二人は作業員の男たちに話しかけている。
作業員A「何?この森で怪獣が現れる!?」
灰間「そうなんだ!怪獣はこの森を破壊する事で、
あんたらを殺しに来る!!
だから、工事は止めといた方が良い!!」
作業員B「おいおい。子供がそんな嘘を言っちゃいかんよ。」
叶野「いえ。私もそう思っています。工事を始めれば、
怪物がきっと現れます!!ですから、止めてください!!」
作業員A「いや!無理だね!!我々には、
この地にホテルを建設する事を世間に任されたんだ!!
今更止めるワケにはいかん!!」
叶野「待つんだ!!本当に怪物が現れるんだぞ!!
命が欲しいなら、早くこの森から離れたまえ!!!」
作業員B「いくらBARでも、工事だけは止められないさ!!
何せ、俺たちゃこのホテル建設に命をかけるつもりよ!!
それを望んでいる人が多いからな!!さっ!!始めるぞ!!」
こうして、作業員たちは様々な道具で多くの木を襲い始める。
灰間「あっ!!ま、待て!!!」
そして、ショベルカーやドーザーなどの乗り物も木を襲い、
この森が破壊されようとし始めた。
叶野「こうなったら、腕ずくでも・・・・!」
その時、二人の近くに吉田が歩いて来た。
吉田「無駄だ。所詮、奴らは環境破壊を好む愚か者たちさ。」
叶野「吉田・・・・!?」
吉田「俺もさっき、奴らを説得してみたが、
結局無駄だったよ。もはや見守るしかあるまい?
奴らが緑の獣に裁かれるのをね。」
叶野「く・・・・っ!どうすれば・・・。」
過激な工事により、多くの木が壊れ、
自然が徐々に破壊されていく。
その時、灰間のペンダントが光り始める。
灰間(何!?・・・即座に魔獣が現れるだと!?もしや、
緑の獣とは、魔獣の事では・・・・!?)
吉田「そろそろ来ても良いハズだ。
緑の獣が。自然の化身が・・・!」
吉田がそう言うと、この森が急に地震のごとく揺れ始めた。
作業員たちはこれに動揺する。もちろん、叶野や灰間も。
叶野「な、何が起きたんだ!!?」
吉田「来た・・・!来たんだ!!緑の獣が!!」
そして、残っている木々の中から巨大な魔獣が現れた。
その姿は、哺乳類のような感じをさせ、顔が獣そのものである。
その顔に1本の角が生えていた。身体が少し太いように見える。
両手の指に鋭い爪が生えている。
その身体の色は青く、尻尾も長い。この魔獣の名はドルッジ。
またの名を、吉田が言う緑の獣である。
ドルッジ「ヂュイイィィッヂュイイイイィィィィィィン」
叶野「こいつが、緑の獣か・・・!?」
吉田「ああ。自然を汚す者たちは、
全てこの獣に殺されたのだ!!
この獣は、自然に使われし使いなんだ!!」
灰間「違う・・・!!こいつは、魔獣だ!!
自然の使いじゃあねェ!!」
ドルッジ「ヂュイィィッヂュイイイィィィィン」
ドルッジは作業員たちの方を見て、
作業員たちはその恐怖で逃げ出した。
作業員A「ま、魔獣だあああぁぁぁぁ!!!」
作業員B「逃げろおおぉぉぉぉぉ!!」
ドルッジ「ヂュイイィィィッヂュイイイイィィィィン」
ドルッジは右手を振るい、
その鋭い爪で複数の作業員を斬り殺す。
作業員たち「うわああああぁぁぁぁぁぁ!!!?」
灰間「人間を斬りやがった・・・・!!」
ドルッジはさらに左手の爪で、また複数の人間を斬る。
作業員たち「ぎええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
その時、叶野のシーバーが鳴り出す。
シーバーから日下部の声が聞こえる。
日下部の声『こちら、日下部!たった今、情報が入ったけど、
昨夜、ある工場が巨大な獣に破壊されたそうです!!
その獣の正体は魔獣でした・・・・!』
叶野「ああ・・・。その魔獣なら今、
この島根の森で暴れているよ・・・!!」
ドルッジ「ヂュイイイィィィィッヂュイイイイイイィィィィィン」
ドルッジは両目から赤い光線を発射した。その光線で、
ショベルカーを爆破した。次に、ドーザーをも破壊。この光線で、
昨夜の工場を破壊したのである。そして、
ドルッジは光線を発射し続け、次々と乗り物を破壊した。
ドルッジ「ヂュイイイィィッヂュイイイイイィィィィィィン」
叶野「これ以上、被害を増やすワケにはいかない!!
行くぞ!!灰間!!」
灰間「了解!!!」
叶野はバルガン、灰間はバルガトリングを構える。
だが、吉田がこう言う。
吉田「待て!!攻撃をするな!!」
叶野「何故だ!?あの魔獣に人殺しをさせろと言うのか!?」
吉田「・・・・その通りだ。俺は毎日思っていたんだ。
環境破壊を平気で行う馬鹿共は死んだ方が良いと・・・。
この緑の獣は、そんな馬鹿共から自然を守ってくれている。
自然を守る者に悪などいない。」
灰間「だからって、魔獣の好きにさせろって言うのか!?」
吉田「そうだ!だから、俺と緑の獣は自然を愛している!!
だから、その獣をできれば殺さないで欲しい!!
俺が保護する!!」
叶野「だからと言って、
命が奪われる様を見れるワケないだろ!!」
叶野と灰間は走ろうとする。だが、吉田が二人に銃を構える。
吉田「自然だって命を持っている!!!!」
灰間と叶野「・・・・・っ!?」 二人は動きを止めた。
吉田「もし、君たちが獣を傷つけるような行為をするなら、
俺は君たちを射殺しなければならない・・・・!」
灰間(ゆ、歪んでやがるぜ・・・!)
叶野「お前はあの過去から、精神が乱れて、
自然を愛するあまり、人間をここまで嫌ったと言うのか!?」
吉田「ああ。あの過去のせいで、
俺は人間が嫌いになったのさ!!
だが、お前は何故、今でも人間を守るような真似をする!?」
叶野「俺が中学の頃に惚れた少女がいてな。俺は、
その少女に恋をしたんだ。お前は知っているハズだよな?」
吉田「ああ。その少女が怪獣に襲われた事まで覚えているさ。」
叶野「あの時、俺は後悔したんだ。命をかけて守りさえすれば、
少女は今でも生きていたと・・・!だから、俺は、
自分の命をかけて多くの幸せを守るために、
地球防衛軍に入ったんだ!!お前が自然を守るために、
自然防衛機構に入ったのと同じさ!!」
吉田「ぐ・・・っ!!俺は人間より自然を守りたい!!
だから、今はこの獣に任せなければならんのだ・・・!!」
ドルッジ「ヂュイイイィィィッヂュイイイイィィィィィン」
ドルッジは両手を振り回し、
多くの作業員たちが爪に斬られていく。
さらに、両目からの光線で遠くの作業員たちを殺していく。
ドルッジ「ヂュイイィィィッヂュイイイィィィィィン」
灰間(このままでは、作業員共が全滅する・・・!!
だが、あいつらは・・・!どうすれば良いんだ・・・・!!?)
その時、ドルッジは灰間たちの方に目をつけ、彼らに近づく。
叶野「こ、こっちに来たぞ!!」
そして、吉田が前に出て、ドルッジに近づく。
吉田「おお!!緑の獣よ!!
自然を奪う愚か者たちを葬ってくれてありがとう!!
あなたのおかげで、この森は守られた!!礼を言う!!
私は吉田!!君と同じ自然を愛する者だ。
私は君を保護しようと思う!!
共に自然を守ろうではないか!!!」
吉田の話を聞いたドルッジは両目から光線を発射。
その光線が吉田の前の地面に命中。
その地面が爆発して、吉田が吹き飛ぶ。
吉田「うわああああぁぁぁぁぁ!!!?」
叶野「吉田!!!」
灰間「魔獣は自然だけを愛し、
人間全てを殺そうとしているんだ!!
関係のねェ吉田をも殺そうとしているんだ!!
そして、俺たちも!!」
そう。ドルッジは地球の自然だけを好む魔獣であった。だが、
その自然を人間が破壊するため、
全ての人間を殺そうとしたのだ。
例え、それが自然を愛する人間でさえも。
ましてや、自然と全く関係を持たない人間も。
叶野は倒れた吉田に近づく。
叶野「吉田!!しっかりしろ!!」
吉田「な、何故だ・・・!?何故、俺を襲うんだ・・・・!!?」
叶野「魔獣は人間を平気で殺すんだ。誰だろうとな!
お前はその魔獣を救世主と勘違いしただけなんだ・・・・!!」
吉田「か、勘違い・・・だと!?
じゃあ、あの怪物は緑の獣ではなかったのか!?
自然の使いではなく、悪魔の使いだったと言うのか・・・・・!??」
叶野「・・・・・そうだ。」
灰間はドルッジに近づき、
バルガトリングから火薬弾を連射して攻撃する。
つづく
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