日下部「そ、そうよ!私と灰間はただの隊員同士よ。あ、
安心なさい。別に奪っているワケじゃないんだから・・・。」
野口「奪ってるって・・・?」
日下部「し、知らないなら良いわよ・・・。では、私はここで。」
日下部は素早く歩いて、野口と灰間から離れた。
野口は日下部の様子がおかしいと思って、灰間に聞いてみる。
野口「灰間君。日下部さんに何かあったの?」
灰間「はて?俺も何が何だか・・・。」
灰間も日下部に何かあったかはわからないそうだ。
放課後。灰間と野口は森下や徳丸と一緒に学園から出た。
野口「ねェ。灰間君。今日は私の家に来ない?
一緒に宿題をしてくれたら、お菓子を料理してあげるけど。」
灰間「・・・・残念ながらそうはいかねェ。ほら。」
灰間はある方向に指をさす。そこには、日下部がいた。
野口「あっ!日下部さん・・・・。」
灰間「俺は今から日下部と一緒にBARへ行かなきゃならん。
今回も魔獣が出たそうだからよ。
まあ、料理だけは残してくれ。じゃ。」
灰間はそう言って、野口から離れて日下部のところへ近づいた。
日下部「じゃ、行くわよ。灰間隊員。」
灰間「ああ。早いとこ、魔獣を倒さねーと・・・!」
灰間と日下部は一緒に走って行った。
町の道路を歩く野口、森下、徳丸。
野口は何故か暗そうにため息する。
野口「はぁ・・・・。」
徳丸「どうしたの?野口さん。」
野口「最近、
灰間君とはよく一緒にいない日が多いなァ・・・と思って。
変わって、灰間君。
日下部さんとよく一緒にいるし日が多くなってるし。」
徳丸「そうだよねェ。でも、しょうがないじゃない。
灰間君と日下部さんは同じBAR隊員だと聞いてるし。
二人は日々、
地球を守ると言う使命を背負っているんだよ。」
森下「そうそう。あの二人が一緒にいるのも、そのおかげだよ。
もしかして、次第に絆を深めて、
互いに恋愛感情が芽生えそうかも!
このままじゃ、灰間君が浮気者になっちゃうかも!!」
野口「え・・・・・っ!?」 野口は森下の言葉に驚く。
徳丸「おいおい。そんな事ないじゃないか?だって、
灰間君は、野口の事だけを愛しているって聞いてるからさ。」
森下「そうかなァ~っ。」
野口「・・・・灰間君・・・・・・。」
野口の胸の中には不安に近い感情が溢れつつあった。
BAR基地の司令室に来た灰間と日下部。
隊員たちがテーブルに座り、一人だけ立っている大神の話を聞く。
大神「諸君。いよいよ、円盤型の怪物が地球に飛来した。
円盤型の怪物はポイントMR9023の上空に来ている。
さっそく円盤型の怪物の正体を探るために、出撃せよ。」
隊員たち「了解!!!」
上空で出撃した3機のバルワンダー。1号は灰間と日下部、
2号は叶野、3号は上川である。3機の前の雲から、
奇怪な形をした物体が飛んで来た。
上川「むっ!?謎の飛行物体が接近して来ます!!」
叶野「あれが・・・円盤型の怪物だ!!!」
そう。雲からは円盤型の怪物が現れたのだ。その怪物の姿は、
確かに円盤に似たような形をして、
緑色をしていた。黒い目のような部分が付き、
下の部分が赤く、そこから複数の触手のような物が生えていた。
日下部「あれは・・・円盤生物と全く似ているわ!!」
その時、灰間のペンダントが光る。
それにより、灰間は怪物の正体を知る。
灰間「円盤生物じゃねェ・・・!!こいつは魔獣だ!!」
日下部「え・・・っ!?た、確かに魔獣反応がするわ・・・!!」
そう。この円盤型の怪物も魔獣であった。
この魔獣の名はアブソーバである。
アブソーバ「・・・・・・・・!」
アブソーバは一つの触手の先端にある穴から火炎を放射する。
日下部「っ!!危ない!!」
3機のバルワンダーはそれを避ける。
つづく
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