コリス「はい・・・・。そこで、隊長と話したい事がありまして。」
そして、ロードはノコッタパークの前に停まり、コリスが降りた。
そのままノコッタインへ目指そうと走るコリス。それを見送る隊員たち。
サキ「・・・・コリス君。隊長が心配なのかしら?」
イチゴ「宇宙線はこの町に落ちたんだ。
何かが起こっても不思議ではないからね。」
テブリッシュ「だから、コリスには隊長の護衛を任せてもらおう。」
シュドー「その間に、俺たちが宇宙線の正体を探してやるぜ!!」
ロードラッシュは宇宙線の正体を捜索しようと走る。
そして、コリスはノコッタインの前に来た。
コリス「ノコッタイン・・・・。ん?」
ノコッタインに近づくコリスは、そこの庭に誰かがいる事に気づく。
その庭にあるテーブルの椅子に前に座っているモモがいた。
コリス「姉さん!!・・・・っ!」
コリスはモモに近づこうと走るが、急に切ない表情で止まった。
モモ「・・・・・・っ。」 そう。モモは泣いていたのだ。
両親が年をとりつつ、いつかが、死んでいくと思っているからだ。
コリス「ね、姉さん・・・・。」 モモ「っ!!コ・・・コリス・・・・。」
モモはコリスがいる事に気づき、焦って涙を拭く。
コリス「・・・・どうかしたのですか?」
モモ「・・・・・っ。何でもないわ。それより、コリス。
宇宙線と多々良島から出てきた巨大生物の正体は掴めた。」
コリス「いえ・・・・。巨大生物の正体はわかりませんが、
宇宙線がこのノコッタインに落下したそうです。」
モモ「えっ!?宇宙線がこの町に!!?」
コリスは冷静に報告すると、モモが急に驚く。
コリス「ええ。テブリッシュさんたちが捜索にあたっています。」
モモ「そう・・・。ねえ、コリス。」
コリス「何でしょうか?」
モモ「人は・・・必ず死ぬ事はわかっているわよね。」
コリス「はい・・・。半分、信じられないのですが・・・・。」
モモ「じゃあ、こう思った事ある?人はどうして死ぬのかって・・・・。」
コリス「・・・・っ。病気とか事故死、それに物凄い苦痛とかで、
心臓が停止して死ぬんじゃないのかと思います。それに、
もし、そんな苦痛で死ななくても、年寄りとなって寿命で死ぬと思います。」
モモ「そうね・・・・。パパもママも、いつか寿命で死ぬのよね。
避けられないのかな・・・?死と言う現実から・・・・・。」
モモは落ち込み、コリスもまた落ち込む。
コリス「死もまた現実。永遠に生きると言う夢は、
永遠にないと思います・・・。悲しいけど・・・・。」
そう。死は誰にも必ず訪れるものだ。それが、現実なのだ。
永遠に生きていたいと言う夢を持つ人はいるが、その夢は、
必ずや叶えられない夢である。それが、現実なのだから・・・・。
モモ「・・・・もし、パパとママが死んだら、私も死ぬかも知れないの。」
コリス「え・・・・っ!?」 コリスはモモが死ぬと言う事に驚く。
モモ「話は長い・・・・・。そして、辛くなるけど、聞く?」
コリス「・・・・・はい。」 切ない表情で聞くモモに、コリスは決意をする。
その頃、大きな海では、大型船がいきなり爆発した。
そして、この海から髑髏に似た頭をした怪物の顔が少しだけ出てきた。
怪物「キシィアアアアアァァァァァァオォ」
その頃、ロードラッシュはノコッタ町を走り続けた。
テブリッシュ「宇宙線反応だ!!近いぞ!!!」 シュドー「何っ!!?」
シュドーはそれを聞き、ロードを走らせた。近い宇宙線のある場所へと。
イチゴ「・・・・っ!皆!!あれを見て!!!」 隊員たち「っ!?」
イチゴが窓辺に指をさし、隊員たちがそれを見て、ロードラッシュは停める。
そこには、多くの人々が集まっていた。上を見上げているようだが、
何が浮かんでいるのだろう。それは、両腕にハサミがあり、
いかにもセミのような姿をしていた。体が青く、目が黄色い。ハサミが白い。
その奇怪な姿をした者は不気味な笑いをしながら、宙に浮かんでいた。
奇怪な姿をした者「フォッフォッフォッフォッフォッフォッフォッフォッ」
サキ「か、怪人だわ!!もしかして、あいつが宇宙線の正体では!?」
テブリッシュ「行ってみよう!!」 隊員たちはロードから降りた。
そして、怪人に近づこうと、人々のところに来る。
コリスは椅子に座って、モモの話を聞いていた。
コリス「姉さんが・・・・消える・・・・!?」
そして、コリスは悲しそうな表情で震える。モモが話したのは、
あまりにも過酷で悲しい出来事に違いない。
モモ「そうよ・・・。」
コリス「モモ姉さんがマリンナーサから離れて、いつ消えるか、
わからない存在になっていたなんて・・・・っ。それに、
この星での両親が死ぬ事で、姉さんも死ぬだなんて・・・!?」
モモ「ええ。この星でのママは元々、
病で子供が産めない悲しい人だったわ。
そして、パパとママの夢に呼応した私は、
二人の娘として存在するようになったの。
もし、パパとママが死んだら、私の使命が終わると同時に、命も消える・・・。」
コリス「姉さんは・・・あの二人の夢を守るために、
あえてマリンナーサから離脱して、この星に残ったのですね・・・・。」
モモ「ええ。いつ存在=命が消えるかわからないかと言って、
早数年、今は防衛隊長として働いているけどね。そこで、
弟のあなたと出会えた。それで私は長生きできると思うわ・・・・。」
モモは優しい笑みでコリスの頬に触れる。
彼の目から一粒の涙が出つつある。
コリス「姉さん・・・・・。」
モモ「私が先に死んでしまったら、パパとママの夢は消えて、
二人はその夢から覚めて、
現実の子供の産めない夫婦に戻ってしまう・・・。
だから、私は生き続ける。パパとママに幸せな夢を見せ続けるためにも。
そして、コリス。あなたも生きて・・・!」
コリス「え・・・・・?」
モモ「あなたには私の存在を継いで欲しいから・・・。もし、
私の存在が早く消えてしまったら、あなたが私の存在となって、
この地球の人々に夢と希望を取り戻させて!そして、
このノコッタインとパパとママを守って。それが、私の願い・・・・。」
モモはそう言いながら、コリスの両肩に触れた。
つづく
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