叶野「っ!?こちら、叶野!!」
大神の声『大変じゃ!!ポイントL38の山地で、
複数の人間たちが殺害されたとの報告が入ったぞ!!!』
叶野「な、何ですって!!?」
吉田「すぐにそちらへ向かおう!!」
叶野「わかった・・・!!」
叶野、吉田、灰間はバルターボで、
別の山地にある森へと急行した。
だが、少し遠い為に時間がかかったので、夕日となっていた。
その森へと入った灰間たちだが。
灰間「おお・・・・っ!!」 叶野「こ、これは・・・・!」
灰間たちが見たのは、
多くの工事をしている作業員たちの醜い死骸たちであった。
そして、工事に使う車両も破壊されている。
吉田「・・・こいつらも、緑の化身である獣に殺されただろう。
・・・・良い気味だ。自然を汚そうとした罰さ。」
叶野「もし、それが本当だとしたら・・・!
あの獣は魔獣かも知れないぞ!?」
吉田「魔獣でも良い。
自然さえ守られさえすれば、それで良いじゃないか。」
灰間(この人。自然を愛しているが、
何故か人間を嫌っているみてーだな・・・。)
叶野「恐らく、あの獣は既にどこかへ消えただろう。
そろそろ戻るぞ。」
BAR基地に戻った灰間たちは、大神に報告する。
大神「要するに、緑の化身である獣は、
工事などと言う環境破壊などが行われる場所に現れるそうだな。」
吉田「はい。奴は自然を守るために、
作業員たちを全て殺しました。あの獣は、
環境破壊が行われる森なら、どこでも現れるそうです。」
叶野「あの獣は神出鬼没です。
一刻も早く見つけて、即座に倒さねば・・・!」
上川「・・・それには、環境破壊が行われそうな森を探さねば・・・。」
吉田「何!!?もしや、
君も自然が破壊されるのを望んでいると言うのか!?」
吉田は急に上川に怒りを見せる。上川は慌ててこう言う。
上川「い、いえ・・・。そう言うワケでは・・・。
むしろ、自然大好きです!」
吉田「なら、環境破壊などと、
おこがましい発言はやめてくれたまえ。」
緒川「・・・・知り合いから聞きましたが、明日の正午、
島根のとある森で工事を始めるそうです。
ホテルを建設するのが理由らしいですが・・・。」
叶野「その森に例の獣が現れるにちがいない・・・!
明日の正午こそ、あの獣を捕えられるチャンスと言うワケか。」
吉田「地球防衛隊の力で、
何とかその工事を止めさせてくれないかね?」
叶野「しかしだな。吉田・・・・。」
吉田「・・・もう良い。私は自然防衛機構の本部に戻る。
明日、またここに来ますので・・・。」
吉田はゆっくりと、この司令室を出た。
日下部「あの吉田さん。そこまで、自然を愛しているみたいね。」
灰間「一体、吉田さんは何故、あんな性格なんですか?」
灰間は叶野に聞く。叶野は静かにこう語る。
叶野「・・・・吉田は幼い頃より、自然が大好きだったんだ。
俺と一緒に、よく森で遊んでいたよ。そうだ。
森での遊びこそ、俺と吉田の一番良き思い出だった。だが、
その森が工事によって破壊されてしまったのだ。
森を失った吉田は大泣きしたよ。それからかしら。
吉田が、緑を汚す人間を嫌うようになったのも。
そして、人間などより自然を極端に愛するようになったのも・・・。」
上川「環境破壊は人を不幸にするんですね・・・。」
灰間「だからと言って、ワケのわかんねー怪物が、
環境破壊を行う人間たちを殺す事を望んでいるのは、
どうかと思うぜ。」
叶野「そうだ。自然を愛するのは良い。だが、
殺人を行うのはやってはいけない事なんだ・・・!」
灰間「・・・・明日、島根の森へと行こうと思います。
工事とか言う環境破壊を止めさせるつもりです・・・。」
緒川「でも、灰間君。そう簡単に止められるワケではないのよ?
あの人たちはホテル建設を絶対に行うつもりだから・・・。」
灰間「だからって、
その人たちがあの獣に殺されたらどうすんだよ!?」
大神「・・・そうじゃのう。これ以上、自然も人も、
減らすワケにはいかん。
灰間!明日になったら島根に向かえ!!」
叶野「・・・隊長!私も灰間隊員と動向させてください!」
大神「では、バルワンダー3号で向かわんかぃ!良えな!?」
灰間と叶野「了解!!!」
そして、数時間が過ぎて、深夜となった。
別の地域の森にある工場では、
今でもその活動が行われているのか、
煙突から煙が多く出ていた。
この工場は、自然を犠牲に行っているのだ。
その工場の近くに、巨大な怪物らしき物体が現れた。
巨大な怪物「ヂュイイィッヂュイイイィィィィィィ」
怪物の目が赤く光ると、工場が大爆発を起こし、壊れてしまった。
そして、次の日となった。
灰間と叶野はバルワンダー3号で青空を飛んでいた。
叶野「・・・・しかし、驚いたよ。」
灰間「ん?」
叶野「お前があんな事を言うなんてな・・・。」
灰間「・・・俺は人間も自然も守りたいんです。だから、
島根で工事を行う連中を止めようと・・・・。」
叶野「そうだな。今回のお前の言う事、正しいな。
急いで工事を止めさせよう・・・・!」
灰間「了解!そのためにも、
わざわざ学校、早く早退しましたから・・・。」
叶野「10時58分。まだ時間はある!急ぐぞ!!」
こうして、灰間と叶野は島根の森に到着し、
その森で工事を行う作業員たちのところに来た。
つづく
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