緒川「ある宇宙人・・・・!?」
灰間「・・・もしかして、あのどこかの谷で暴れていた宇宙人か?」
女性「はい。その宇宙人は私を無理やり、嫁にしてしまおうとしました。
ですが、私はその宇宙人を嫌っていました・・・。何故なら、
あの星人は狂気と悪意に満ちているからです。」
灰間「そうか・・・・。魔獣に恋する星人がいるなんて、少し妙だな。」
緒川「・・・ところで、あなたの名前は?」
女性「はい。私の名前はスィール。海豹人間族の魔人です。私は、
決して悪しき行いはしません。そして、何か手伝わせてくれませんか?
あなたたちは私を助けてくれました。そのお礼がしたいです・・・。」
灰間「どうやら、こいつも良い魔族みたいだな。」 緒川「そうね。」
灰間と緒川はスィールが良い魔族と知り、微笑む。
緒川「でも、良いわ。無理に手伝う事はない。ゆっくりしていきなよ。」
スィール「そうですか・・・。」
灰間「・・・・そうだ!お前、どんな魔力を持ってんだ?」
スィール「魔力・・・。水を操る事ならできますが・・・。」
灰間「そうだな・・・。じゃあ、ちょっと水をくれねーか?
ちょうど、喉が渇いたし。自販機は金がかかるしよ。」
スィール「はい。」 スィールは少しだけ微笑んで言う。
灰間は何も入ってないコップを出し、
スィールが左手を真上からコップに向ける。
スィール「では、行きます・・・!」
スィールの左手から水が出てきた。
その水が灰間の持つコップに入って行く。
灰間「おおっ!!」 緒川「手から水が出たわ!!凄い!!」
スィールの出す水により、コップが水に満ちていく。だが。
灰間「あわわ!!も、もう良い!もう良い!!」
コップでスィールの水が大いに溢れた。こぼれる確率が高い。
スィール「え?ああ!!」 スィールはそれに気づき、慌てる。
それで、左手を動かして、
灰間の顔にスィールの出した水がかかってしまう。
灰間「うわっ!?」 灰間はこれに驚き、倒れそうになる。
それにより、コップの水のほとんどが灰間の身体にかかってしまった。
灰間「うへぇ・・・。びしょ濡れだぜ。」
スィール「あうぅぅ・・・。こんな事を望んでないのに。
私ってば不幸です・・・。」
スィールは凄く落ち込む。
緒川「あなた・・・。もしかして、不運の持ち主。」
スィール「・・・はい。私ってば。
いつも何かすると、失敗ばかりしちゃうんです。」
灰間「そっか・・・。まっ。頑張れば、何とかなるっしょ。」
緒川「でも、いつまでもこの基地に置いておくワケにはいかないし・・・。
このBARは魔族と敵対しているから・・・。そうだ!
私と一緒に、どこか外へ散歩しない?私の家に行けば、いつでも・・・。」
スィール「・・・・っ!?だ、駄目です!外では、宇宙人が、
私を探そうと行動をしているハズです・・・・っ!」
灰間「大丈夫だよ。俺と緒川さんがボディガードするよ。」
スィール「本当・・・・ですか?」
こうして、灰間は大神に独自にパトロールをする事を許してもらい、
緒川やスィールと共にどこかの街へ出かけた。
スィール「・・・・・あの。本当にすみません。あなた方には、
BARの仕事があるのに。それを放棄して、私を守ろうと・・・。」
スィールは切なそうに灰間と緒川に謝罪する。
灰間「別に放棄なんてしてねェよ。
誰かを守るこそが、防衛隊の役目の一つだし。」
緒川「それに、あなたが良い魔族で本当に良かったわ。
しかも、可愛いし。」
スィール「か、可愛いだなんて・・・。」 スィールは少し照れる。
そして、スィールは周りの人々を見る。笑い合う大人たち。
仲良く手を繋いで歩く親子。楽しそうに走る子供たち。
スィール「でも・・・。よく見ると、地球人って、
何だか楽しくて良き心を多く感じます。他の魔族からは、
地球人は醜悪で汚い存在と聞きましたが・・・。」
緒川「まあ。確かに私たち地球人の中には、
醜悪で汚い者が多いわ。
今、あなたたちが見ているのは、そうじゃない方よ。けどね。
私たち人間は本当はとても醜い存在なの。」
灰間「けど、その人間たちもその醜さに気づき、
やがて良き存在となる。
俺はその可能性を守るために、人間たちを襲う魔族と戦ってるんだ。」
スィール「そうですか・・・。だから、あなたは・・・。きゃっ!?」
スィールは突然、足をくじいて扱けてしまう。
灰間「っ!?おい。大丈夫か・・・?」
灰間はスィールをゆっくりと起こす。
スィール「うう・・・。こんなところで扱けちゃうなんて。不幸です・・・。」
謎の声「あああああぁぁぁぁぁ!!!」 スィール「ひっ!?」
灰間、緒川、スィールは大きな声に驚く。
その3人の前に、森下と徳丸がいた。
大声を出したのは、森下と徳丸の二人であった。
灰間「お、お前らかよ・・・・!?」
徳丸「お前らかよじゃない!!誰なの?この女の人!?」
森下「変な帽子を被ってるし、衣装が何か普通じゃないし、
胸が凄く大きいし・・・!ま、まさか!?翔ちゃん・・・!!」
スィール「む、胸が大きい・・・。」
スィールは自分の胸を見て、頬を赤く染める。
徳丸「君・・・!この女の人と・・・・!?」
灰間「変な妄想をすんな!!この女は宇宙人に追われていて、
そいつから、この人を守っているだけだよ。」
スィール「ごめんなさい。勘違いをさせてしまって・・・。
宇宙人は私の事を常に狙っていまして・・・。」
徳松「そっか。じゃあ、良かったよ。でも、もし、
本当にアレだったら、すぐに野口さんに知らせないと・・・。」
森下「そして、野口さんは翔ちゃんを変態だと思い、
今までにない態度で翔ちゃんと絶交してしまい・・・。」
灰間「お前たち・・・。」
徳丸「でも、人を守るのも仕事かも知れないし、しっかりやってね!」
森下「あまり度が過ぎて、アレな事にならないようにねェ。」
徳丸と森下は灰間たちから離れて去った。
スィール「・・・何だったのですか?あの二人。」
灰間「少し変な二人組さ。そこまで醜くはねーけど・・・。」
一方、とある町では、幸せそうに歩いている女性が歩いていた。
両手には多くの洋服を持っていた。
女性「らんららーんららーん。いっぱい買っちゃった!
帰ったら、どんな衣装を着ちゃおうかなァ。」
謎の声「ひひひひひひひひ・・・・・!!!」
その時、不気味な謎の声が聞こえる。女性はそれに恐怖を感じる。
女性「っ!?だ、誰・・・・!?」
そして、女性の前に、等身大のバム星人が現れた。
バム星人「ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
バム星人はいきなり棍棒で女性を殴った。女性は倒れた。
女性「きゃあああぁぁぁっ!?」
バム星人「ぬっ!?うおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」
そして、バム星人は多くの洋服を両手で破り始めた。
女性「あああぁぁぁぁ!!せっかく買った洋服がァ!!」
バム星人「う”ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
イライラが止まんねええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
全ての洋服を破ったバム星人はまたどこかへ走った。
そして、別の町では、小さな女の子がお菓子を持って歩いていた。
バム星人の声「おらああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
そこに、等身大のバム星人が現れて、女の子に近づく。
つづく
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