灰間にそう言われた姉崎は急に不気味な笑みを浮かべる。
そう。姉崎は宇宙人に憑依して同化したため、
今の姉崎は宇宙人となっているのだ。それを、
ペンダントが灰間に教えたのだ。灰間は姉崎にバルガンを向ける。
灰間「てめェ・・・・!!うぁ!!?」
その時、灰間のバルガンが別の銃弾に弾き飛ばされ、
これに驚く灰間は銃弾が飛んで来た方向を向く。そこには、
バルガンを持っていて日下部と大神がいた。
日下部「あんた・・・!何やってるのよ!!?」
大神「灰間!!おどれ!わしの友人に何ちゅー事を!!」
大神は姉崎に手を出そうとした灰間に怒鳴りだす。
灰間「違うんだ!!この女・・・!宇宙人なんだ!!」
大神「宇宙人じゃと?冗談言うんやない!!
姉崎は人間だ!!わしは彼女をよーく知っとる!!!」
灰間「ですが・・・・っ!」
姉崎「助けて!!この人、私を殺そうとしているんです!!
私を勝手に宇宙人と決めつけて・・・・!!」
姉崎は涙目で叫ぶ。灰間はそれに苛立ちを感じる。
大神「何じゃと!?何故じゃぃ!?灰間!!」
灰間「違います!!こいつは、宇宙人、レギュラン星人に、
憑依されてます!!
今の姉崎さんは姉崎さんではありません!!!」
日下部「レギュラン星人!?
あのウルトラマンティガがいる時代に、
飛来した宇宙人の事!?
けど、何の証拠にそんな事が言えるの!!?」
大神「どんな理由だろうと、姉崎に手を出す事は、
例え部下のワレでも許しがたいんど!!おぉ!?灰間!!」
二人は灰間を信じない。その様子を見た姉崎が笑みを浮かべる。
その時、大神の腕に付いているバルシーバーが鳴り出す。
大神「っ!?こちら、大神!!」 シーバーから叶野の声が出る。
叶野の声『ナンバーT89地区で魔獣が現れました!!』
大神「何だとぅ!?こがぁな時に魔獣が来ようとは・・・!!
灰間!!罪滅ぼしに魔獣を倒しに行かんかぃ!!」
灰間「・・・了解・・・・っ!!」
灰間は震えながら、部屋から出る。
大神「日下部。おどれも灰間についていてくれ。
今日の灰間はちょっと変じゃき。見て行きぃや。」
日下部「了解。全く、あいつは何を考えてるのよ・・・!
わしは、姉崎を保護する。ここで指揮すると、
叶野や上川に言ってくれ。」
巨大な怪物の足が次々と木々を踏み荒らしていく。その怪物は、
青色をした顔では口が大きく、鋭い二つの目が赤かった。
額にも赤い目があり、頭に1本の白い角。
紫色の両腕が少し大きく、
他の身体の色が青色である。両足と尻尾が赤い。
この異形の怪物は魔獣であり、名前はグルトニングである。
グルトニング「ゴォアアアアアアアァァァァァァァ!!!!!!」
グルトニングは人間が、
獣の鳴き声を演じているような声を発して、
遠くの街へ進んでいった。そこに、
バルワンダー2号と3号が飛んで来た。
2号が叶野と上川。3号が灰間と日下部である。
灰間「魔獣までも何か企んでそうに見えるぜ・・・!」
日下部「もう・・・!何なのよ!!ジャンボロイドの次に、
魔獣までも現れるなんて!!まあ、今すぐ倒せば良いけど!」
上川「攻撃開始!!!」
2号と3号がレーザーバルカンで魔獣を攻撃。
グルトニング「ゴォアアアアアァァァァァァ!!!?」
グルトニングはいきなり攻撃を受けて、動きを止める。
叶野「動きが止まった!!攻撃を続けろ!!!」
2機のバルワンダーはレーザーバルカンの連射を続ける。
だが、グルトニングはそれに耐えて、
口から紫色のガスを放射する。
2機はそれを避けるが、
ガスが木々を覆い、その木々が溶けてしまう。
灰間「あれは妖怪ガスか・・・・・っ!」
バルワンダー2号は2問の大砲から火薬弾を連射する。
グルトニング「ゴアアアアアアァァァァァァァァ!!!!!!」
魔獣はこれを受けて下がる。
それと同時に、両手から二つの光線を発射する。
その光線はバルワンダー2号に命中。
炎上しながら墜落しようとする2号。
灰間「うわああぁぁぁぁっ!!?」 日下部「だ、脱出!!!」
二人はパラシュートを使って、
2号から脱出して、地上に降下する。
上川「よくも二人を!!!」 3号が赤いビームを発射する。
グルトニング「ゴォアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!!!!」
それを受けたグルトニングは痛みでさがって、消えて行った。
叶野「逃げたのか・・・・・!?とにかく、二人を助けよう。」
病室で姉崎を防衛している大神はシーバーで報告を受ける。
大神「そうか・・・。魔獣が逃げたか・・・・。」
叶野の声『はい。後1歩のところでしたが・・・。』
大神「そうか。ほなら、叶野。ちょっと良えか?
灰間にこの病院に来ないように言ってくれるか?」
叶野の声『え?は、はぁ・・・。わかりましたが・・・。』
その時、大神の背後から怪人の両手が彼に近づいてくる。
大神「頼む・・・・。では、切るど。」
大神がシーバーを切り、後ろを向く。そこには、
迫ったハズの怪人の手は既になく、
大神を向いている姉崎の姿があった。
姉崎「魔獣・・・。逃げたんだ・・・。」
大神「ああ。さっきはすまんのォ。うちの部下が、
少し乱暴な事をしくさって。じゃが、彼は・・・。
本当は良い奴じゃけ。大目に見てやってくれや。」
姉崎「ええ。許してあげるわ。どうせ・・・。」
大神「どうせ?何なら??」
姉崎「・・・いえ、何もないわ。ねェ。それより、
もし、私が退院できたら、一緒に旅行に行きましょ!」
姉崎が微笑んで言うと、大神が笑顔になる。
大神「おおっ!そりゃ良えのォ。
SSPの第1分隊とBARの、
全員でどっかで羽を伸ばそうやないの!」
姉崎「でも・・・。灰間と言う子は・・・外してくれるかしら?」
大神「・・・・・考えとくわ。」 大神は少し切なそうにそう言う。
日下部「失礼します!」 その時、日下部が入って来た。
大神「おおっ!来てくれたんか。日下部。それは何じゃぃ?」
大神は日下部が持っている、
果物の入ったバスケットに目を付ける。
日下部「ええ。これを姉崎さんのお見舞いのためにと・・・。」
日下部が微笑んでそう言うと、姉崎と大神は嬉しくなる。
姉崎「まぁ。嬉しいわ。あなたは優しい子ね。」
大神「おんにきるど。日下部。君は素晴らしい部下じゃけ。」
その頃、灰間、叶野、上川の3人はとある草原を歩いていた。
叶野「確か、魔獣が現れた場所がここだよな?」
上川「はい。ここで、急にテレポートして来たそうです。
ジャンボロイドと魔獣。もしや、
デスナイトと魔族が手を組んだのでは?」
叶野「その可能性はありえない。
魔族は人間全てに敵意を表している。
デスナイトも人間だから、魔族を好まないハズだ。」
灰間「だと、良いけどな・・・。ん?」
その灰間は遠くで何かをしている複数の人間を見つける。
上川「どうしたの?灰間君・・・・。」
つづく
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