アンドロイド少女・マリオネット・ライター 第33話・美しき小悪魔
悪魔ジャンボロイド・ミスティー・デビルス登場
夜の街。そこはしょうもない程の欲望を大人たちが多くうろつく場所である。
たとえば、大はしゃぎをする者たち。その者たちは多くの金を持っているため、
好きなだけ欲しい物が手に入る。その者たちはどれ程の幸運が大きいのかわからない。
逆に暗いところで寂しがる者たち。その者たちはそれぞれ一人で行動し、
欲しい物を求めてさ迷うが、それを持つ者たちに否定され、
ある者は複数の他人にいたぶられていた。彼らに幸せなど一つもないのだ。
そして、その者の一人である青年が涙を流しながら座り込んでいた。
青年「・・・・どいつもこいつも・・・・・強けりゃ調子に乗りやがって・・・・!
俺たち弱者の気持ちも一つも知らずに・・・っ!!強者なら・・・・。
弱き者たちを助けてくれると言うのに・・・・。くそ・・・・。」
青年は暗いところから、幸せを謳歌する者たちを見て、そう切なく呟いた。
謎の声「ならば・・・・・あんたも強くなれば良いじゃない?」
青年「っ!?誰だ・・・・っ!?」 青年は謎の少女の声に反応し、立つ。
その青年の前に、声の主である少女が舞い降りた。その少女は、
背中に悪魔のような翼が生えていた。そして、赤いボンテージをしている。
悪魔の翼の少女「私は悪魔。あなたを救いに来たの。」
青年「俺を救いに・・・・!?」
悪魔「そうよォ。私はこれまで何度もあなたのような弱者を救って来たの。
だから、今度はあなたの番。さあ。幸せが欲しかったら、
私についてきなさい?きっと、素晴らしい世界へ案内してあげるわ。」
青年「素晴らしい・・・・世界・・・・・?」
悪魔の言葉を聞いた青年はそのまま悪魔に近づく。
悪魔が青年にそっと抱きしめ、悪魔の翼で夜空へ飛び去った。
悪魔は青年を連れ去ったのだ。果たして、悪魔は何故現れたのか?何故、
彼女は弱者たちを何処かへ連れ去るのか・・・?
秋田学園の廊下では、光次郎と榊が昨日起きた事件について会話していた。
榊「なぁ。聞いたか?高町。また悪魔が人を浚ったらしいぞ?」
光次郎「うん。最近、SSPでもその悪魔って奴を確信したらしいけど・・・。」
榊「しかし、悪魔ってどんな奴だろうなァ・・・?人間たちを次々と浚って・・・。
もしかして、地獄へ落とすつもりだろうか?あ。ちなみに、俺が見たところ、
悪魔はどうやらセクシーで美人でボイ~ンな美少女らしいぜwww」
光次郎「うん。もし、そうだった捕まってHな拷問をしたいね。」
榊「だろ?だろ?ここは正義の鉄槌をくらわせねばならんな。うん!」
光次郎(しかし、悪魔は何故人を浚うのか・・・?今回もデスナイトの仕業に違いない・・・!)
光次郎は聡子のいる3階に来て、聡子と会話をする。
聡子「え?人を浚う悪魔・・・・?」
光次郎「・・・・はい。あの悪魔はもしかして、
デスナイトの仕業ではないかと思います。ただ・・・僕の勘によるものですが。」
聡子「・・・・私の父や母もその件について調査したそうだけど、
あの悪魔と言われた少女についての詳細はまだ不明らしいわ。
まあ、こちらもデスナイトの使者ではないかと確信しているんだけど・・・。」
光次郎「そうですか・・・。では、僕がSSPとして、
その悪魔の秘密を探って来ますので・・・・。」
聡子「ええ。頑張ってね・・・・。」
こうして、ホームルームが終わり学園から出た光次郎は、
青井と桜はSSP第6分隊の基地へと向かった。
そこの司令室で、春日隊長が隊員たちの前で事件の説明を始める。
春日「・・・・4日前より謎の蒸発事件が始まっているわ。
その原因は悪魔と呼ばれる存在の仕業であったわ。」
青井「ですが、悪魔とは人の心に漬け込んで、その心に悪意と邪心を植えつけると言う、
恐るべし神話の存在で、現実には存在しないハズでは・・・?」
春日「けど、存在したわ。悪魔はそれらしい翼はともかく、
髪が長く、三つ編みらしい。色は赤いそうよ。とにかく美しそうな女性であるわよ。」
桜「悪魔は・・・・人を次々と浚ったと聞きます。」
春日「うん。なお、浚われた人間たちは皆、不良、ホームレス、
捨て子、無職、貧乏、浪人など・・・・。皆、社会に捨てられた者たちだったわ。」
清水「その社会に捨てられた者たちは、ほとんどが後の悪人になるとなります。」
野沢「その人たちはそれぞれが独りぼっち。その悲しい人たちを、
悪魔が浚って悪の存在に変えようとしているんだわ。きっと・・・。」
春日「2人の言う通りかも知れないわね・・・。
悪魔は深夜に出没すると言うわ。深夜から調査を開始するわ。」
光次郎「では・・・。僕らもはそこで出撃するんですね!?」
春日「ええ・・・。ただし、高町隊員。」
光次郎「は、はい・・・・?」
春日「今回の任務・・・。あなたは動かないでもらうわ。」
光次郎「え・・・!?」 桜「・・・・・っ!?」
光次郎は春日の言葉に動揺し、桜も動揺をする。
光次郎「な、何故・・・・僕を出さないんですか・・・・!?」
春日「部隊では、状況によって出す隊員と出さない隊員があるのよ。」
桜「ですが、光次郎君は今までの事件に悉く立ち向かい、勝利を収めました。
今回の事件も・・・・光次郎君ならきっとできるハズかと・・・・。」
春日「わかっているわ。けど、今回は高町隊員を出さないつもりよ。いいわね?」
光次郎「・・・・・・はい。」 光次郎は少し落ち込んだ表情で了解した。
清水「これも隊長命令だ。気が向いたら、あなたも出撃させてくれるハズよ。」
野沢「ごめんね。次は一緒に行動してあげるから、それまで待っててね。
それに・・・・隊長はきっとあなたに無理させないために言ったんじゃないと思うわ。私・・・。」
光次郎「野沢さん・・・・。」
春日「出撃の時は午後10時の時。それまでに各員は待機をしておきなさい。」
つづく。
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