叶野「何かわかったのですか?隊長。」
大神「豆を盗んだ何者かが何かの科学や魔法で、
鬼を実在化し、その鬼を操ろうとしてるかも知れない!それと、
その豆を盗んだ奴らが魔族だとしたら、今度は、
鬼のような魔獣を送り込もうとしているんじゃ!!」
上川「なるほど!
その二つのどれかが正解に近いと言うワケですね!!
叶野「私は後者が正しいと思います!今度の事件もやはり、
魔族が絡んでいると思われます!」
日下部「私も同じです!あんな事ができるのは、
魔族以外に考えられません・・・・!」
大神「うむ!では、
これから節分の豆を盗んだ連中の捜索を開始する!!
節分の日が終わるまでに何としても、全ての豆を取り戻すんど!!
皆の節分を台無しにさせてはいかんぞ!!!」
隊員たち「了解!!!!!」
こうして、大神を除く4人の隊員が出動した。灰間と日下部は、
バルターボ、叶野と上川は徒歩でそれぞれの街で探索していた。
バルターボはある街を走っていた。日下部が運転し、
灰間がレーダーを見て、魔族の反応を探していた。
日下部「どう?何かあった?」
灰間「いや。魔族はまだ現れてねェ。」
日下部「この街では、まだ節分の豆が残っている店があるわ。
確か、ビッブだったわね。そこへ向かう。」
灰間「ああ。(それにしても、何でだろう。この街に、
魔族が出てこねェ気がする・・・。もしかして、今回の事件は・・・。)」
灰間がそう考えている内に、バルターボがビッブの近くに停まった。
日下部と灰間はここで、豆を盗んだ連中を見張る事にした。
灰間「ペンダント。もし、豆を盗んだ連中が来たら、教えてくれ。」
灰間はペンダントに向けて、静かに話しかける。
そこを日下部に気づかれそうになる。
日下部「どうしたの?」 灰間「いや。何でもない。」
灰間は少し驚き、誤魔化す。気づかれずに済んだ。
灰間「ところでよ。日下部って豆まきするのか?」
日下部「したいところだけど、親があんな感じで、
私が軍人と言うワケで、できる確率は多分、少ないでしょうね。
ま。あんたにはちゃんとした家族がいるから、できるでしょうけど。
こんな時に、何を会話させているんだか・・・・。」
灰間「まあ。俺の母親はしたいような感じだけど、
俺は別に豆まきをやらない気分らしい。と言うか、
鬼なんて実在しないと俺は思う。」
日下部「・・・・そうね。けど、その鬼を魔族が出そうとしている。
むしろ、魔族が鬼そのものだと思うわ。今は静かにしてましょ。
いつ、魔族が現れるかわからないから・・・!」
灰間と日下部は見張り続けた。だが、いつまでも魔族が現れない。
日下部「来ないわねェ・・・!魔族の奴ら。」
灰間(そろそろ夕方になろうとしている。なのに、
魔族が来ない。もしかして、この店のもんには興味ねェのか?
それとも、既に十分な豆を集めたからなのか?)
その時、デパートから複数の男たちが出た。その男たちは、
それぞれ買い物袋を持っていた。灰間はその連中に目をつける。
灰間「ん・・・?(普通の人間たちか。魔族じゃねェな。)」
すると、その連中の一人が何かを話しかける。
男A「これで、全ての豆は集まったな・・・!?」
男B「ああ。ほとんどの店にある豆も全部、買い占めた。」
灰間「何っ!?」 灰間は男たちの会話を聞いて、驚く。
男C「他の仲間たちがそれぞれ豆を多く買っている。
そろそろ計画が成功するぞ!」
男D「おう!急いで鬼の元へ向かおう!!」
男E「場所は鬼ヶ神社!
そこで、あの方が待っている!!急ごう!!」
男たちは素早く走った。そう。灰間は知った。この男たちが、
この事件を起こした者たちだと。ペンダントが光っていないのは、
男たちが魔族ではないからである。だが、この男たちには、
何かがある。灰間はそう確信した。
灰間「日下部!あの男たちを追え!!」
日下部「えっ?けど、
あの男たちは普通の人間で、魔族じゃないわ。」
灰間「今回の敵は魔族じゃねェ。あの男たちが、
多くの店から全ての節分の豆を奪って行ったんだ!!」
日下部「何ですって!?それは本当!?」
灰間「ああ。奴らは鬼ヶ神社へ向かおうとしている!!」
日下部「わかったわ!なら、そちらへ向かいましょう!!」
バルターボは複数の男たちを追跡すべく、走り出した。
灰間邸では、美由紀が和室でテレビのニュースを見ていた。
女性アナウンサー『本日の節分の日で、日本各地にある、
多くの店で、節分の豆全てが売り切れとなる事件が続出。何故、
このような事が起きたのでしょうか?もしかして、
今年の節分の日は、一気に豆がブームとなったからでしょうか?』
美由紀「多くの店で売り切れになるなんて・・・。一体、
何が起こっているのかしら?とても普通だと思えないわ。
・・・灰間と一緒に豆まきができるのでしょうか・・・・?」
バルターボは複数の男たちを追い、ある町を走っていた。
日下部「今回の事件を起こしたのは、魔族じゃなくて、
普通の人間だったなんて・・・。どうりで、魔族反応がしないワケだわ。」
つづく
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