野口「まさか。そんな感じはしてない気がするけど・・・。」
灰間「・・・少し、様子を見てみようぜ?」
少女「・・・・さっきはごめんね。本当に。あの時、
すっごく忙しかったから・・・・。」
徳丸「忙しいって何の事で?」
少女「それは言えないわ。とにかく、色々と。あなたも、
何か忙しかったでしょ?あの時、買い物してたよね?」
徳丸「うん。お母さんが無理難題しちゃってね。まあ、
何とか成功して家族で美味しい食事ができたけどね。」
その時、日下部が徳丸と少女のやりとりを見守っている灰間たちに近寄る。
日下部「ちょっと。何やってるのよ。そんなにじーっと見て。」
灰間「いや。俺の友人が、噂の美少女と会話してよ。」
日下部「美少女・・・?あら。徳丸じゃない。何で、
あの徳丸が美少女と話しているのかしら?」
灰間「知らね。」
少女「えへへ。あなたの家族って何か良いわね。」
徳丸「良くないさ。お母さんは勉強しろと五月蠅いし。
お父さんも怠けるなとか言うんだよ。もうやってられないよ。」
少女「それはね。あなたを立派にするために、
ワザと厳しくしていると思ってるわ。私の両親なんかは、
凄く厳しく暴力的なのに、私を立派にしようとしてくれない。
むしろ、私を道具のように扱っているだけよ。」
そう言った少女は暗そうな表情に戻る。徳丸は少し怒って、こう言う。
徳丸「何て酷い家族なんだ・・・!そんな奴、やっつけてやるよ!」
少女「でも、私の両親。とっても強くて恐ろしい。あなたでは勝てない。」
徳丸「それでも、
君のような可憐な女の子に酷い事をする奴は許せない!!!」
少女「・・・・くすっ。優しいんだね。君は。気に入ったわ。友達にならない?」
少女が微笑んでそう言うと、徳丸は驚き、赤くなる。
徳丸「えっ!?い、今・・・。何て言ったの!?」
少女「友達になろうって言ってるの?駄目かな?」
そう聞いた徳丸は物凄い笑顔でテンションを高くする。
徳丸「・・・も、もちろん!!もちろんだよ!!ぼ、
僕は徳丸蓮!!!徳丸って呼んでよ!!き、君の名前は・・・?」
少女「私は愛川(あいかわ)ノエル。ノエルって呼んで。」
徳丸「ノエルか。可愛い名前だね。」
ノエル「そんな事を言われるのは、初めてだよ。」
徳丸「・・・そうだ!明日、休みだし。どっか一緒に遊びに行かない?」
ノエル「うん!友達になったし、そうしましょ!あ。
そろそろ授業が始まる時間よ。じゃ、また会いましょ!!」
徳丸「うん!!また会おうね!!」 こうして、ノエルは徳丸から離れた。
その時、灰間のペンダントが少し大きく光った。
灰間(っ!?ま、まさか・・・!あのノエルって奴が・・・!!)
夕日。学園から出て、
町を歩く野口、森下、徳丸。徳丸は照れるような笑顔をしていた。
徳丸「あははぁ・・・。ノエルちゃんかァ。また会いたいなァ・・・。」
森下「うっかりノエルって娘にメロメロだね・・・。」
野口「ノエルさん。いち早く帰ったと聞くから残念だったけど、
彼女の事で頭がいっぱいか、うっかり落ち込んでるようには見えないわね。」
森下「まあ、二人とも。また会えるよ。だって、
明日は二人はデートするんだからねっ。」
野口「そうかも知れないわね・・・。」 野口は少しだけ落ち込む。
森下「灰間君も日下部さんとBARでデートしてたりしてェ。」
野口「そんな事・・・あるワケないと思うわ。一応・・・。」
同じ頃、ノエルは夕日の町を走っていた。それも、必死に。
まるで、誰かに追われているように。
ノエル「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。っ!」
そして、ノエルは電柱に近づいて、それで隠れる。そして、
少しだけ顔を出して、目の前の方向を見る。そこには、
複数の少年たちがいた。まるで、怒り心頭に誰かを探しているそうだ。
その少年たちはそれぞれ、屈強したり顔が醜かったり凶器を持っていた。
少年A「おい!!いたか!!ノエルの雌豚!!」
少年B「あぁ!?全然、見つかんねーよ!!くっそが!!」
少年C「あのゴミ女!!俺らを裏切りやがってェ!!!」
少年A「おっしゃぁ!!手分けして探せ!!必ず見つけて殺せや!!!」
少年たち「おぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
少年たちはそれぞれに分かれて、走った。
ノエル「・・・・あなたたちなんかに、この星は荒らさせない・・・!!」
BAR基地の司令室に来ていた灰間と日下部は大神の話を聞いていた。
大神「ポイントJ-12で今日も人間たちの抗争が起きたが、
その人間たちは全員、魔族だった。
魔族同士の争いは今日も起こっているそうだ。」
つづく
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