桜「・・・・・・・・はい。」
春日「・・・・・あなたの家族は・・・・・・・デス・ナイトの研究員だからね・・・・・・。
みんなも・・・・桜の過去を・・・・知ってるわよね?」
清水「はい・・・・・・。」
野沢「・・・・・隊長がそう言ってましたから・・・・・・・。」
桜「隊長。」
春日「何?」
桜「・・・・・この話が終わった後で、ある人のところに行ってもいいでしょうか?」
春日「あなたの心が癒えればね・・・・。」
桜「あれは・・・・・・まだ私が生まれた頃・・・・・・・・・・・。最初のお父さんとお母さんは、
赤ん坊の頃の私には・・・・・すごく優しくしてくれました・・・・・・・・。
でも・・・・・私が幼稚園児くらいになると、急に両親が暗くなって・・・それから・・・・・・・。」
桜の発言とともに彼女の残酷な過去が見えてくる。
彼女が幼い頃に・・・・両親に突然、暗い研究所のとある部屋に連れて行かれていた・・・・・・。
幼い桜「パパ・・・・・・ママ・・・・・ここどこ?怖いよ・・・・・・。」
幼い彼女は泣きそうに言った。しかし、両親は黙っていたままだった。
そこに、一人の研究員が両親の前に来た。そして、父がやっと発言を出す・・・・。
桜の父「桜・・・・・・・今日からお前は、デス・ナイトの戦士になるのだ。」
幼い桜「です・・・・ないと・・・・・・?」
桜の母「デスナイト。お前はこれから人を傷つけなければいけないのよ。
残念でしょうけど、あなたに幸せは来ない運命なのよ・・・・・・・。
もしかしたら死ぬかも知れない。死後・・・・地獄に落ちるかも知れないけど。」
幼い桜「いや!!」
父と母「なんだって!!!?」
幼い桜「私・・・・・・傷つけるなんていや!!!!」
幼い桜は逃げていた。両親と研究員はそれを追っていた。
「待てぇ!!!」 「裏切るのか!!」 「お前はデス・ナイトの子だ!!戦士なのだぞぉ!!!!」
幼い桜「いやぁぁぁ!!助けて・・・・おねえちゃ~ん!!!!」
しかし、研究員たちは桜を捕まえてしまった。
幼い桜「きゃぁぁぁぁぁ!!!やだやだやだやだやだぁぁぁぁ!!!」
桜の父「あきらめたまえ。これも運命なのだ。」
桜の母「あなたには近い未来、友達もおらず普通に遊べない。
あなたは・・・・・・・生まれなければよかった存在だったのよ・・・・・。」
幼い桜「お姉ちゃん!お姉ちゃあぁぁぁぁぁぁ~~~ん!!!!」
・・・・・そして、現在・・・・・・。部屋は桜の過去話によって暗い雰囲気を表した。
桜「・・・・・・・結局、私は捕まってしまいデス・ナイトの人たちにあらゆる虐待を受けた。
もちろん、幼稚園には行けました。けど、帰ったらまた虐待の時間に戻りました。
両親は私にご褒美とかくれず、どこか楽しいところへは連れてってくれませんでした。」
清水は辛そうな顔して、桜にこう言った。
清水「・・・・・・・それから・・・・・あなたは自分の親を憎み、組織を抜け出したのね・・・・・・。」
野沢「うっ・・・ぐす・・・・ぐすん・・・・ううっ・・・・・・。」
野沢は桜のあまりの悲しい過去に同情して泣いていた。他の・・・・3人くらいの隊員も泣いていた。
春日「・・・・・・それで、まだ、他にもあるわよね?」
桜「はい・・・・・でも、皆さんが悲しんでいるので、もう止めます・・・・・・・。」
清水「待って!さっきの話・・・・・・あなたの姉とは・・・・・。」
清水は質問しようとするが、桜も突然涙を流した。
清水「うっ・・・・・・・。」
桜「もう・・・・・いいたく・・・・ありません・・・・・・・!」
桜は泣きながら部屋から出た。自分の過去はあまりにも過酷で、
その事を他の人に語るだけで辛かっただろう・・・・・・・。
春日「・・・・・・・月野・・・・・・・・・。」
野沢「桜ちゃん・・・・・・・私たちがいるからね・・・・・・・。」
商店街で、あかりが買い物をしていた。
あかり「あとは・・・・光次郎さんが頼んだ物ね。ってことはコンビニに決まりね!ん?」
あかりは偶然、走っている桜を見た。しかし、桜の表情は悲しげで、涙は出たままだった。
あかり「・・・・・・あの人は・・・・・・・。」
一方、デス・ナイト日本支部アジトでは?
アドゥス・サイルドとガンズ・スライドが佐野山のもとに戻ってきた。
佐野山「ご苦労だったね、二人とも。君たちの素晴らしいコンビネーションが、
SSPの連中を窮地に追い込んでくれた!」
ジェノサイド・シーザー「これより、次の任務を発表する。」
アドゥス・サイルド&ガンズ・スライド「はっ!!」
佐野山「裏切り者・マリオネット・ライターの居場所がわかったのだ。
彼女は・・・・高町光次郎とやらの少年を保護している。
奴らは秋田町にいる。そこを襲撃したまえ!」
アドゥス・サイルド&ガンズ・スライド「了解!!!」
一方、桜は泣き止んだが・・・まだ悲しげな表情で町を歩いていた・・・・・。
桜「・・・・・・お姉ちゃん・・・・・・・・・・。」
そして、再び桜の過去。幼い桜は彼女の姉と一緒に積み木をつんで遊んでいた。
その姉は・・・・小学生くらいの女の子であった。
桜の姉「桜。今度は巨大タワー作ろっか!」
幼い桜「うん!作って作って!」
二人はとても笑いあった。だが・・・・時は過ぎて、両親と食事を取っていた。
幼い桜「・・・・・・・・・・・・。」
幼い桜は皿にピーマンを残していた。
桜の父「どうした?桜。」
幼い桜「・・・・・・ピーマン・・・嫌い・・・・・。」
桜の父「甘ったれるな!!!!」
父は怒ってテーブルを思いっきり叩いた。桜は泣きそうになる。
桜の姉「・・・・・じゃあ私が食べてあげる!」
幼い桜「ほんと?うわーいありがとう。お姉ちゃん。」
桜の母「いけませんわ!他人に頼っては!!」
桜の母「いいじゃないですか。お姉ちゃんは妹を大事にしなきゃ・・・・・・。」
そして、現在。桜は自分の姉を思い出して、少し笑っていた。
桜「・・・・・もし、お姉さんが今も生きてれば・・・・どうしてたかな・・・・・・。」
そして、再び桜は笑顔をなくす。
桜「・・・・・・本当にどうしてたかな・・・・・・。光次郎君・・・・・・・・。」
桜は光次郎君のあの言葉を思い出した。
光次郎『桜ちゃんが・・・・人殺しなんてするわけ・・・・・ないよね・・・・?』
桜(・・・・・ごめんね・・・・・・光次郎君・・・・・・・・私・・・・・・・・・・。
よし!じゃあ、教えてあげる!私の本当の姿を・・・・・・・!)
光次郎は自分の部屋でパソコンをしながらあかりの帰りを待っていた。
しかし、心では、桜の本当の姿はなんなのかと思っていた。
光次郎(・・・・・・桜ちゃん・・・・・・・・もし、君があれだとしても、僕に優しくしてくれるよね・・・・・・・。)
光次郎は今まで桜と過ごしてきた日々を思い浮かべた。
光次郎と桜は小学4年生の頃から出会い、それから二人とも仲良く遊んでいた。
ときにいじめられっ子に泣かされた光次郎は桜に頭を撫でられ慰められた。
桜はときどき光次郎の家に来る事もあった。真奈美と出会ったのも、小学4年の頃であった。
3人とも楽しい日々を送っていた・・・・・・彼にとっては楽しい一時でもあった。
光次郎「そういえば、真奈美ちゃんもあの頃に出会ったっけ。
でも・・・・・・去年で死んでしまったな・・・・・・・・。」
そして、ドアがトントンと音が鳴り、開く。あかりが光次郎の部屋に来たからである。
あかり「ただいま帰りました。」
光次郎「お!来たか。・・・・・じゃあ、あかりさん。ついてきて。」
あかり「・・・・・・・・はい。」
一方、桜も光次郎の家の前に来た。
桜「・・・・・・光次郎君・・・・・・・・。」
高町邸・和室
光次郎とあかりは座りながら光次郎のアルバムを見ていた。
あかり「わあ。可愛い赤ちゃんですね。」
光次郎「こいつは・・・・・・生まれたばかりの僕なんだ。」
最初は赤ん坊の頃の光次郎の写真を見ていた。
光次郎「・・・・僕はその頃をまったく覚えていなかったね。あかりさんは赤ん坊の頃、どんな事した?」
あかり「え?わ・・・・私も・・・・・あまり覚えてません・・・・・・・。
今思えば、私と昔話しようとでも?」
光次郎「その通り。ごめん・・・・・急に自分の過去が恋しくなって。あかりさんはどんな過去持ってる?」
あかり「・・・・・・・・・・。」
あかりは光次郎に言われて、急に辛い表情を表す。
光次郎「あ!ごめん・・・・・・そんなつもりは・・・・・・・。」
あかり「いえ・・・・いいです。・・・・私・・・・・・過去の事・・・・・覚えていません・・・・・・。」
光次郎「そうか・・・・・・・・・。」
つづく
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