そして、ペンダントをじっと見続ける。
灰間「親父は生きている。あのジジイの言葉には、
偽りを感じなかった。お前はどう思う?」
灰間はペンダントに聞き、そのペンダントが少しだけ光る。
灰間「そうか。親父はやっぱり生きてるんだな・・。」
灰間は少しだけ笑顔になり、顔を机の上に置く。
灰間「ふぅ・・・・。でも、親父はどこで生きているんだろ?
なァ?親父が今、どこにいるか、わかるかぃ?」
ペンダントはまたも光る。
灰間「流石にわからないってワケか。まあ、良いや。
自力で探すしかねェな。こりゃ。それにしても、
お前を不思議なアイテムにした姫君って一体誰だろうね?
太古から存在していると言うが、今でも生きているのかしら?
親父に魔法をかけたと聞いたけど・・・。」
ペンダントは光る。だが。
灰間「そうか。やはり、わかんねーか・・・。でも、お前。
その姫君の涙と言う物でパワーを得たんだろ?
姫君の涙か。魔族の王からは聞いたが、奴の話は、
まだ完全って感じではない気がする。探すべき物は色々とあるな。」
そう。灰間には探すべき物があるのだ。それは、
自身の父、灰間鉄郎。次に、姫君の涙の伝説の全てである。
そして、あの老人の正体であったのだ。
次の日。秋田学園のクラスでは。
灰間「は?昨日は映画に行かなかった?」
徳丸「うん。・・・と言うか、行けなくなっちゃってね。」
森下「何だか事故があったんだって。だから、観れなかったの。
まあ、別の映画館に行けば、問題ないと思うわ。」
徳丸「そうそう。別の映画館でもプリンセス・ティアーズがやってるしね。」
野口「ねェ。灰間君。今日の予定は?」
灰間「うーん。魔獣が現れねェ限り、予定なしかね?」
森下「じゃ、きっまりーっ!」
徳丸「灰間君も一緒に行こっ!今日こそは絶対!」
灰間「ふむ・・・・。(プリンセス・ティアーズ。姫君の涙か・・・。
魔族の王とあの老人が語った姫君の涙・・・。その伝説が、
映画になったとかだろうか?なら・・・。)わかった。行くよ。」
徳丸と森下「やったあああぁぁぁぁぁ!!!」
そして、灰間、徳丸、森下、野口の4人は、
あるデパートに来て、某映画館の前に来ていた。
看板には【プリンセス・ティアーズ】と描かれている。
4人は映画館の中へと入る。
多くの客の前にあるスクリーンでは、ド迫力のシーンが映っていた。
それぞれ異なる姿のモンスターたちが大勢、攻めてくるのだ。
灰間(あれは、魔獣の軍団と言って良いだろうか?)
そして、モンスターたちの軍団の、
背後にある黒い姿と赤い目の魔物が喋り出す。
魔物『我らはビースト!!
貴様たち人間は今日より我らに支配される運命なのだ!!!』
そして、タイトルのシーン。プリンセス・ティアーズの内容は、
ビーストと名乗る謎の魔物の軍団が人間たちを襲い続けていた。
それを知ったミッドチルダと言う王国は、
すぐにビーストたちとの戦いに備えていた。
その国の姫の名は、マリア。マリアは、別の国から来た勇者である、
ナルドと言う男を愛していたそうだ。勇者であるナルドは、
マリアのいる国を守ろうと多くの戦士たちを集めていた。
マリアはピンクで長い髪。ナルドは青色で短そうな髪であった。
灰間(姫君と勇者か・・・。あとは・・・。)
そして、ついにビーストたちがミッドチルダ国を襲い始めた。
だが、そのミッドチルダの王族は密かにある儀式を行っていた。
灰間(あの儀式・・・!まさか!?)
そう。王族は神々の光を手にすると言う禁じられた儀式をした。
その儀式により、神の光を所持するようになった。その光を、
魔法で加工し、赤きクリスタルが造られた。
それを見て、灰間は驚く。
灰間「っ!!?(う、ウルティメイトペンダントと同じだ・・・!!)」
そう。赤きクリスタルは灰間の持つ、
ウルティメイトペンダントと同じ形であった。
そして、ビーストたちが民を襲いながら、兵士たちと戦っている。
だが、ビーストたちは皆、巨大な姿を持っているので、
人間の力では全く勝てない。
勇者であるナルドも戦っているが、ビーストたちの総攻撃で倒れてしまう。
王族はクリスタルをマリアに渡した。そして、マリアは、
両手でクリスタルを握り、切なく祈る。
マリア『偉大なる神様の光よ。我らを救いたまえ・・・!』
だが、クリスタルは光らない。全くの無意味なのだ。
マリアはそれに絶望する。そして、ビーストたちは王族を襲い、
ついにマリアの父や母、知り合いなどを皆殺しにしてしまった。
それを見て、マリアは悲しみにくれ、涙を流した。
愛する者を想いながら泣いていた。だが、その一粒の涙が、
クリスタルにかかった。その時、クリスタルは光り始めた。
そして、クリスタルが声を出す。
赤きクリスタル『全てを愛するあなたの涙。その涙は、
失った愛する者への想い、
全ての者を守りたいと言う想いが込められた。
私はその想いと君の涙に応えたい。』
灰間(これが、ティアーズの誕生か・・・!ティアーズは、
涙の意味だからな。やはり、ウルトラマンティアーズは・・・。)
そして、ナルドは傷だらけでマリアに近づいて来る。
大勢のビーストたちがマリアとナルドに近づいてくる。
ナルド『姫は・・・!姫には、近づかせん・・・!!』
マリア『神よ。一番愛している者にさらなる力を。』
そして、光るクリスタルはナルドに近づく。そして、
ナルドはそのクリスタルを手にする。その時、奇跡が起こった。
灰間(来るか!?)
クリスタルが赤き光となり、その光がナルドの身体を包む。
そして、手に持つ剣が神々しく輝いた。ビーストたちはそれを恐れる。
さらに、銅色であった鎧が紅に染まっていき、目が黄色く輝く。
ナルド『我は勇者!!勇者ティアーズ!!!
はあああああぁぁぁぁぁ!!!!!』
そして、ナルドは聖なる剣で次々とビーストたちを倒していった。
灰間(あれ・・・?違うぞ?赤き巨人じゃねェ。まさか・・・。)
ついに国に平和が戻った。全てもビーストたちが滅び、
ナルドを包んだ赤き光は消え、クリスタルも元の宝石に戻った。
そして、ナルトとマリアは二人で新たな王国を築く事であろう。
このシーンでとうとう映画は終わってしまった。
映画館から出た灰間たち。
徳丸、森下、野口はとても嬉しい感じであった。
徳丸「いやァ!!かっこ良かったな!!勇者ナルド!!」
森下「マリア姫も可愛かったわァ!!」
野口「うん。何より、話が感動的だったわ・・・。」
野口は笑っているが、
目から少しだけ涙が出たので、その目を少し手で擦る。
灰間(プリンセス・ティアーズ。あの映画は、確かに。
魔族の王が語ったのと似ているのは驚いたが、
何か違う部分があったな。
あの映画は偶然に作られた物だろうか。それとも・・・・。)
その時、灰間の携帯電話が鳴り出した。灰間は電話をする。
灰間「もしもし。灰間です!」
電話から日下部の声が聞こえる。
日下部の声『大変よ!!また魔獣が現れたわ!!!』
つづく
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