ウルトラマンクリスタル 第44話・侵略されし愛
毒ガス宇宙人・グレイヴァ星人登場
この悲劇の物語は、このとある夜の出来事から始まった。
その時の森で、一人の男が何故か、フラフラして息を荒くして歩いていた。
男「はぁ・・・・はぁ・・・・!!だ、誰か・・・・助けて・・・・!!」
その男はまるで何かによって苦しんでいるようだ。一体、何があったのだ。
男「も・・・・もう・・・あんな・・・・や・・・――――。」
そして、男は倒れてしまった。口から血が流れているので、死んでしまったらしい。
それを見るのは、暗闇から姿を見せる女性であった。
その女性は緑色の髪をしていた。彼女は一体、何者なのだろう。
そして朝となり、ハリーの家。そこには、コリスの面倒を見ている、
ハリー青年が住んでいるのだ。コリスも彼の家に居候している。
そこの居間にて、ハリーは何故か嬉しそうに掃除をしていた。
掃除機で部屋を綺麗にしている。コリスも散らかった物を片付けている。
コリス「・・・・一体、どうしたのですか?さっきから凄い笑顔なんですけど・・・。」
そう。ハリーは今、とてつもない笑顔なのだ。一体、何があったのだろう。
ハリー「ふっふっふぅ~っ♪聞いて驚くなよ?
もうじき、俺の嫁がこっちに来てくれるってよ。」
コリス「嫁ですか・・・・。ってえええぇぇぇ~っ!!?嫁ですかァ!??」
コリスはハリーに嫁ができたと言う事に驚く。
・・・と言う事は、ハリーには恋人がいる事になる。
ハリー「そうさ。今まで黙っておいたけど、俺には好きな女がいたんだよ。」
コリス「好きな人・・・・?その人は一体、誰ですか??」
コリスは少し緊張したような表情で聞いてみる。
ハリー「・・・・その人は高校の時だけに会っていたんだ。
名はナギサ。とても素直で優しい子だった。純情な性格なせいか、
俺のような奴に恋しちまってよ・・・。俺もあいつが好きだけどな。」
コリス「ナギサさんですか・・・・。」
ハリー「これが、そのナギサって奴の写真だ。」
ハリーはコリスに一枚の写真を見せる。その写真には、
セーラー服を着た少女で、青い瞳、緑色でポニーテールをしていた。
そう。この少女こそがハリーの恋人であるナギサであった。
コリス「この人が・・・・。」
ハリー「そうさ・・・。高校卒業して以来、全然会ってねェけどな・・・。」
コリス「・・・・・・。」 コリスは感じたのだ。ハリーは一刻も早く、
ナギサに会いたいと・・・。そこで、コリスは彼女を探して、
今すぐハリーに会わせてやろうと決心したのだ。
コリス「・・・・僕、ちょっとナギサさんって言う人を探して来ます!」
ハリー「え・・・・??」 コリスは走り、家から出た。
コリスはナギサを探そうと、町を歩いていた。
コリス「そもそも、ナギサさんってどこに住んでいるんだろう?
まあ良いか。ナギサさん自身もこっちに来るって・・・・。
適当に歩けば、そのうち・・・・。っ!?」
その時、コリスの目の前に緑色のポニーテールと青い瞳の美しい女性がいた。
コリス「な・・・ナギサさん!?あなたが、ナギサさんですか!?」
そう。コリスはいきなりハリーの恋人であるナギサと出会ったのだ。
ナギサ「・・・・・・・・。」 だが、ナギサは何故か無表情であった。
コリス(・・・ん?おかしい。写真では笑顔だったのに、
何だろう?この感じ・・・。彼女の顔・・・・まるで感情がないみたい・・・。)
確かに、ナギサは笑顔が似合いそうな女性である。
だが、今の彼女にその笑顔がない。一体、彼女に何があったのか。
ナギサ「・・・・見つけた。」 コリス「え・・・・??」
ナギサは何を言うと思えば、いきなりコリスに両手を向けた。
コリス「っ!!?く・・・!」 コリスはそんな彼女の両手を抑える。
どうやら、ナギサはコリスの首を絞める気だ。
コリス(・・・・っ!ど、どうして・・・・!?ナギサさんは、
素直で優しいってハリーが言ってたのに・・・・・!!何かある!!!)
その時、後ろからの何者かがナギサを打撃した。ドッ
ナギサ「う・・・・!?」 ナギサは倒れた。打撃したのはサキであった。
コリス「サ、サキさん!!!」
尻餅をついたコリスは、サキが助けてくれた事に気づく。
サキ「大丈夫・・・?コリス君・・・。」
コリス「は、はい・・・。ただ、何故この人が僕を襲ったのか・・・・。」
サキ「ああ・・・この女もきっと、毒に操られていると思っているわ。」
コリス「毒に・・・・?」
サキ「ええ・・・。これを見て。」 サキは手に持っている感染反応機を、
倒れたナギサに向かった。すると、画面にある数値が199%となっている。
コリス「こ・・・・これは・・・・!?」
サキ「この機械で毒に感染された人に反応できる。例外もなく、
このナギサさんって言う人も毒に犯されているわ。普通の人なら199%でほぼ、
死亡に近いけど、それでも死ねずに変わっておかしくなった人が多いの。」
コリス「じゃあ・・・この人も・・・・!」
コリスは驚きそうな表情をし、サキも汗を流していた。
サキ「・・・・きっと何者かが仕組んでいるわ。とりあえず、この人をDGC基地へ運びましょ!」
コリス「は、はい!!」 こうして、二人はナギサをDGC基地へ運ぼうと、
サキが乗っていたロードラッシュで出発した。
こうして、DGC基地に来たコリスはサキと一緒にメディカルルームにいた。
私服であったコリスはいつの間に、隊員服を着ていた。
コリス「それで・・・先生。ナギサさんの容態は・・・・?」
コリスはナギサを治療していた先生に聞くが、先生は真剣な表情で顔を振る。
先生「・・・・あまりに危険な状態だ。普通なら死んでいるが・・・。」
コリス「あの人は毒に盛られたと聞いてます!あの毒を取り除ける方法は・・・・!」
サキ「無理よ。コリス君。あの毒は・・・宇宙の物質でできているから、
解毒できる方法なんてないわ・・・。他の人もそうだった・・・・っ!」
サキは落ち着いた表情をしているつもりだが、悲しさや悔しさを隠せずに震えた。
つづく
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