サキ「・・・・・・隊長。」
暗い雰囲気を表す隊員たちの中で、サキが切なそうにモモに聞く。
モモはサキの声に反応し、彼女の質問を聞こうと彼女の方を向く。
サキ「本当・・・・なのですか?隊長とコリス君が、
夢の国の人だった事が・・・・。そして、
コリス君がウルトラマンクリスタルだって言う事も・・・!」
モモ「・・・・・そうよ。」
コリス「僕が・・・ウルトラマンなんです・・・・。」
そして、コリスは皆の前にウルトラウォッチを見せる。
隊員たちはコリスに目線を向ける。
テブリッシュ「何故、俺たちに隠したんだ?」 コリス「え・・・?」
テブリッシュの言葉にコリスが動揺する。そして、シュドーも。
シュドー「皆と一緒に戦いたくないからか?それとも、
一人だけで抜け駆けして勝ちたかったからか・・・・っ!?」
シュドーが怒っているような感じでコリスに近づく。
そんなシュドーの前にサキが立ちはだかって、コリスを庇う。
サキ「ま、待って!!コリス君がそんな事するハズが・・・!」
シュドー「どかねーか!!サキ!!
こいつは俺たちを差し置いて・・・!!」
テブリッシュ「確かに、コリスは我々がピンチな時に、
一人で逃げ出していた。それは、クリスタルになるためであった!
何故だ!?何で一人で戦おうとするんだ!?コリス!!!」
シュドーとテブリッシュは一人で戦っていたコリスに怒りを見せていた。
シュドーはコリスがDGCの手柄を横取りしたと思い、
テブリッシュはDGCから離れて一人で戦っていたと思っているからだ。
コリス「それが・・・夢の国の掟だからです。」
イチゴ「夢の国の・・・・掟・・・・!?」
サキ「な・・・何を言ってるの?コリス君。あなたは人間でしょ?
夢の国の人でもウルトラマンでもないんでしょ?」
サキは無理に笑顔を作って、そう言う。まだ、
グランメアルドの語った事を真実だと思いたくないからだ。
コリス「いいえ。僕は夢の国の王子。
ウルトラマンクリスタルです。ショワッチ!!」
そして、コリスはウルトラウォッチを光らせる。すると、
その光がコリスを包み、等身大のクリスタルへと変えた。
ウルトラマンクリスタル「・・・・・・・っ。」 サキ「っ!!!!??」
隊員たちは物凄く驚いた。コリスがクリスタルになった事に。
特にサキは目を大きくして、口に手を当てていた。
隊員たち「おお・・・・・・っ!!」
イチゴ「や・・・やはり。君がクリスタルなんだね・・・・・っ!!」
ウルトラマンクリスタル「はい・・・。これが、僕のもう一つの姿です。」
テブリッシュ「そのもう一つの姿に変わるのを皆に見せたくなかったのか?」
シュドー「けど、納得いかねェぜ。こんな姿になって、
俺たちの手柄を横取りするなんてよ。本来なら、
地球は俺たち人類が守るべきだってのによ・・・・!」
ウルトラマンクリスタル「ごめんなさい・・・。僕はこの地球が、
誰かに汚されるのが嫌なんです。
だから、あなたたちに黙って・・・・。」
モモ「私も弟と同じ気持ちよ。」 イチゴ「隊長!?」
モモの発言に、隊員たちが彼女の方に向く。
モモ「今度は私が正体を見せる番ね。」
モモは右手をあげる。そして、
その近くが光り、そこからミンキーステッキが出てきた。
モモはそのステッキを手に取った。隊員たちはまたも驚く。
シュドー「な・・・・何ですか!?そのステッキは!?」
モモ「魔法のステッキよ。私は魔法のプリンセス、ミンキーモモよ。
これでわかったでしょ?私たちの真実が・・・。」
テブリッシュ「ですが、
使徒が言うには、もう魔法が使えなかったハズ!?」
モモ「あれは夢と希望が完全になくなったからよ。でも、
私は信じている。この世界に夢と希望がある事を・・・。
ゴダルと怪獣軍団が現れた時、私の本当の両親が、
私に新しいステッキを与えてくれた。それが、このミンキーステッキ。
でも、これは夢の力で具現化した物。
もう魔力がわずかしか残っていていない・・・。」
サキ「本当の両親って、マリンナーサにいる方のですか!?」
イチゴ「では、ノコッタインのあの二人は・・・・・!?」
モモ「あの二人には元々、子を産めない不幸な夫婦だった。でも、
二人の子が欲しいと言う夢が、私をあの二人の子にしただけよ。
でも、私はあの二人も本当の親だと思っている。」
ウルトラマンクリスタル「僕と姉さんは夢の国の使命である、
人々に夢と希望を取り戻させる事を、
遂行する事で一生懸命だったのです。
ですが、僕たち夢の国の存在は、
この現実の世界にいてはいけないんです。」
サキ「ど、どうして・・・!?あなたたちは今でもここにいるじゃない・・・?
ずっと私たちと一緒にいた。それの、どこがいけないの・・・・?」
モモ「要は正体を知られてはいけないって事。」
ウルトラマンクリスタル「僕たち夢の国の存在は昔より、
この世界の人たちと存在できましたが、
その人たちは夢と希望をなくす事で、
夢の国の存在が消えてしまう恐れがあって、
夢のある星へと去っていきました。
彼らは自身の存在を消されたくないため、
この世界から去ったのです。」
テブリッシュ「夢は現実では具現できない。・・・と言う意味ですか?」
確かに現実は恐ろしい。一部の夢なら現実で実現できるが、
多くの夢が現実で実現できるワケがないのだ。現実は甘くないのだ。
モモ「そうかも知れないわね。でも、夢の国の存在たちが、
再びこの世界と共存できる方法はただ一つ。それは、
人々に夢と希望を取り戻させる事。でも、それはとてつもない程の、
難関であった。そのため、私は現実に負けてしまった。」
モモはステッキを強く握る。よほど、悔しかったそうだ。
シュドー「その目的がすっげー難しいって事か?」
ウルトラマンクリスタル「はい。夢を叶えるためには、
それを阻む現実に勝たなければならければならないのです。
ですが、現実はどんな事が起こるかわからない恐ろしい事。
僕は夢の国の使者として、その現実と戦っていたのです。
でも、いくら戦っても、いくら人の夢を叶えても、
人々の夢と希望は減っていくばかり・・・・。」
サキ「それでも、戦い続けるつもりなの・・・・?」
ウルトラマンクリスタル「はい。僕は夢の国の皆さんが、
この世界に戻っていけるようになるまで、戦い続けます。」
モモ「その目的が果たすまで、私たちは負けないつもりよ。」
二人の発言に隊員たちは切なそうな気持ちであった。
イチゴ「隊長・・・・。コリス君・・・・。」
シュドー&テブリッシュ「・・・・・・・・っ。」
サキ「二人とも・・・・。あっ!?」
その時、サキは通信機から通信音が鳴り出した事に気づき、
その通信機のところへ走って、連絡を受ける。
サキ「こちら!サキ!!・・・・・何ですって!!?」
隊員たちはサキが驚いた事に気づく。一体、何があったのか。
イチゴ「どうしたの!?サキさん!!」
サキ「・・・・・・っ!DGC基地が・・・・爆発しました・・・・・っ!!」
つづく
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