灰間「そうだ・・・!あんた。親父と一緒にペンダントの眠った遺跡に、
行ったんだろ!?教えてくれ・・・!親父はどうなったんだ!?」
老人「・・・・・残念ながら、わしは灰間鉄郎と共に、
発掘はしておらん。じゃが、彼らの探検隊が来る前、
既にわしはあの遺跡にいたんじゃ・・・。わしは、
灰間鉄郎にペンダントや魔族、
太古の伝説の事を教えた。その時じゃった。
灰間鉄郎がペンダントを手にした途端、遺跡が急に崩れ始めたのじゃ。
わしは慌てて、逃げたが。灰間鉄郎は・・・・。」
灰間「まさか・・・・!死んだってのか!!?」
老人「いや。遺跡が崩れ落ちた後、わしは感じたんじゃよ。
灰間鉄郎の気配を。そう。灰間鉄郎は生きておる!」
灰間「そっか・・・。生きてたんだな。でも、生きてるのに。
何で行方不明になってんだ?生きてるなら、
既に俺や母さんのところに帰っているだろうし・・・。」
老人「それには、ワケがあるのじゃよ。」
灰間「ワケ・・・・?」
老人「うむ。それは言えない。」
灰間「何で言えないなんだよ?」
老人「言ったら、お前は驚き、
ショックし、悲しむに違いないからな。」
灰間「どんな事だろうが、俺はショックしたり悲しんだりするか!」
老人「そうか。じゃが、わしの口からは言えん。じゃが、
その手がかりなら言える。灰間鉄郎は姫君の亡霊と出会い、
ある魔法をかけた。魔族の手から逃れるために・・・。」
灰間「魔族・・・・!?」
老人「そうじゃ。遺跡が崩れたのも、実は・・・・。っ!?」
灰間「はっ!?ま、魔獣・・・!!」
その時、キングジンジャーが灰間と老人に近づいて来た。
キングジンジャー「キャアアアァァァァオゥ」
灰間「畜生・・・!おい!!どっかへ逃げろ!!」
老人「うむ・・・!そうじゃな。では、また会おうかの!」
老人は走って逃げると、
灰間はバルガンの銃弾でキングジンジャーを攻撃する。だが、
その程度ではキングジンジャーにダメージを与える事はできない。
灰間「くっそ!!こうなったら・・・!ティアーズ!!」
灰間はティアーズに変身しようとすると、
キングジンジャーは口から火炎を吐き出し、灰間を攻撃する。
灰間「うわああぁぁぁっ!!?」
灰間は敵の火炎から間一髪、避けた。だが、
今の魔獣の妨害でティアーズに変身できなかった。
灰間「これじゃ、変身できねーぜ!」
その時、日下部が走って来た。
日下部「何やってるのよ!全く・・・!」
日下部はバルガトリングを連射して、キングジンジャーの顔を攻撃する。
キングジンジャー「キャアアァァァァオゥ」
キングジンジャーは顔を攻撃されて、痛がりながらさがる。
バルワンダーDXはレーザーバルカン連射で、さらに魔獣を攻撃。
キングジンジャー「キャアアアァァァァオゥ」
その時、キングジンジャーは地面に潜り始めて、
地底へ逃げて行った。
灰間「魔獣が逃げて行く・・・!」
日下部「恐らく、攻撃を受けすぎて地底で休むつもりね。
我々も基地に戻るわよ。あの魔獣の対策を考えなきゃ・・・。」
灰間「了解。・・・・・っ。」
灰間は辺りを見回す。まるで、老人を探しているように。
だが、ここにもう老人はいなかった。恐らく、どこかへ去っただろう。
BAR基地の司令室に戻った灰間たち。
大神「魔獣は既に地底に住み込んでいる間に、
野生の力が強まって凶暴になった。それが、わしの考えじゃのォ。」
日下部「・・・と言うか、あの魔獣は既に野生かと思います。」
叶野「どっち道、魔獣はこの地球を滅ぼす気だろう。」
上川「そうですよね。何とかして、魔獣を倒さないと。」
隊員たちが会話している間、灰間は心の中で呟き続けていた。
灰間(親父は行方不明なまま、生きていた。それも、
何かのワケで。確か、あのジジイは、
姫君の亡霊と出会って、ある魔法にかかったと言ったな?
親父をどこかの世界へ避難させたのか。それとも・・・。
だが、親父が生きているのは確かかも知れねェ。もう一度、
あのジジイに会って、詳しく聞かなければ・・・。色々と。)
そして、灰間は自宅に帰った。
灰間は、廊下を歩く美由紀に話しかける。
灰間「・・・母さん。」
美由紀「ん?何かしら?翔。」
灰間「・・・・・信じられないかも知れないけど、
すっげー情報を手に入れたんだよ。」
美由紀「凄い情報って・・・?」
灰間「うん・・・。親父は今、行方不明だけど・・・。
生きていると思う。しかも、何かの理由で姿をくらましながら・・・。」
灰間が切なそうに言うと、美由紀も切なそうな微笑みで言う。
美由紀「・・・・そう。生きているのね。もう会えないと、
紙に書かれてあったけれど・・・。でも、私。思うの。
今もどこかで生きているんじゃないかって・・・。」
灰間「そうか。俺もそう思ったんだ?・・・うまく行けば、
もうすぐ親父にまた会えるかも知れない。」
美由紀「そうね・・・。」
美由紀がそう言うと、灰間は階段へと登って行った。
その時、美由紀の目から涙が流れ始めた。
自分の部屋に来た灰間は、机の前の椅子に座りこむ。
つづく
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