シュドーと テブリッシュは椅子に座り、テーブルの上の漫画数冊を置いた。
シュドーは「ロザリオとバンパイア」の本、テブリッシュは「仮面ティーチャー」の本を読んでいた。
シュドー「んで?次はいつから行動するんだ?」
テブリッシュ「うむ・・・・・。20分たったらまたパトロールに戻るか。」
シュドー「うん・・・・・?おい、あいつは?」
テブリッシュ「なんだ?・・・・お!」 シュドーが指差したところに、
黒い鎧のような衣装を着ている少年がいた。そいつはゴダルだ!
ゴダルは何故かこの喫茶でくつろぎ、「ドラえもん」の本を読んでいる。
ゴダル「この絵でお話を作っている・・・・漫画か・・・・・。しかし、この漫画とやらは、
わけわからんな・・・・・・。」 ゴダルは無愛想に読んでいた。それを見た二人は?
シュドー「あいつ・・・・・・変な格好してるぜ?」
テブリッシュ「まさか・・・・・宇宙人か?しかも、あいつ、漫画を知らないそうだな・・・・。」
ゴダル「・・・・・・ふん!」 ゴダルは本を置いたまま、喫茶から出た。
シュドー「あいつ・・・・なんか怪しいぜ!」
テブリッシュ「・・・・・・一度、追跡してみようぜ・・・・・!」
シュドーとテブリッシュも漫画を置いたまま喫茶から出て、ロードラッシュに乗った。
一方、病室では、コリスがサキがネリーを見ているところ、彼女がゆっくりと目を覚ます。
ネリー「う・・・・ん・・・・・・・。」 そして、ネリーはゆっくりと上半身を起こし、二人を見る。
コリス「目覚めた・・・・・・。」
サキ「よかった!あの時、何があったの?」
ネリー「あ・・・・あなたたち・・・・・・・。」
サキ「私はサキ。コリス君と同じ、DGCの隊員よ。」
コリス「・・・・・・・・・・・。」
ネリー「え・・・・・あ、ああ。助けて頂きわざわざありがとうございました。」
サキ「ええ。困ってる人は放ってはおけない・・・・。それが私たちの使命なの。」
コリス「あの遺跡から怪獣が目覚めてしまったんです。」
ネリー「うん。私、この目で見たわ。怪獣ゴルドラスが突然、目覚めたの?」
サキ「何故目覚めたかはわかるかな?」
ネリー「わからない・・・・・。急に復活したんですもの・・・・・。」
サキ「・・・・・そう。無理しなくて考えなくてもいいよ。まだ安静しなきゃ。」
サキはそう言うと、ネリーの上半身を寝かせ、さらに、布団でその体に被せた。
ネリー「・・・・・・・・。」 ネリーは二人の知らないところで笑みを浮かべた何かを企んでるらしい。
サキ「・・・・じゃ、私はジュースを買ってくるから、コリス君はネリーちゃんをお願いね。」
コリス「はい・・・・・・・・・・。」 サキが病室からでようとすると、ネリーが突然叫ぶ。
ネリー「待って!!!」 ネリーの叫びを聞いたサキは彼女の方に向く。
サキ「どうしたの?」
ネリー「実は・・・・・頼みたいことはあるんです。」
サキ「頼みたいこと?」
ネリー「あの・・・・・・身体検査とか、手術とかは・・・・・やらないようにって先生に伝えて・・・・・・。」
サキ「どうして?」
ネリー「・・・・・・・私、自分の裸見られるの嫌なの・・・・どんな事でも・・・・・・。」
サキ「恥ずかしいんだね?わかったわ。女の子って裸見せるの恥ずかしいからね。
じゃ、裸見せるような審査を受けさせないように先生にも言っておくわ。じゃ。」
サキはそういうと、病室から出た。その時、コリスは何故か不安した。
コリス「・・・・・・・・・・・・・。」 そして、そんなコリスにネリーが笑みとともにこう発言した。
ネリー「・・・・・・・怖い?」
コリス「っ!!?」
そう言われたコリスはぞっとし、ネリーの方に向く。脅えそうな表情だ。
コリス「・・っ・・・・・。・・・・どうして、審査を受けたくないんですか?」
ネリー「ふふっ。そう聞かなくても、あなたなら私の秘密を知ってるはずよ・・・・・・。
マリンナーサの王子であるあなたならね・・・・・・!!」
コリス「ど・・・・どうして・・・・・!?」
ネリー「どうして?・・・・・あなた、私の正体はわかってるわよね?」
コリス「・・・・・・・わからない・・・・でも・・・・・!」
ネリー「怖いわよねぇ・・・・。そうだ。今しかないからここであなたの恐れた事について話すわ。」
コリス「・・・・・・・・・。」 コリスは恐る恐るでネリーの話を聞いた。
ネリー「・・・・・・・・怪獣ゴルドラスは、冥界の王子とともに復活したわ・・・・。」
コリス「め・・・・冥界の王子・・・・・!?」
ネリー「ふふふふふふふふ・・・・あの石版の絵柄は見たかしら?」
コリス「石版の絵柄・・・・・?」 コリスは昨日の事を思い出す。
ネリーの持つ石版に不気味な巨人の絵柄がある。
そして、その巨人はかつてのイメージに出てきた黒い仮面の巨人と同じ姿だった。
コリス「まさかっ!!!??」
ネリー「そう・・・・・・それこそ・・・・あなたとその姉モモが恐れた・・・・・冥界の王子よ!!」
コリス「冥界も王子!!???」
一方、赤信号によって、止まっているロードラッシュは街を歩くゴダルを密かに監視していた。
シュドー「あの黒いの・・・・・次はどこへ行く気だ?」
テブリッシュ「わからんな・・・・・。よし!シュドー!あの黒いのを追ってくれ!!」
シュドー「わかった!運転を変えよう!お前が怪獣の行方を捜すんだろ?」
テブリッシュ「ああ!頼む。」
シュドー「おう!任せな!!」 シュドーがロードから降りて、今度はテブリッシュが運転席に座った。
テブリッシュ「怪獣め!必ず見つけ出してやる!!」 青信号になって、ロードは走り出す。
同じく、シュドーもゴダルの後についていった。
ゴダル「・・・・・・・・・・・。」
シュドー「さーて・・・・・こいつはどう行動に出るか・・・・っと!」
ゴダル「・・・・っ!?」 ゴダルは後ろで誰かがついている気配がしたため、後ろに向く。
しかし、シュドーは知らないふりをして、両手を頭の裏で組、左上に向かって口笛を吹いた。
ゴダル「・・・・・・・ふん。」 ゴダルは後をつく者がいないとわかったため、前に向かって歩いた。
シュドー(ちっ・・・・!危ねぇとこだったぜ・・・・!!) シュドーはすぐに普通の体勢に戻り、追跡した。
病室では、コリスはネリーと対話をしていた。
ネリー「あなたの姉は知ったわよ・・・・冥界の王子の事をね・・・・・・!」
コリス「・・・・・・だから、お姉さんがあんなに苦しんで・・・・。」
ネリー「あなたも・・・・・冥界の王子のうわさを知ったでしょ?」
コリス「知ってません・・・・・。でも、なんか体が震えて・・・・・・・。」
ネリー「・・・・・・・夢の国では・・・・・・・ある恐ろしい伝説があったの。
冥界より現れし、黒い仮面の王子が複数の兵を率いて現実世界を襲おうとしたらしいわ。
でも、あなたとモモの父である王は夢の国の同士たちとともに、
その軍団を追い払ったと聞いたわ。」
コリス「パパたちが・・・・・・・!それで、他に何かありましたか!?」
ネリー「・・・・私が話せるのはそれだけよ。詳しくはモモかシャドーに聞くことね。」
コリス「っ・・・・・・・!!」
ネリー「そして、その冥界の王子の名前を教えてあげるわ・・・・・・。名は・・・ゴダル!」
コリス「ご・・・・ゴダル・・・・・?」
ネリー「その男が現れたら最後・・・・・あなたは・・・・・!!」
ネリーが発言の途中に、サキがドアを開いて病室に戻ってきた。
サキ「ただいま。」 コリスとネリーはサキが戻ったので、急に静かになった。
ネリー(・・・・・命拾いしたわね・・・・・!)
サキ「はい。コーラ三個買ったよ。はい。コリス君。」
サキはコリスにコーラを渡す。その時、コリスの表情に笑顔はなかったところを見る。
サキ「どうしたの?コリス君。」 サキは笑顔のないコリスに聞く。
コリス「・・・・・・サキさん。ネリーさんは・・・・・・・。っ!!?」
コリスの頭に突然電撃が走る。ネリーからのテレパシーだ。
ネリー『今、ここで・・・・・・私の正体を知ったら、ここで暴れてサキという女も殺すわよ。
ま、悲しい目に会いたくなかったら私の正体を明かさないことね・・・・・。』
コリスはネリーのテレパシーを受けて、さらに震えだす。
サキ「コリス君・・・・・?」
コリス「あ・・・・い、いえ・・・・・なんでもありません・・・・・・・・。」
サキ「・・・・・何があったか知らないけど、大丈夫ならいいよ。」
コリス「すみません・・・・・・。」
サキ「謝らなくてもいいのよ。・・・・・はい。これがネリーちゃんの分ね。」
サキはネリーのところに来て、彼女にコーラを渡した。
ネリー「ありがとう。」 ネリーはさっそくコーラを飲み始めた。
サキ「先生に言っておいたわ。考えておくって。」
ネリー「すみません・・・・。」
サキ「謝らなくてもいいよ。早く退院できるといいね。」
ネリー「はい。」 ネリーは再び密かに不気味な笑みを浮かべた。
その頃、シャドー城のとある部屋で、シャドーがモニターでネリーの様子を見ていた。
シャドー「昨日、復活した怪獣にやられて、病院に運ばれた。
そして、DGC隊員がお見舞いに来て、スキを見つけて奴らを倒そうと・・・・・。
意外なひらめきを持ってるのね、ネリマリスは。
いいわ。ゴダルも同じ街を歩き、怪獣ゴルドラスもじきにその街に・・・・・!
さあ、ネリマリス・・・・ゴダル・・・・・・。どちらかでもいいから、コリスをやっつけなさい・・・・・!!
特に、ゴダル。今日からあなたを私の最強の兵士に仕立て上げてあげるわ。」
街の中でシュドーはゴダルをひっそりと追っていた。
ゴダル「・・・・・・・・・・・。」
シュドー(さぁぁ~何かしてみろぉぉ~!もし悪人だったらこの俺様がやっつけてやるぜぇぇぇ~!!)
シュドーは足を大きく前に踏み、音も立てずにゆっくりと必死にゴダルの後をついていった。
ゴダル「・・・・・くだらんな。」 その時、ゴダルが冷たい声で呟く。
シュドー(はっ!!!!????) シュドーはそれを聞いて、手足を広げ、驚く。
ゴダル「この人間界は以前より変わったな・・・・・・・。
同士で争ったり、自然を破壊したり、自分たち以外の生物を殺す・・・・・・。
全く。僕が生まれた世界・・・・冥界よりたちが悪そうだ・・・・・。」
シュドー(冥界・・・・・・!?まさか・・・・・こいつ、やはり人間じゃないのか!!?ならば・・・・!!)
シュドーは後ろからゴダルに殴りかかる。そして、ゴダルは後ろからの拳を左手で受け止めた。
シュドー「な・・・・・・!やはり・・・・・・・!!」
ゴダル「なんだ人間?いきなり殴りかかるとは変わった奴だな。」
シュドー「やいやいやいやいやい!!!てめぇ人間じゃねぇな!!?異次元人だろ!???」
ゴダル「・・・・・ふっ。そうかもね・・・・・・・。」 ゴダルは笑みを浮かべながら、そう言った。
DGC本部の司令室で、モモが呟いた。
モモ「・・・・・・・感じるわ・・・・・。あいつは・・・・・・・既に動いている・・・・・・!!」
モモは震えている体を両手で抑えていた。
モモ「シャドー・・・・・・あなたは・・・・・何をしたの・・・・・?」
そして、病室にて。
コリス「・・・・・・・・・・あ!」
コリスの携帯電話が鳴り出した。コリスは電話をする。
コリス「こちら、コリス。」
モモ『モモよ。ネリーから何か聞いた?』
コリス「っ!?はい・・・・・一応・・・・・・。」
モモ『では、後はサキに任せて、あなたは本部に戻って。そこでお話しましょう。』
コリス「はい・・・・・・。」 コリスは電話を切った。
サキ「隊長から?」
コリス「・・・・はい。僕だけ本部に帰れって・・・・・・。」
サキ「そう・・・・・。じゃ、気をつけて。」
コリス「・・・・・はい・・・・。必ず戻ってきます。」
コリスはそう言うと、病室から出た。
つづく
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