バンジョー(セイウチ)とカズーイ(リュック)「・・・・・っ。」
バンジョーとカズーイはそのウォーザの家を見ながら、
立ち止まっていた。
フラエ「おい!何やってんだよ。てめーら。」
ミル「早く、あの白熊の男を助けたいのでしょ!?
あの白熊は、
私たちが探している3匹の白熊の子供のハズよ!」
バンジョー(セイウチ)「ごめん・・・。皆。先に行ってて。」
カズーイ(リュック)「あたいたち。今のセイウチ野郎に、
ちょっと文句を言いたくてね・・・!」
バンジョー(セイウチ)「・・・・すぐに戻ってくる。
それまでは、君たちで頑張ってほしいんだ・・・。」
ボトルズ「・・・・そうですか。では、皆さん。
僕らは先に、ボギーさんを助けに行きましょう!」
アシナガ「ああ。わかったぜ。」
ボトルズたちはバンジョーとカズーイを置いて、
先にボギーの救出に走った。
バンジョーはウォーザの家に近づき、
そのドアの近くにある、チャイムのボタンを押す。
そして、チャイムの音が鳴り、
ドアが開き、ウォーザが出てくる。
ウォーザ「はい。どちら様・・・。って、おお!君はさっきの!
バンジョー(セイウチ)「・・・ちょっと、君に用があってね・・・。」
ウォーザ「ああ。どうぞどうぞ!君のようなセイウチ君なら、
僕の家に無条件で歓迎してあげるよ!!」
バンジョーとカズーイはウォーザの家の中に入った。
部屋はテレビや冷蔵庫など、必要な物だけがあって、
何故か少ない。中央には焚火があり、
周りには氷の柱があった。
ウォーザ「やぁ!セイウチ君!!このウォーザの洞窟を、
自由に探検していって、構わないよ。」
カズーイ(リュック)「その前に、
あたいたちの質問に答えてもらうわ。」
ウォーザ「ん?・・・おお!リュックが喋ったぞ!!
君は喋るリュックを持っていたんだね!凄いや!」
ウォーザはリュックが喋ったと知り、さらに喜ぶ。
しかし、ウォーザがそのリュックが、
カズーイの変身である事を知らない。
カズーイ(リュック)「・・・・バンジョー。何かこいつ、うざいわ。」
バンジョー(セイウチ)「・・・・ウォーザ。
僕の質問、聞いて良いか?」
ウォーザ「うん。
君の質問ならどんな事だって聞いてあげる!」
バンジョー(セイウチ)「そう・・・。では、何故、
あの熊と鳥を嫌うんだぃ?君はそいつらを見た時、
憎しみみたいな感じと共に、
何か恐ろしい何かを感じたハズだ。」
ウォーザ「・・・・それは、
あの熊と鳥がデスブラザーだからさ。」
カズーイ(リュック)「え・・・?まさか、それだけ??」
ウォーザ「・・・・そうだね。だって、あのデスブラザーは、
僕の大切な思い出をぶっ殺した、憎き敵なんだ・・・!!」
バンジョー(セイウチ)「大切な者・・・・!?」
ウォーザ「君に特別に教えてあげよう。何故、
僕がデスブラザーを殺したい程に憎んでいるのか・・・。」
それは、10年前。ウォーザがまだ幼い頃、
父、母、姉と言う家族で幸せに暮らしていた。
その頃のセイウチの住み処は、
現在よりもさらに賑やかで平和だった。
ある日、ウォーザはある本を読んでいた。
その本はどうやら、動物図鑑のようだ。
ウォーザ「ねェ!お姉ちゃん。これ、何て動物?」
ウォーザの姉「この動物はね、熊って言うのよ。
熊は力持ちで優しいけど、怒ると怖いって・・・。」
ウォーザ「でも、何だかかっこ良いよね。
一度、会ってみたいな。」
ウォーザの姉「そうね。一度は会ってみたいわね。」
この頃のウォーザはまだ、
他の種族に好意を持てる程に、幸せであった。だが、
その幸せが壊れる日がとうとう訪れたのだ。
住み処のほとんどが燃やされ、地獄の炎の世界と化した。
そして、多くのセイウチたちが惨く殺戮されていた。
そう。デスブラザーがこのセイウチの住み処を襲ったのだ。
ウォーザはそのデスブラザーの前に立ち、凄く怯えていた。
ウォーザ「・・・も、もしかして。熊さん・・・?」
デスブラザー「ああ・・・。俺は熊だ。」
ウォーザ「・・・・どうして、お父さん、お母さん、
お姉ちゃんを殺したの・・・・・!?」
ウォーザは泣きそうな声でそう聞く。
そう。ウォーザの両親は、
炎によって崩れた瓦礫の下敷きとなり、
姉はデスブラザーとヘルシスターにより、
身体がボロボロとなり、死んでしまった。
デスブラザー「それは、
お前たちセイウチ族を殺したいからさ。
良いか?よーく知っておくが良い。
熊わ・・・お前らのような奴を殺すために生きているのさ。
熊は己の欲のためなら、
罪のねェ奴らや関係のねェ奴らを、
多く殺しちゃうのよ!!お前はそれを覚え、
そして、心の中で苦しみながら一生を終えると良い。
ははははははははははははははははは・・・・・!!!」
デスブラザーはそう言うと、
ヘルシスターが飛び、
デスブラザーとヘルシスターはどこかへ去った。
ウォーザ「う、うう・・・!うっ!!
うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!」
ウォーザは泣き叫んだ。家族が滅び、デスブラザーに、
熊への憎悪を植え付けられて。
かつてない悲劇を体験したのである。
そして、現在。ウォーザは忽ち、怒りに震えていた。
ウォーザ「僕は熊を許さない・・・。
特にデスブラザー・・・!!
そして、デスブラザーではない熊も嫌いになった・・・。
僕は、全ての熊を滅ぼしてやりたいと思った・・・・!」
バンジョー(セイウチ)「それで、さっきの熊と鳥を・・・。」
カズーイ(リュック)「デスブラザーめ・・・!
奴のせいで、あんな事に・・・・!!」
ウォーザ「・・・・それで僕は戦えるように、
特訓をする事もあったけど、
チンカーを狩る程度じゃ、まだまだだと思う・・・。
でも、もっと特訓をして、
いつかはデスブラザーを殺そうと思う。」
カズーイ(リュック)「悪いけど、あんたじゃ無理よ。
だって、あいつら。とっても強いもん。」
バンジョー(セイウチ)「そうだ。悔しいけど、
誰も奴らを倒す事はできないだろう。
特に君は返り討ちに会うだけだよ。(・・・・でも、
僕らがもっと強くなれば、僕らがデスブラザーを・・・・!)」
ウォーザ「・・・・そう。僕にはやっぱり無理なんだね・・・。
デスブラザーを倒す事なんて。はぁ・・・。ここわやはり、
ウルトラマンか仮面ライダーの誰かがデスブラザーを、
ぶっ殺す事を祈るしかないかなァ。まあ、
もうこの時代に存在してないかも知れないけどね・・・。」
カズーイ(リュック)「確かに、あいつらは、
もはや歴史の産物だと思われるようになったからね・・・。」
ウォーザ「そうだね・・・。でも、フォーサなら・・・。
フォーサの所属する軍事組織なら、きっと、
デスブラザーを倒してくれるかもね・・・。」
バンジョー(セイウチ)「ふぉ、フォーサ!!?」
カズーイ(リュック)「もしかして、あんた!
あのセイウチの友達だったの!!?」
ウォーザ「え!?君たち、あのフォーサに会ったのかぃ?
フォーサは、僕の親友で、
一緒にソリレースをした仲なんだよ。
でも、今はある軍事組織に入って、
どこかで戦っているんだけど・・・。
だけど、さっき僕の家に来て、話をしていたんだ。
またすぐにどっか行っちゃったけど・・・。」
バンジョー(セイウチ)「そうなのか・・・。」
カズーイ(リュック)「こいつ。あのセイウチが、
グランティに入っている事に気づいていないのかしら?」
ウォーザ「グランティ!?フォーサは良い奴だから、
あんな野蛮な組織には入らないと思うけど・・・。」
バンジョー(セイウチ)「でも、もし。そのフォーサが、
グランティに本当に入っていたら、どうするんだぃ・・・?」
ウォーザ「できれば、そうなって欲しくないなァ・・・。」
カズーイ(リュック)「バンジョー。言っちゃって良いかしら?
・・・・真実を。」
バンジョー(セイウチ)「いや。まだ黙っておこう。
いずれ、ウォーザの前に真実は訪れるから・・・。」
ウォーザ「・・・・じゃあ、この話は御終いにしておくよ。
あと、プールに通路があるから、気が向いたら、
そこに行ってみると良いよ。」
そう。この洞窟には、通路と呼べる穴が存在するのだ。
その穴は水没しているところにあるそうだ。
バンジョー(セイウチ)「あの水の中に・・・!?」
ウォーザ「あそこには僕の宝が眠っているんだ。
勝手に取っちゃ駄目だよ?
まあ、他の種族が入らないように、
このミズゴオリの作った、
冷たいプールがあるんだけどね・・・。
まあ、プールが僕が泳ぎたい時に使っているけどね。」
カズーイ(リュック)「まあ、シグソーではない物は、
基本的に取らないけどね・・・。」
バンジョー(セイウチ)「そうだね・・・。じゃあ、
あそこに探検したら、もう家から出る事にするから。」
ウォーザ「うん。危険な事は起きないから、
安心して良いよ。」
カズーイ(リュック)「あんたが言うと、
何か不安になってくるわ・・・。」
そして、バンジョーとカズーイは水の中へと入った。
バンジョー(セイウチ)「あれ?冷たい水に入ったのに。
何故か痛くはないぞ?冷たさは少し感じるけど・・・。」
カズーイ(リュック)「もしかして、このミズゴオリの水は、
セイウチには通用しないかも。
とにかく、先へ進みましょ。」
つづく
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