BAR基地の司令室で上川が呟く。
上川「いよいよ明日かァ。」
灰間「明日、何かあるんですか?」
上川「節分だよ!節分!今月は2月だろ?」
日下部「あぁ・・・。確かに、節分とかがあったわね。」
上川「そうだよね。今回は早く終わらせて、
豆をいっぱい買わなきゃ!」
上川はそう言って、テーブルと共にグルグルと回っていた。
灰間「隊長にお願いして、早く帰れるようにすれば良いんじゃないですか?」
上川「いや。駄目駄目。魔獣はいつ出現するかわからないしね。
それに、誰かが通信してくる事もある。通信をも担当している僕に、
今はサボる事は許させないのだよ。うん。」
日下部「確かに、上川隊員は通信担当をよくやってますしね。」
灰間「そうですか。じゃ、頑張ってくださいね。」
灰間は上川から離れようとする。すると、上川が慌てて呼び止める。
上川「あっ!!ちょっと待って!!灰間君!!」
灰間「何ですか?」
上川「もし、豆を多く買ったら、少しだけ分けてくれません?」
灰間「駄目ですね。そんな金、ないですから。」
日下部「上川さん。店に豆が全部、なくなったとか考えてるんでしょ?」
上川「はい・・・・・・。」
大神「うむ。明日は確かに、節分じゃのォ。人は誰もが、
豆を買って、鬼を追い払う豆まきをやるのが流儀だしな。」
叶野「その豆まきをやってなかった人も少数いると思いますが。」
大神「まあ。それは大人が多いの。子供のいる家族は、
ほぼやっているけ。わしも、やっといた方が良えとちゃうか?」
叶野「・・・・まぁ。隊長の気分次第で。」
夜の街では、複数の男たちが集まっていた。
その男たちからは、何やら恐ろしい雰囲気が出ていた。
男A「次はあのデパートだ。」
男B「あの店から、あれを全て奪うのだ・・・!」
男C「全ては、あの方のために!!」
男たちはそう言って、あるデパートへと走って行った。
ある森。その森はとても暗く、不気味であった。
その木々の中から2本の角と不気味に黄色く光る目、
そして、恐ろしい口が出てきた。もしや、鬼か。
ウルトラマンティアーズ 第33話・豆まきのない節分
鬼魔獣・オニダーク
登場
自宅に帰った灰間は、廊下で暗くなっている美由紀の方を見る。
灰間「あれ?どうしたんだ?お母さん。」
美由紀「ええ。節分用の豆、買おうとしたら売り切れちゃって・・・。」
灰間「別の店に行けば良いんじゃない?まあ、俺。
節分に興味がないから、無理して買おうとしなくて良いけど。」
美由紀「けど、今年も豆まきをしないと、
鬼が来て、不幸になっちゃうと聞くし・・・。」
灰間「まあ、その鬼が来たら俺がぶっ飛ばすよ。じゃ。」
灰間は美由紀から離れ、2階へとあがった。
それを見る美由紀はさらに切なく思う。
美由紀(翔・・・。昔はあんなに豆まき好きだったのに・・・。
これも皆、父親がいなくなったせいなのかしら?それとも、
ミラクルマンになったから?・・・翔。何で今はこんなに・・・。)
次の日。秋田町を歩く灰間、野口、森下、徳丸の、
4人が歩いていた。今日も何かと楽しそうに会話している。
徳丸「今日は節分の日だねっ!」
灰間「はいはい。だから?」 森下「今日は皆で豆を買おうよ!」
野口「確かに節分と言えば、豆まきだからね。
豆をまけば、鬼と言う邪気を追い払えると言われているものね。」
森下「豆をまくだけじゃないんだんよォ?」
野口「え・・・・?」
森下「豆は歳の数だけ、食べちゃんだよォ!」
徳丸「そうそう!!節分の豆ってとても美味しいんだよね!」
つづく
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