緒川「ええっ!急ぎましょう。
人の命を無駄死にしてはいけない。」
灰間と緒川は走った。他の科学者を探すために。
その科学者も魔族に狙われる恐れがあるからである。
一方、
日下部はとある港町で3人の男性科学者と一緒に歩いていた。
科学者A「いやぁ。魔族に狙われているとかは知らんが、
BARの君が守りについてくれるとは、ありがたいよ!」
日下部「・・・一つ聞いて良いでしょうか?
アンチM線の開発は成功すると思いますか?」
科学者B「成功するとも!私たちの最新科学で、
魔獣のエネルギーを人間のためのエネルギーに、
してやれる事ができるんだから!!」
科学者C「科学の力は素晴らしい。科学の前では、
どんな困難にでも打ち勝てるのだ・・・・!」
科学者たちが余裕な表情をしているが、
日下部は何故か不安そうな表情をしていた。
日下部「だと・・・良いですね・・・・・。」
科学者A「ぎゃっ!!?」
その時、後ろから謎の剣が飛んできて、科学者Aを貫いた。
科学者Aが倒れたところを見た日下部たちは驚く。
科学者たち「おお・・・・っ!!?」 日下部「こ、これは!?」
日下部は後ろの方を向く。そこには、黒い衣装の少年がいた。
少年「グヒヒヒ・・・・ッ!!魔族でーす!!」
少年が歪んだ表情で笑いながら逃げて行く。
日下部「くっ!!待ちなさい!!魔族!!!」
日下部は魔族と名乗る少年を追おうと走る。その事で、
二人の科学者から離れて行く。だが、これは敵の罠である。
科学者たちの声「うわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
日下部「え・・・・っ!?ああっ!!!」
日下部は科学者たちの悲鳴を聞き、彼らの方を見る。そこには、
二人の男に襲われている科学者たちの姿があった。
ある者は身体のあらゆるところを包丁で突き刺され、
ある者は鉄の棒で顔を強く打撃され続けて破壊された。
日下部「魔族め!!このォ!!!」
日下部はバルガンで二人の男を射撃する。
男A「ぐわっ!!!」 男B「ぴゃっ!!」
二人の男は倒れて死んだ。この二人は魔族だったのだ。
日下部「しまった・・・!ボディガードするハズだったのに。
全員死なせてしまった。魔族どもめ・・・・っ!!!」
日下部は科学者たちを守れなかった事を凄く悔しかった。
その時、日下部のシーバーが鳴り出した。
日下部「っ!?こちら、日下部!!」
シーバーの声から叶野の声が出た。
叶野の声『こちら、叶野!!先ほど、一人の科学者が、
複数の子供に化けていた魔族に喰い殺された・・・!』
日下部「私の方も、3人とも魔族に虐殺されました・・・。」
叶野の声『そうか・・・。魔族め!とんでもない方法で、
科学者たちを次々と殺すつもりだ。上川からの連絡でも、
二人の科学者が謎の爆破で死んだらしい。
残りの科学者たちは、
絶対に守れ!!これ以上、
魔族の好きにはさせてはいかん!!!』
日下部「了解であります!!」
灰間と緒川は別の町を歩いていた。
灰間「それで、アンチM線の開発はどこで行うんだ?」
緒川「それは、神戸の研究所で行うつもりよ。
魔獣の死骸から採取した物質は全て、
その研究所に運ばれているわ。政府の手によって・・・。」
灰間「そうですか。では、他の科学者たちは全て、
そこへ向かっているか。急いでそこへ向かおう!!」
緒川「そうね・・・・っ!!」
その時、男性の悲鳴が響きだす。
男性の声「助けてくれええええぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
灰間&緒川「っ!!?」 二人は上の方を向く。
そこに、宙に浮きながら苦しんでいる男の科学者がいた。
科学者「うああああぁぁぁぁぁ・・・・・!!!!」
緒川「あれは・・・っ!!」 灰間「魔族の仕業か!!」
そして、空高く浮かんだ科学者は急に地面に落ち始める。
その科学者は高いところから落ちたために、
物凄い苦痛で血を吐く。
科学者「ぐふぇ!!!」 緒川「ああ・・・・っ!!」
そこに、黒い衣装の少年が嬉しそうに踊りながら現れた。
少年「きゃーっ!!おっちた!おっちた!!!」
少年は倒れた科学者を物凄く蹴り飛ばした。
灰間「あいつは・・・・魔族だ!!」 緒川「そ、そんな・・・!?」
少年「あ?あっ!!雌豚だ!!!
ん~まそぉああああぁぁぁぁ!!!」
少年は緒川を狙うかのように物凄いスピードで跳びかかる。
灰間「なろおおおぉぉぉぉ!!!」
だが、灰間はそうはさせまいと少年を蹴り飛ばす。
少年「ぐぎぇ!!ぎゃああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
少年は両手を灰間に向ける。すると、灰間は突然、浮き始める。
灰間「うぉわ!?な、何だこりゃ!!?」
灰間は自身の意思で浮いているのではなく、
少年が魔法で灰間を浮かせているのだ。
少年「ケケケケケ!!とても高いところから落としてやるっ!!」
その時、少年の後ろに日下部が走って来た。
日下部「見つけたわよ!!さっきの魔族!!!」
少年「何っ!?」
日下部はバルガンで少年を撃つが、少年は間一髪これを避ける。
少年「うひょーっ!?」 灰間「うわわっ!?」
少年は物凄く驚いたか魔力が解け、灰間は落ちてしまう。
少年「わおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!!!!」
少年は激しく走って逃げて行った。
日下部「もっとしゃきっとしなさいよ!軍人らしく・・・。」
灰間「いてててて・・・・!攻めて、ゆっくり降ろして欲しかったぜ。」
緒川「大丈夫?灰間君。・・・ありがとう。日下部さん。」
日下部「いえ。それより、
魔族たちが魔族たちを次々と暗殺しています。
一刻も早く残りの人たちを、
神戸の研究所へ誘導しなければなりません!
開発する人が少なくなるとアンチM線の開発が遅れ、
失敗作になりそうな可能性が高くなってしまいます。」
緒川「・・・・いえ。アンチM線は失敗するわ。」
日下部「どうしてです!?成功を信じないと・・・!確か、
アンチM線は魔獣のエネルギーを科学で改造して、
人間に害を与えず魔獣に、
害を与える放射能にする物のハズです。
エネルギーや物質を改造できるシステムは、
既に作られているでしょ?」
緒川「それは確かに造られているわ。でも、
魔獣のエネルギーはそのシステムには通用しないわ。」
灰間「どう言うこった!?」
緒川「三日前、私の父はアンチM線を完全にするために、
試作品を造る形として実験を開始していたわ。
魔獣の死骸から、
採取したエネルギーを物質変換システムに入れて、
アンチM線を開発していたわ。その時、
最悪な結果が起きたわ。やっとの思いで、
アンチM線の試作品が完成したかのように見えて、
それを見た科学者たちは喜んだ。
でも、その放射線を浴びた一人の科学者が、
苦しみだし、異形の姿へと変えて行った。
アンチM線は失敗した。
その放射線を浴びた者は魔獣になってしまいつつあった。
他の科学者たちが、
銃弾でその人を殺してしまった。この時点は私は思ったわ。
アンチM線は作ってはいけないと。けど、父は、
今のは試作品だから仕方がないと言って、
完璧なアンチM線を造るつもりよ。
もし、それがさらなる絶望を招くかどうか気づかずに・・・・っ!」
灰間「それで、あんなに反対してたのか・・・・。」
つづく
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