ゴダルは少しだけ目覚めた。だが、じきに・・・。
コリス「ゴダル!!大丈夫か!?」 シャドー「死なないよね!?」
ゴダル「だ・・・・黙れ!!どれもこれも・・・。
シャドー!お前が目覚めただろうが・・・っ!!今の怪獣の言う通り、
お前は最っ低な雌ぶ・・・・つぁはァ!!!」
ゴダルは血を吐いた。先の傷が大きすぎて、致命的なのだ・・・。
シャドー「っ!!ゴダル!!!ゴダル!!!!」
ゴダル「だま・・・れよォ・・・・っ!!」
シャドー「ゴダル・・・・!いや・・・死んじゃ、いやァ・・・・っ。」
モモ「・・・・・・っ。」
モモはサキたち4人に顔を向く。イチゴは彼女の言いたい事を理解する。
イチゴ「・・・・・行こう。」 イチゴの言葉に、
サキ、シュドー、テブリッシュは頷き、4人はコリスたちから去った。
サキ「・・・・・・・っ。」 その間に、サキが後ろを向き、
ゴダルの心配をするシャドー、モモ、コリスを見つめる。
彼女は彼女たちに対して、尋常な切なさを感じたのだ。
モモ「ゴダル・・・・・。」 コリス「ゴダル・・・っ!!」
ゴダル「ち・・・・っ!うるさいよ・・・どいつもこいつも。
特にコリス。お前がな・・・・。」
コリス「ごめん・・・・僕のせいで・・・・。」
ゴダル「ああ。お前のせい・・・・だなっ。お前がさっさと、
伝説の力をくれないから・・・・冥界は・・・・・っ!!
くそ・・・・。僕は見たかったのに、冥界が明るくなって、
そこの連中が平和で穏やかになって、
仲良くなってる様をなァ・・・・ぉばっ!!!」
ゴダルはさらに血を吐いた。もうもたない。それを見た3人は、
切なくなる。特にシャドーは既に涙を流している。
シャドー「っ!!ゴダル!!!」 コリス&モモ「ゴダル!!!!」
ゴダル「だからァ・・・・うるさいって・・・・!!コリス。
お前のせいだからな・・・・っ!!その罪・・・重い・・・ぞっ。」
コリス「・・・・っ!じゃあ、僕が償う!!償うから・・・っ!」
コリスも涙が出そうになる。ゴダルはそれを聞いて、微笑む。
ゴダル「ふ・・・・っ。じゃあ、約束しろよ。いつかは必ず、
冥界を・・・・僕の故郷を、明るく平和な世界にしてみな・・・・っ!!
その・・・・伝説の・・・力・・・・で・・・・っ!!ぐっ!!」
シャドー「ゴダルうぅぅぅ・・・・・・っ。」
ゴダル「・・・・シャドー。お前も・・・同罪だ。僕を叩き起こした罰だ。」
シャドー「ごめんね・・・・ごめんね!!ゴダル・・・・・っ!!」
シャドーはゴダルを抱きしめる。
ゴダル「許して欲しいなら・・・・っ!僕を・・・・。
あのマッドマウンテンへ連れて行ってくれないか・・・・?
本当なら、
僕が封印された場所であるゴルドラ遺跡で眠りたかったが、
怪獣のせいで壊れて、冥界への入り口は防がれたからな・・・。」
ゴルドラ遺跡・・・・それはゴダルが封印されていた場所である。
だが、怪獣の復活により、その遺跡は廃墟されたのだ。
シャドー「わかったわ・・・・っ!そこに行けば、あなたは・・・・!!」
ゴダル「いや。僕はもう死ぬよ・・・・。」
シャドー「いや!!死なないで!!!」
コリス「そうだ!!死んではいけない!!!
僕は君と一緒に戦い!!!」
モモ「人々の夢と希望を守るために・・・・っ!!」
ゴダル「そうしたいが・・・・今は駄目だな。」
シャドー「そんなの嫌よ!!逝くなんて・・・許さないから!!!」
ゴダル「ふん・・・・。言っておくが、本当に死ぬワケじゃない。
ちょっくら地獄へ、人間たちを虐めてる連中を殺しに行くだけさ・・・。」
コリス「ゴダル・・・・・っ。」
ゴダル「コリス・・・・・。もし、生き返ったら、
また勝負しよぅ・・・・・ぜ・・・・・・・・―――――。」
ゴダルは目を瞑った。息も止まった。そう、ゴダルは・・・・・。
シャドー「ゴ・・・・ゴダル・・・・・?ゴダル!?
ゴダルうううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!」
コリス&モモ「ゴダル!!!!!!!!!!」
シャドー「わああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ
ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
シャドーはあまりの悲しみに泣き叫んだ。そう・・・。
ゴダルは死んだ。偉大なる冥界の王子は死んだのだ・・・。
たった一人の愛人に、目標である好敵手に別れを告げて。
ここに、冥界仮面ゴダルは切ない死を遂げたのであった。
それから、次の日。サキとコリスは廊下を歩いていた。
サキ「そう・・・・。ゴダル。死んじゃったんだ・・・・。」
コリス「はい・・・。ゴダルは、本当は良い人だったのかも、
知れないんだ。本当なら、
ゴダルも一緒に戦ってくれたハズだと思う・・・。」
サキ「・・・・なんか、可哀想だね。」
コリス「はい・・・・。本当に・・・可哀想でした・・・・。」
コリスの脳裏には、ゴダルの激しい敵意や過去を語った間の場面、
さらに一緒に戦ってくれた時の勇姿。そして、
故郷を思う心意でいっぱいだった・・・。今、コリスは後悔している。
あの時、伝説の力をゴダルに分ける事さえできればと・・・。
それができなかった今、コリスはとても悲しい気持ちであった。
つづく
[0回]
PR