他の女性B「抜けると言っても、魔族とか言う連中が、
私たちを見張っていそうだし・・・。」
野口「そうね・・・。なら、この部屋に、
魔族の連中が一人もいなくなったら、行動しましょ。そして、
奴らが全員いなくなったら、早くここを抜けましょ?」
他の女性C「まず、檻を壊す必要があるのよ?」
野口「そうね・・・。誰か、壊せる人いるかな?」
野口がそう聞くと、空手衣を着ている少女がいた。
空手衣の少女「おう!!私に任せとけ!!」
野口「あなたは?」 野口は空手衣の少女に聞く。
空手衣の少女「私は緒方!空手10段だから、
こんな檻なら簡単にぶっ壊せそうだぜ!!」
野口「ま、まあ。ぶっ壊すのは、魔族がいなくなってからね^^;」
野口は苦笑して言うと、女の子が野口にこう言う。
女の子「私、詠美。よろしくね。お姉ちゃん。」
野口「うん。私は野口よ。」
他の女性A「私は香里!!」
他の女性B「私は奈美子!皆からは明るい奴と呼ばれてるけど・・・。」
他の女性C「私は亜美!こう見えても、天才少女と言われている。」
野口「そうね。では、作戦の時まで待ちましょ。」
詠美「お姉ちゃん・・・。私、お家に帰れる?」
野口「うん。帰れるよ。(そうよ・・・。私が帰してあげなきゃ・・・!)」
野口は左手を強く握りしめる。
夕日。とある町で灰間、叶野、上川が集まった。
恐らく、それぞれ別々の地域で探索していただろう。
ちなみに、叶野はバルターボに乗っていた。
叶野「どうだ!?何かわかったか!!?」
上川「いえ、全くわかりません・・・!」
灰間「こちらも、魔族の姿すら見つかりません・・・!」
叶野「そうか・・・。もう一度、探すぞ!!乗れ!!」
灰間と上川「はいっ!!!」
そして、灰間と上川はバルターボに乗り、バルターボは再び走った。
だが、見つかる事ができず、太陽が完全に沈み、
夜となってしまった。灰間たちはやむを得ず、基地に戻った。
BAR基地。とある廊下で日下部は静かに立っていた。
日下部の脳裏には、あの大神の言葉が響き続けていた。
仲間を信じる事も、自分の力の一部と思えば良いと。
日下部「・・・・・・・。」
その時、灰間が来て、日下部の前に立つ。
灰間「・・・・すまねェ。日下部。
野口を見つける事ができなかった・・・。」
灰間は表情こそ静かな感じだが、拳が震えている。
野口を助けられなかったのが、とても悔しいのだ。
その時、日下部が野口の肩に触れる。
日下部「良いわ。あんたが失敗したなら、私も同じってワケよ。」
灰間「え・・・?どう言う事だ?そりゃ。」
日下部「夜まで必死に探してくれて、ありがとう。
あんたは十分に私の力になってくれた。
今度は、私自身が行くわ・・・!」
日下部はそう言うと、いきなり走り出す。
灰間「え・・・!?お、おい!!」
日下部はバルターボを使って、夜の街を走っていた。そう。
日下部は自分一人で野口を捕えた魔族のアジトを探すつもりだ。
日下部「ごめんなさい。隊長。ありがとう。灰間。
でも、私・・・。やっぱり、軍人だから。だからこそ、
罪のない人々を助けなきゃ・・・・!」
その頃、野口たちを閉じ込めた檻の近くでは、
魔族が誰一人いなかった。そして、野口は緒方に指示する。
野口「誰もいなくなった・・・!今です!緒方さん!!」
緒方「おうよ・・・!とう!!!」
緒方は檻を思い切り殴る。すると、その檻が粉々に壊れた。
これで、野口たちは自由になった。
奈美子「やったああぁぁぁ!!!」
詠美「わーい!!自由だああぁぁぁ!!」
亜美「静かに!!大きな声を出せば、気づかれる可能性があるわ!!」
野口「そうね・・・。ここから、ひっそりと脱出しましょ!」
かくして、野口たち6人の少女は、部屋から出て、廊下を歩く。
そこには、魔族が少数いるが、何とか密かに移動して、
全く気付かれずにいた。順調に脱出しつつある。
ちなみに、野口はまだ小さい詠美を抱えていた。
敵の気配のない場所で、香里がこう言う。
香里「ねェ?出口って一体、どこなの?
ここらで歩き回ったままだと・・・。」
亜美「そうね・・・。まずは、見つけた扉を確認するしか・・・。」
女性の声「ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
その時、女性の悲鳴が聞こえて、驚く野口たち。
詠美「ひっ!?」 奈美子「見て!!窓の方を!!」
野口たちは近くにある窓の方を見る。その窓の向こうには、
ある部屋があった。そこでは、電気椅子に座っている少女が、
大量の電気を浴びて苦しんでいた。それを見て、
怯える他の少女たちと、とてもつない喜びで笑う魔族たちがいる。
詠美「こ、怖いよぅ・・・。」
亜美「どうやら、
電流を流してどこまで死ぬか試す事で遊んでいるそうね。」
奈美子「見るだけでそこまで理解するの!?すげーわね・・・。」
緒方「それよりも、あいつら・・・!こんな酷ェ事を・・・!
許せねェ・・・・!!ぶっ飛ばしてやる!!」
野口「待って!このアジトから脱出すれば、このアジトが、
どこだかわかる!その事をBARに連絡すれば良いのよ!」
亜美「そうね・・・。それから、
皆を救えば良い。今は、脱出に専念しましょ。」
緒方「おう。それから、他の皆も早く助けようぜ・・・。」
かくして、野口たちは、このアジトから脱出するために、
次々と扉や窓をひっそりと覗く事で、部屋を確認していた。
だが、その部屋はほとんどが酷い光景であった、例えば、
機械で痛めつける部屋。様々な実験で苦しむ部屋。
全体が水に満ちていて溺死されつつある部屋。
火炎の中で燃やされる部屋。
冷気に満ちていて氷漬けにされる部屋。まるで食べ物のように、
魔族たちに料理されては食べられてしまう部屋。
毒ガスに満ちていて、
そのガスを浴びて身体中が焼かれたり腐ったりしていく部屋。
他にも様々な部屋があり、
これらの部屋の機能の犠牲者は、全て人間の女性である。
そして、野口たちは誰もいない殺風景な部屋で休んでいた。
香里「あれだけ探したけど全然、見つからないよォ。」
亜美「安心して。どのアジトにも、出口は必ずあるわ。」
緒方「けどよ。もしかしたら、
出口は魔族にしか知らない通路があるか、
見張りがあるか、もしくは罠も仕掛けられているかも知れねーぞ?」
香里「それじゃ、結局。脱出できないって事!?」
詠美「う・・・っ!ひっく。お母さん・・・。お父さん・・・。」
詠美はまた泣き出しそうになる。その時。
奈美子「よしよし。泣かない泣かない。ほら、皆も諦めないで!
一生懸命にやれば、何とかなるって!
そうすれば、必ず助かるわよ!!」
詠美「うん・・・。そうだね。」
詠美は奈美子の言葉を聞いて、笑顔に戻る。
野口「そうね・・・!もう一度、行動しましょ!!
皆で力を合わせれば怖いものなんてないわ!!だから、
必ずここから脱出するのよ!!そうすれば・・・・!」
謎の声「そうすれば、どうなんだよ?お!?」
野口たち「っ!!?」
野口は謎の男の声に驚く。そして、この部屋に、
バクゴンと複数の魔族がやって来た。
香里と奈美子「きゃあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
亜美「しまった・・・!感づかれたわ・・・・!!」
野口「そんな・・・・!?」
バクゴン「貴様たち・・・!まさか、
ここから出ようってワケじゃあねーよなァ?ん??」
緒方「て、てめーら・・・!!
自分たちが何をしているのかわかってんのかよ!?」
バクゴン「は?わかってに決まってるだろ?ちゃんとよォ。
お前ら地球人は俺ら魔族に支配されし存在。支配した奴が、
支配された奴を何をしても許される。
例え、そいつが殺されたとしてものォ!?」
緒方「い、言いたい事はそれだけかよ・・・!」
バクゴン「ああ。それだけだよ。他に何かある?俺らは、
お前ら女の身体を痛めつけるのが大好きなんだよ!!
それ以外にねーんだよ!!」
緒方「ふ、ふざけんじゃねええぇぇぇぇぇ!!!」
緒方はバクゴンに殴りかかる。だが、
バクゴンは両目からビームを発射。
緒方「うああああああぁぁぁぁぁ!!!?」
緒方はそのビームを浴びて倒れる。
野口「緒方さん!!!」
詠美「こ、怖いよおおおぉぉぉぉ・・・・!!!」
詠美は野口に抱き着いて泣き崩れる。
バクゴン「殺しちゃいねーよ。てめーら全員、
明日の正午に、地獄の拷問でぶっ殺してやるよォ・・・・!!
ぎひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!!」
野口(助けて・・・・!!灰間君・・・!日下部さん・・・!)
次の日。秋田学園。
灰間たちのクラスでは、野口の姿がなかった。
柏「昨日、野口が事件に巻き込まれて行方不明となったため、
欠席となっている。
誰か、野口がどうなったか知っている人はいるか?」
徳丸「ねェ!灰間君。野口さんに何か起こったの・・・!?」
森下「もしかして、
例の女性連続蒸発事件の犠牲者になったんじゃ!!?」
灰間「・・・・ああ。そうかも知れねェ。(日下部の奴も、
この学校に来ちゃいねェ。そうだ。あいつは、
野口を助けようと今でも必死に探しているんだ・・・!)」
灰間のペンダントが光っていて、
日下部が野口を探している事を、
灰間に教えていた。
つづく
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