灰間「あの男たち。一体、何を考えてんだ?もしかして、
ただ豆を横取りするだけの、
とんでもねェ食いしん坊集団じゃねーだろうな?」
日下部「だとしたら、すっごい許せないわね。
警察に知らせて、捕まえてもらわなくっちゃ!」
灰間「まあ、俺らは魔獣専門の特捜だから。
普通の犯罪は普通の警察で十分だろうね。っ!?」
その時、灰間のペンダントが光り始める。
灰間(何っ!?この近くに魔獣がいるだと・・・!?
まさか、今回の事件に関わっていると言うのか!?)
日下部「・・・もうすぐ、鬼ヶ神社よ。」
灰間「・・・・ああ。」
日下部「念のため、大神隊長に連絡しましょう。」
そして、バルターボはある神社の前に停まった。
この神社こそが、例の鬼ヶ神社である。灰間と日下部は、
バルターボから降りて、その神社へと行った。
BAR基地の司令室では、
大神は通信機で日下部の連絡を受ける。
大神「何!?今度の犯人は普通の人間じゃと!?」
日下部の声『はい。複数の男たちが、多くの店から、
全ての節分用の豆を買い、鬼ヶ神社へと向かいました。
多くの店から豆が全てなくなったのも、その男たちのせいかと。』
大神「そうか。その男たちが鬼ヶ神社へ向かう事なのじゃが、
何故、男たちはその神社へ行くと思う?」
日下部の声『わかりません。あの神社は、
男たちにとっては隠れ家のような存在かと思いますわ。
それとも、何か別の理由でもあるのでしょうか・・・。』
大神「うむ。そうじゃ!鬼ヶ神社と言えば、
何か恐ろしい伝説があると言われておる。その伝説は、
大昔の人々が語った作り話やも知れんが・・・。」
日下部の声『そうですか。では、何かが起きる前に、
必ず犯人の男たちは捕まえます!それでは・・・。』
こうして、通信は切った。
大神「鬼ヶ神社か・・・。どんな伝説だったかのォ。」
緒川「あの・・・。大神隊長。」
大神「何なら?緒川。」
緒川「鬼ヶ神社と聞きましたが、確か鬼ヶ神社には・・・。
大昔に存在した鬼が封印されたと言う伝説があります。
その鬼は多くの殺戮を行ったため、神社の裏に封印されたそうです。」
神社に来た灰間と日下部は、その神社の近くを歩き回っている。
どこからか複数の声が少しだけ聞こえている。
日下部「聞こえるわ。必ず近くにいる。」
灰間「・・・っ!?裏の方から聞こえっぞ!」
日下部「そこにいるワケね。」
灰間と日下部は神社の裏の方へと移動した。
複数の声が大きく聞こえる。
日下部「・・・・あそこね。」 灰間「ああ。」
灰間と日下部が見た先には、周りが木々に満ちている道があった。
その道を歩く灰間と日下部。そこの奥の場所には、
数十人くらいの人々がいた。そう。この人々こそが、
多くの節分の豆を横取りにした集団なのだ。その集団の前には、
奇怪な鬼の顔をした像が入っている祠があった。その鬼の顔は、
頭に2本の角があり、6つの目があった。
男A「この世に雄一、実在せり魔の鬼よ。今こそ、
偉大なるあなた様の目覚める時が来ました。」
男B「ご覧の通り、邪気を払いし豆は全てここに集まりました。
これで、あなた様は自由となるでしょう・・・!」
男C「さァ!!魔の鬼よ!!今こそこの世に戻るのです!!
この愚かなこの世を、地獄に変えてくだされィ!!!」
灰間「そうはさせっかよ!!」
男たち「おおっ!!?」 男たちは後ろから灰間の声を聞き、驚く。
そう。灰間と日下部がこのアジトへと着いたのであった。
男D「ば、BARだ・・・・っ!?」
男E「か、嗅ぎつけたのか!!」
日下部「あなたたち!!多くの豆を買って、
こんなところに集まって・・・!何を企んでいるのよ!!?」
男F「ふ、ふん!!お前らには知らねーけどな!!
俺らはこの祠に眠っている魔の鬼を蘇らせようとしてんだぜ!!」
男G「この魔の鬼さえ目覚めれば、
この世は俺たちのものなんさ!!!」
男たちは鬼の像が入っている祠を灰間と日下部に見せる。
日下部「は?この祠にある像が魔の鬼!?ただの像じゃない。
あなたたち。まさか、何かのくだらない作り話とか信じて・・・・!
そんな理由で、悪さしてるんじゃないでしょうね!!?」
男A「いや!作り話ではない!!魔の鬼は存在する!!
その偉大なる方はこの祠に眠っておられるのだ!!!その方は、
私の頭の中に語りかけたのだよ。
目覚めさせれば、味方にしてやるとな!!」
灰間「・・・日下部。残念だがよ。奴らの言ってる事、マジだぜ。」
日下部「は、灰間・・・・!?」
日下部は灰間が汗を流しながら、険しい表情になっている事に驚く。
灰間のペンダントは光っている。そう。ペンダントは、
魔の鬼がこの祠の中に存在している事を灰間に教えたのだ。
男A「どうやら、この少年はわかっているらしいな。
さァ!!魔の鬼よ!!あなたを迫害せり、
忌まわしき豆は襲わんべき地には一切もありませぬ!!!
この世の汚き人間たちを裁き、
我ら虐げられし者たちをお守りたまええええぇぇぇぇ!!!」
男Aがそう叫ぶと、祠の中の鬼の全ての目が光り始めた。
その像にヒビが大きく入る。男たちはそれを見て、喜ぶ。
男B「おお・・・・!!」 男C「ついに目覚めるぞ!!!」
そして、鬼の像は祠と共に爆発した。そこから、
巨大な炎が溢れ、その炎が魔獣のような姿に変わる。そして、
本物の魔獣の姿となる。その姿は、まるで赤い鬼のような姿であった。
顔は像のと同じ、2本の角と6つの目があり、口が笑っていた。
下半身には某鬼が履いているような物だが、尻尾が生えている。
この鬼の姿をした怪獣の名は、オニダーク。鬼の魔獣だ。
オニダーク「グブオオォォォォウウウゥゥゥ」
男たち「おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
男たちは魔の鬼と呼ばれるオニダークの復活に歓声する。
日下部「まさか・・・!本当の事だったなんて・・・・!!」
灰間「しかも、この鬼は魔獣だぜ・・・!」
男A「つ、ついに目覚めたのですね!!魔の鬼よ!!
さァ!!あなた様の力で、この腐りしこの世を・・・・!!」
オニダーク『例ヲ言ウ・・・。愚カナ人間共・・・・!』
オニダークは自身を目覚めさせた男たちを見て、
6つの目を光らせる。その時、
オニダークを復活させた男たちの身体が突然に燃えてしまう。
男たち「ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!???」
つづく
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