テブリッシュ「では、開けるぞ。」 テブリッシュはコンテナに付いている、
スイッチを押した。すると、コンテナの一部が開き、その中が見えるようになる。
サキ「コンテナが開いたわ!!」 イチゴ「行ってみよう!!」
4人はコンテナの中を覗いてみる。そこに、赤と青が交じり合ったボディ、
大きなドリルを持ち、全長は15メートルを誇る巨大戦車があった。
これこそが、DGCの地底戦車、ドリル・ラッシュであった。
イチゴ「これが、ドリルラッシュ・・・・!」
テブリッシュ「これより、我々はこのドリルラッシュで、地底探索を行う。
地底の中には何が起きるかわからない。心してかかっていただく。」
シュドー「では、ドリルに搭乗するぞ。」 イチゴ&サキ「はい!!」
そして、4人はドリル・ラッシュに乗り込んだ。左の機体にドアがあるので、
テブリッシュがそのドアを開けて、そこから中に入ると、他の3人もそこから中へと入った。
ここがドリル・ラッシュのコックピットである。4つものテーブルがあるので、
恐らく4人乗りであろう。ちょうどピッタリに4人がそれぞれテーブルに座り、
イチゴが操縦席、サキがレーダーのある機械の前の席、
シュドーは攻撃システムの搭載している機械の前の席へと座った。
ちなみに、テブリッシュは何もない席に座ったので。指揮官をやるらしい。
テブリッシュ「ドリル・ラッシュ、発進!!!」 イチゴ「発進します!!!」
こうして、ドリル・ラッシュは動き出し、コンテナの中から出てきて走った。
そして、次第に進んでいき目の前に巨大な岩の壁があった。
シュドー「ここから地底へ掘り進む。ドリルシステムを作動させろ!!」
イチゴ「はい!!!」 そして、イチゴがとあるレバーを引くと、
ドリルラッシュの前のドリルが回転を始める。そして、回転しているドリルが、
岩壁に直撃。すると、ドリルは岩壁を抉っていく。まるでトンネルを作るかのように。
ドリルはこうして、岩壁を掘り進み次第にその中へと進んでいく。そう。
ドリルは地底への進行を始めたのだ。これぞ、地底戦車の力である。
ドリルラッシュは地底の中へと掘り進んでいる。まるで、地底を掘り進むモグラのように。
テブリッシュ「サキ君!!レーダーに反応はないか!!?」
サキ「まだ何も反応がありません。もっと進行する必要があります!!!」
シュドー「もし、見つかったら即刻、撃ち落としてやるぜ!!!」
ドリルラッシュは地底を進み続ける。事件の元凶を求めて・・・・・。
一方、コリスとゴダルは森の中で会話をしていた。
ゴダル「これから、お前に俺の真実を語る事にする。ただし、
そのこれから語る事を全て耳と頭に叩き込んでおけ。
無視をすれば、この場で殺してやるから覚悟しろ。」
コリス「・・・・・ああ。」
ゴダル「うむ。では・・・・。はじめよう・・・・。
あれは、お前やモモが生まれるずっと前の事だ・・・・。」
これから、ゴダルの過去がついに明かされる。その過去の最初の舞台となるのが、
ここ、冥界であった。そこはとても暗く空が赤々しく暗い空間であった。
その暗い世界にとある城があった。その城は不気味な鼠色に染まっていた。
その中には、とある巨大な部屋があった。そこに大きな玉座に座っている、
一人の幼い少年がいた。その少年はとても暗い表情をしていた。
少年「・・・・・ん?」 少年は目の前に二人の何者かが来る事に気づく。
一人は紫色に染まった顔と長く白いヒゲ、黒い王のような衣装と、
大きく禍々しい程に鋭い角が3つ付いている王冠のような物を頭に被っている老人の男。
一人は人間のような肌を持ち、紫色のティアラと、
赤と黒の混じった美しい衣装を着て、紫色の唇を持つ美女がいた。
この二人は一体、何者なのだ。そして、男が少年に向かってこう呼んだ。
男「・・・・・初めて王子になった気分はどうかね?ゴダルや。」
少年「・・・・・パパ。ママ。」
なんと、この少年こそが幼い頃のゴダルであった。そして、
彼の前にいる二人はゴダルの両親であった。
ゴダルの母「今日からあなたは冥界の王子となる時が来たのです。
私たちはこれより、あなたが王子になった暁としてパーティを行おうと思います。」
ゴダルの父「王子になるための修行はとても辛かったろうて。
これから起きる試練のためにも祭りで癒してやろうではないか?」
ゴダル「・・・・ねえ。パパ、ママ。」
ゴダルの両親「ん・・・・?」
ゴダル「どうして・・・・・冥界は暗いままなの?僕が王子になったら、
冥界が明るくなると思ったのに・・・・。どうして、冥界は暗いの?」
ゴダルの母「それはね、ゴダル。この冥界は悪魔の世界だからですよ。」
ゴダル「悪魔・・・・?」
ゴダルの父「そう。我々この冥界に住む者たちは皆、悪魔の力を持っているのだ。
この冥界は地獄に近き世界。あの地上世界より、命を失い、
地獄に落ちた悪人たちを裁く。それが、我々冥界の住人の使命なのだ。
ゴダルよ。いずれ、お前もその頂点に立つのだ。」
ゴダル「裁く・・・・?つまり、地獄に落ちた人たちを苦しめって事・・・?」
ゴダルの父「そうだ。地獄に落ちた者は皆、あの地上での掟を破った者たちだ。
だが、我々冥界の住人たちは地上の悪人だけではなく、多くの地上の者たちの、
血を望む。よって、その多くの者たちを地獄へ落とせる日を狙っているのだ。」
ゴダル「どうして・・・・。人の血が欲しいの?」
ゴダルの母「地上で生けとし生ける者の血と肉は我ら冥界人にとって、
最大にして最高の餌。しかし、それは滅多に口に入れないのです。」
ゴダル「でも、冥界には魔物の肉とかあるんでしょ?僕はそれで満足だけど・・・。」
ゴダルの母「確かに我らはそれを食べて、存在し続けています。」
ゴダルの父「しかし、我々がさらに存在するには、地上の者の肉と血、
そしてエネルギーが必要なのだ。冥界人にとっては地上の人たちは、
最大の食である。我々はそれをいつでも集められるようにしなければならぬ・・・。」
ゴダル「・・・・・・でも、そんな事を簡単にしてもいいのかなァ・・・・。」
ゴダルの母「我が冥界の人々の存在を保つ。それが冥界の王子の使命なのです。
そのためなら、地上の人々を襲わねばなりません。ではければ、
この冥界の最後が近い事になるでしょう。さすれば、私たちもあなたも死ぬ事になりましょう。」
ゴダル「そんなの・・・・嫌だ・・・・。」
ゴダルの父「ならば、お前も冥界の王子として本物の悪魔になれ。
そして、この冥界の者たちを従え冥界を救うのだ。」
ゴダル「うん・・・・。わかった・・・・・。でも・・・・。地上ってどんなところ?」
ゴダルの母「地上とは、人間たちはもちろん、夢の国と言う異なる、
不思議な魔法の国があります。そこには、人間とは違う様々な存在もいます。」
ゴダルの父「そして、その他に妖精や獣、巨人などが多く存在する。
中には我々冥界人を許さない者たちが多いだろう。だが、人間族は次第に、
多くなっている。奴等はとても明るく、平和の謳歌を歌っている。」
ゴダル「明るく・・・・。平和の謳歌・・・・。
じゃあ、地上に行けば、冥界も明るくできるの?」
ゴダルの父「・・・それは、お前次第だ。」
ゴダル「・・・・・うん。僕・・・王子になるよ・・・!」
これが、ゴダルが冥界の王子となるきっかけであった。ゴダルはこの日の前に、
冥界の王子になるために厳しい修行を多く積んでいたそうだ。
しかし、彼はそれらに耐えて、今や王子として生まれ変わったのであった。
そして、冥界の王子としてこの冥界で生きていたゴダルは長い年月が立ち、
少し大きくなっていき成長していた。そして、現在のような冷たい男になっていた。
ゴダルは玉座に座っている。その彼に前に一人の老人が走っていき、
ゴダルの前にひざまついてこう発言した。この男は恐らくゴダルの部下だろう。
ゴダルの部下「ゴダル様!!地上への遠征まで明日となりました。いかがなさいましょう?」
ゴダル「・・・そうだな。ところで、地上とは確か、夢の国とかほざいていたよな?」
ゴダルの部下「はっ。その夢の国の住民どもはとても幸せで、
平和だの夢だの愛だのと小賢しい事をほざいてやがります。
全く我が冥界と偉い違いで、とってもだらけ切ってます。あいつらは本当におろかな・・・・!」
ゴダル「わかった。」
つづく
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