イチゴ「そ・・・そんな・・・・・!!?」
サキ「コリス君が・・・・倒れた・・・・!?」
隊員たちはクリスタルが倒れた事にショックする。
グランメアルド「マリンナーサの王子の夢は、
全て灰となる。そして、間もなくウルトラマンも消えるだろう。」
グランメアルドがそう言った後、クリスタルの目の輝きが消え、
身体がゆっくりと消えてしまった。
これを見たモモは悲しく叫ぶ。
モモ「コリスうううぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」
グランメアルド「わはははははははははははは!!!!!
もはや俺たちを止められる者はこの星で誰もいない!!
この星は完全に我ら使徒の物となったのだぁ~っ!!!」
グランメアルドは笑い声と共に消えていった。
クリスタルでもグランメアルドには勝てなかった。
夢の力も現実の力でも奴を止める事はできないのだ。
霧の中でコリスが倒れていた。
そこに、隊員たちが走って来た。
モモ「コリス!!!!!」 サキ「コリス君!!!!!」
サキとモモは倒れたコリスの身体を少しだけ起こす。
シュドー「コリス!!しっかりしねーか!!」
イチゴ「起きるんだ!!コリス君!!!」
テブリッシュ「まだ息があります!!どこかで治療を・・・!」
テブリッシュの発言に隊員たちは安心する。
モモはコリスの右手を握る。
モモ「良かった・・・・。コリス・・・っ!」
隊員たちの様子を見たシャドーとジャック。
シャドー「・・・・早く安全な場所に行かなきゃ・・・・っ!」
ジャック「そうだな。安全な場所と言えば・・・。」
コリス「・・・・う。・・・うう・・・ん。」
コリスは目を覚まし、少し起き上がった。彼の目線には。
ハリー「大丈夫か?コリス・・・。」
心配そうな顔をしたハリーがいた。
コリス「は、ハリーさん・・・?っ!?」
彼を見たコリスは完全に目覚めたように起き上がり、
周りを見る。ここには、皆がいた。
ハリーやモモ。DGCの隊員たち。
シャドーにジャック。3匹のお供。初代モモや杏もいた。
そして、ランドルにアイリーン、ブレンダも。
サキ「気がついた?コリス君。」 コリス「こ、ここは・・・?」
クックブック「ここは、ハリーさんの家じゃよ。」
コリス「は、ハリーさんの家・・・・?」
そう。ここはハリーの家であった。そこのベッドで、
コリスは眠っていて、皆がそれを見守っていたのだ。
チャーモ「それにしても、コリスがここに居候したなんてなァ。」
ルピピ「何だか貧しそうな部屋ねェ・・・。」
ハリー「貧しくて悪かったな・・・!」
ハリーはルピピの発言に少し怒りそうだった。
ジャック「このアメリカも使徒の世界と融合しちまったけど、
この町はほとんど被害があってねーから、
まだマシだ。」
シャドー「けど、いつ使徒どもがこの町にもやって来るか・・・。」
杏「それに、全ての国が使徒に支配されたわ。いつ、
奴らが私たちを襲うか、わからない・・・・。」
杏とシャドーは使徒がいつ襲いに来るか不安した。
初代モモ「じょぶじょぶ!大丈夫。
いつか、奇跡はやって来るよ。」
初代モモは余裕そうに言うが、ランドルが切なそうに言う。
ランドル「いや。奇跡は起こらんよ。クリスタルでも、
勝てなかったんだ。他に奇跡はないかも知れない・・・。」
ブレンダ「まだわからないでしょ!?例え、コリスが駄目でも、
私の魔法だけで自力にやってみせるわよ!!!」
アイリーン「そうよそうよ!!使徒なんて、
ワケのわかんない奴を凍らせてやるわよ!?」
ジャック「母さん。無茶言うな。父さんも元気出せ。」
テブリッシュ「確かに、人間の力だけでは使徒は倒せない・・・。」
テブリッシュの発言にシュドーは怒って、彼の胸倉を掴む。
シュドー「何を言ってやがんだ!!
俺たちDGCが力を合わせれば、
あんな使徒どもなんぞすぐに倒せるじゃねェか!!!」
テブリッシュ「人間だけでは勝てないと言ってる!!
夢の国の者たちの力をどうやって借りるか・・・・!」
シュドー「彼らを利用しよってのか!!?」
ハリー「おいおい!!落ち着けよ!!あんたら!!
喧嘩したって何も始まんねーよ!!」
シュドー&テブリッシュ「・・・・・・っ。」
ハリーに怒鳴られ、シュドーとテブリッシュは喧嘩を止める。
モモ「・・・・勝てるよ。」 一同「え・・・?」
一同はモモに注目する。モモは笑顔でこう言う。
モモ「勝てるよ。夢の力なら。」
チャーモ「無理だよ!モモ!!
夢の力でも勝てそうになかったじゃん!!」
イチゴ「それとも、
夢の力を超えた力があるとでも言うのですか!?」
モモ「・・・・ある。」 そして、ブレンダがモモに近づけて、叫ぶ。
ブレンダ「それはどこにあるの!?」
モモ「それは・・・・コリスにある!!」
モモはコリスの右肩に触れて、そう言う。コリスたちはこれに驚く。
一同「ええっ!!!!??」 コリス「ぼ、僕に・・・あるのですか?」
コリスは自分には、
モモの言う力があるなんて思ってないのだ。
モモ「うん!!コリス。あんたにあるのは、
夢の力だけじゃない。
ウルトラの国の戦士の力もあるんでしょ?」
コリス「ウルトラの・・・・力・・・・?」
そう。コリスにはウルトラの力もあるのだ。
初代モモ「そうだね。ウルトラマンのパワーなら、
あのグランメアルドでも勝てるんじゃないかしら?」
ジャック「いや。それも駄目だろうな。」
モモ「え!?な、何でよ・・・・!?」
ジャックの発言に、モモは悲しそうに聞く。
ジャック「ウルトラの国は夢の国と似ている。つまり、
力も同じかも知れねーさ。」
シャドー「そうね・・・。
クリスタル自身も夢の産物と言って良いでしょうし。
やはり・・・・夢は現実に勝てないのね・・・・。」
クックブック「そうじゃな。使徒は現実の産物。とっても、
残酷な現実じゃ。その現実を我々は受け入れるしかない・・・。」
アイリーン「やはり・・・滅びるのね。この星が・・・。」
ランドル「残念だ・・・・。もはや我らを助ける者はいない。」
一同は暗そうなムードと共に諦めようとする。
モモ一人を除いて。
モモ「諦めちゃ駄目よ!!
残酷な現実なんて受け入れちゃいけない!!!
ウルトラでも駄目なら・・・・。そうだ!
平和を想う力で良い!!それでも、駄目なら・・・・!!」
ルピピ「無理よ。
モモ。どう足掻いても駄目なものは駄目よ。」
モモ「駄目じゃない!!皆!!もっと頑張ってよ!!!
私たちは今まで何度もこの星を救ったんでしょ!?
今回も勝とうと思って戦わなきゃ、負けるわよ!!
そうじゃないと・・・・!!私たちは、
夢も・・・・希望も・・・取り戻せないじゃない・・・・っ!!」
モモは泣きそうに語った。だが、一同は暗さを乱さない。
モモ「コリスも何とか言いなさいよ!!私の弟でしょ!?」
モモはコリスの両肩に触れて、コリスにそう言う。
コリス「・・・・僕も、使徒たちを倒して、この星を守りたい・・・。
でも、あいつらは強すぎる。
僕の力でも敵わなかったから・・・・・。」
コリスも諦めそうになる。それを知ったモモは。
モモ「・・・・そうね。所詮、夢は現実に勝てないんだね・・・。」
モモもついに諦めそうになり、コリスから離れる。
モモ「私たちの頑張った事は、
全部水の泡になるのよ・・・!!」
モモはそう言った後、涙を流して走る。この家から出たそうだ。
ルピピ「あっ!!モモ!!」 シャドー「モモちゃん・・・・。」
コリス「ごめんなさい・・・。姉さん。僕のせいで・・・。」
コリスは自分の無力に悔やむように涙しそうになる。その時。
ハリー「・・・・お前が泣いてどうする!?」
真剣な表情のハリーがコリスの胸倉を掴んでそう言う。
コリス「は、ハリーさん・・・・!?」
ハリー「今、泣きてーのはお前の姉。
DGCの隊長さんなんだぞ!?
お前も泣いて、意味があんのか!?泣いたってなァ・・・!
この星に平和が戻らねーんだよ!!
お前が諦めたかどうかわかんねーけど、
俺は諦めちゃいねェ。
俺だって、この星に平和が戻って欲しい!!
だから、お前も諦めるな!!お前はマリンナーサの王子だろ!?
正義のヒーロー。ウルトラマンクリスタルだろ!!?」
コリス「ハリーさん・・・・。」
ハリー「お前は諦めずにこの星を救えるように頑張りゃ良い!!
俺たちも頑張る。だから、現実に負けねーでくれ・・・!」
ハリーはコリスの胸倉を放してそう言う。
コリス「・・・ありがとうございます。ハリーさん。
僕、姉さんを探して、慰めに来ます!!」
コリスがそう言うと、ハリーは優しく微笑む。
ハリー「・・・それで良いんだよ。」
コリス「では、行って来ます。」 コリスも家から出た。
サキ「・・・・私も行きます!!」 初代モモ「私も行くわ。」
サキや初代モモも家から出た。
杏「・・・・大丈夫かな。あの人たち。」
イチゴ「大丈夫だよ。きっと・・・。」 イチゴは少し微笑んで言う。
霧に覆われつつある町で、モモがすすり泣いていた。
つづく
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