には、多くのフクロウがいた。
他のフクロウA「お帰り!!ホック!!」
他のフクロウB「怪我はなかったのかぃ?」
ユミ「うわ~っ!いっぱいいるわねェ。」
フクロウ「うん。だって、ここは僕らのマンションだもん。
僕の名前はホック。僕の部屋に案内してあげるよ!!」
ユミ「え、ええ・・・・。」 ユミはホックについていく。
この洞窟には複数の穴がある。
ユミとホックは一番右の穴に入る。
他のフクロウC「しかし、今の妖精のお姉ちゃん、可愛いなァ。」
他のフクロウD「うん。さっきの人間の女の子も・・・。」
ユミはホックについていき、洞窟を歩いている。
つづく
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