スィール「はい・・・。日下部さんや他の女性を傷つけた宇宙人は、
私を嫁にするためなら手段は選びません。あの宇宙人は、
私を嫁にできないストレスで、様々な悪さをしました・・・。そう。
多くの人たちが星人たちに襲われたのは、
全て私のせいなんです・・・!」
上川「あの星人は君を狙うだけのために、あんな事を・・・。」
叶野「あの星人が君を嫁にしようとする理由は一体・・・?」
スィールは自身の身体を抱きながら言う。
スィール「星人は私のこの身体に魅了し、それを目当てに・・・。
それに私は不幸体質を持っています。ですが、星人はそれを知ってて、
奴隷的に利用しようとしています・・・・。私の不幸体質はいつでも、
起きちゃいます。その不幸体質で、私を狙う星人のせいで、
多くの人たちが・・・。あの人たちを巻き込んじゃった・・・・っ!
私のせいです・・・!私が地球に来なければ、今頃は・・・・!!
やっぱり、私ってば不幸です・・・・・。」
スィールは泣き崩れた。他人を巻き込んだ罪と言う不幸を感じて。
緒川「スィール。・・・あなたは悪くないわよ。
悪いのは全部、あの星人だもの・・・・。」
大神「ちょっと待たんかぃ!?ワレ・・・。
地球に来なければと言ったな?
もしかして、お前は・・・・!?」
スィール「・・・・今にわかります。」
スィールはそう言って、日下部に近づく。
そして、彼女の身体に右手で触れる。
その右手から白い光が出た。上川、叶野、大神はこれに驚く。
大神、叶野、上川「おお・・・・っ!?」
そして、白い光が消えた。その時、日下部が目を覚ます。
日下部「ん・・・っ。はっ!!こ、ここは・・・!?」
日下部は起き上がる。日下部が復活したのだ。
緒川「あんなに重症だったのに・・・・!?」
スィール「回復魔法です。一日3回しか使えませんけど・・・。」
大神「おどれ・・・。やはり、地球人じゃなかったんか・・・!」
スィール「はい。実は私。魔族の一人なんです。ですが、
私は地球が好きです。緒川さんや灰間さんのおかげです。ですが、
私が星人から逃げているせいで、多くの地球人が不幸になっています。
これ以上、地球人を不幸にしたくありません・・・。」
スィールはメディカルセンターから出ようと歩き始める。
緒川「す、スィール!?」 日下部「どこへ行くのよ!?」
スィール「終わりにします・・・・。」
スィールはついに出てしまった。灰間はそれを追う。
灰間「ちょっと待て!!」 灰間も出てしまった。
日下部「・・・・あの娘。本当に魔族なの?」
緒川「・・・・・うん。ちょっと変わった魔族なの。」
スィールと灰間は夜の町を歩いていた。
灰間「スィール・・・。まさか、行くんじゃねェだろうな?星人に会いに。」
スィール「ええ・・・。バム星人は私を探し求めて、今でも、
この星の人たちを襲っているハズ・・・。だから。
私。バム星人と戦います!これ以上、あの宇宙人を許せない・・・!」
灰間「そうか・・・。なら。俺も一緒に・・・!」
スィール「駄目です。星人があなたが私を守っていると思って、
あまり私を襲う事が難しいと感じて、現れる事はないでしょう。
それに、私は知ってます。
あなたが姫君の涙を受け継いでいる事を・・・。」
灰間「じゃあ、お前一人で行くと言うのか!?」
スィール「はい。私でないと、あの星人は倒せない・・・・。でも・・・。」
灰間「でも・・・・?」
スィール「怖い・・・。あの星人と戦うの怖いです・・・・!」
スィールは少しだけ怯え、泣きそうになる。そして、灰間に抱きつく。
スィール「本当は・・・・。あなたに守られたい。でも、駄目なの。
魔族がティアーズに守られるなんて、他の魔族に笑われちゃう・・・。
あの星人は強いから、私一人じゃ勝てるかどうかわからないけど・・・・!」
灰間「スィール・・・・。」 そして、スィールは灰間から離れる。
スィール「でも、やっぱり私一人だけで行きます。
あの星人と決着のために。
私ってば・・・・・不幸です・・・・・。」
スィールは微笑んで、泣きながらどこかへ走った。
灰間「スィール!!」
日下部「そう。あのスィールと言う魔族が・・・・。」
緒川「ええ。あの娘は、気弱で不幸だけど、
優しくて少し無邪気で性格が良いの。私。あの娘と友達になりたい。
灰間君・・・。彼なら、宇宙人からスィールを守ってくれるかも。」
夜の町を歩くスィール。そんな彼女の前にある親子がいた。
女の子「ふえええええぇぇぇぇぇん!!」
スィール「っ?あっ!!」
スィールは驚いた。
泣いている女の子と血まみれで倒れている母親がいた。
スィール「どうしたのですか!?」
女の子「ひっく。ひっく。お母さんが、変な化け物に・・・・。」
スィール「また、バム星人が・・・・!!」
母親を襲ったのは、バム星人のせいであった。それを知って、
怒りを感じたスィール。だが、すぐの落ち着いた表情になり、
母親の身体に右手で触れ、その手から白い光が出る。回復魔法だ。
そして、母親の傷が全て消え、母親は蘇って立ち上がる。
母親「うう・・・。い、生きている・・・?」
女の子「お母さああああぁぁぁぁん!!」 女の子は母親に抱き着く。
スィールは親子に再び平和が戻ったと感じ、
笑顔になる。そして、親子も笑顔に。
女の子「お姉ちゃん。ありがとう!」
母親「あなたが救ってくださったのですね・・・。」
スィールは女の子の頭を撫でて、優しくこう言う。
スィール「・・・幸せになってね。」
スィールは親子から離れて、走って行った。バム星人を倒すために。
女の子「お母さん!あのお姉ちゃんと友達になりたい!」
母親「あの人・・・。きっと、天使だわ。」
スィールは夜の草原に来た。そして、
彼女の身体から水色の光が溢れる。
そして、その光と共に巨大化し、魔獣となった。
魔獣になった後、その光が消えた。
巨大な魔人となったスィールだが、
その美しい容姿は全く変わっていない。
スィール「バム星人!!もう逃げません!!
あなたを倒しに来ました!!」
その時、スィールから少し離れた場所が爆発する。だが、
その爆発がすぐに消え、そこから巨大化したバム星人の姿が現れた。
バム星人「ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
スィール「ここで雌雄を決します・・・!!」
スィールはどこからともなくヤリを出し、バム星人に襲いかかる。
スィール「はあああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
スィールはヤリを突き出すが、バム星人は両手で受け止める。
バム星人「は?俺様を殺すのかよ?おみぇーのような雌が、
できると思ってんのかや!?なめるんじゃねェよ!!」
バム星人は怪力でヤリを持ち上げ、スィールを地面に叩きつける。
スィール「きゃ・・・・っ!?くっ!!」
スィールは立ち上がるが、バム星人が殴りかかる。
バム星人「・・・・・・!」 スィール「っ!!えぃ!!」
スィールは再びヤリを突き出し、バム星人を攻撃する。
バム星人「・・・・・・・・!?」
バム星人は攻撃を受け、さがる。だが、すぐに反撃しようとする。
バム星人「・・・・・・!!」 バム星人はスィールを蹴る。
スィール「あぅ!?でや!!やぁ!!!」 魔獣はヤリで星人を斬る。
さらに、再び突き出そうとする。だが、
バム星人はチョップでそのヤリを打ち、回避。
スィール「・・・・っ!?くあ!!」
バム星人はスィールを思い切り殴る。
さらに強烈なキックで蹴り飛ばす。
スィール「きゃあああぁぁぁぁっ!!?」
スィールは倒れるが、すぐに立ち上がる。
スィール「はっ!!」 スィールは左手から激しい放水を出す。
バム星人「・・・・・・!?・・・・・・!!」
バム星人はそれを浴びてひるむが、ダメージは一つもない。
星人がひるんでいる間、魔獣はヤリを縦にして、パワーを込める。
スィール「・・・・・っ!はあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
そして、スィールはヤリをバム星人に向ける。そのヤリの先端から、
少し大きな魔方陣が出る。その魔方陣から無数のビームが出る。
バム星人はその無数のビームを浴び、身体中が爆発する。
バム星人「・・・・・・!!・・・・・・・!!」
倒れるバム星人だが、素早く立ち、どこからともなく棍棒を出した。
バム星人「てめえええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
バム星人は自分に嫁にならず、自分を痛めつけたスィールに、
とうとう怒りを限界に達し、殺してしまおうとした。
バム星人「・・・・・・!・・・・・!・・・・・!」
スィール「ふん!せぃ!でや!!」
バム星人の棍棒とスィールのヤリが何度もぶつかり弾き合っていく。
二人の巨人が戦っている間に、空が徐々に明るくなろうとしていく。
間もなく、朝がやって来ようとしているのだ。
灰間は町を走った。スィールとバム星人が戦っている草原へと。
灰間「やっぱり、心配だ・・・!スィールの奴。あの星人の野郎!!
かなり凶悪なパワーを増してやがる!!こりゃ、やべーぞ!!!」
灰間のペンダントが、スィールに危機が訪れる事を教えたのだ。
スィールのヤリとバム星人の棍棒がぶつかり合う。その時。
スィール「えい!!!」 スィールはパンチでバム星人を打つ。
バム星人「・・・・・・・!?」
スィール「せい!!」 さらにスィールはチョップで追加攻撃。
バム星人はひるむ。そして、
魔獣はヤリを少しさげて、思い切り横に振るう。
すると、ヤリが振るった場所から冷たい風が出て、
やがてその風が氷となる。星人の足を包んだ風も氷となる。
これでバム星人の両足が凍ってしまった。
バム星人「ざけんな。ボケ。これで勝ったと思ってんのか?おい・・・!」
バム星人は棍棒を自身の両足に向ける。
その棍棒から電撃光線を発射し、
自身の足を封じた氷を粉々に破壊してしまう。
スィール「そ、そんな・・・・!?」
バム星人「死ねえええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
バム星人はキックとパンチの連携攻撃で、スィールを攻撃した。
スィール「うぐっ!?うああああぁぁぁぁ!!!」
バム星人「・・・・・・・・・・!!!」
バム星人は棍棒からの電撃光線でスィールをさらに攻撃する。
スィール「あああああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・!!!」
攻撃を受けた魔獣はヤリを地面に落としてしまう。
バム星人「・・・・!・・・・!!・・・・!!!」
バム星人はスィールを何度も殴り続ける。もはや袋叩きだ。
スィール「ぐっ!?うっ!?くぁ!!きゃ!!ぎゃ!?あっ!!」
さらにバム星人は棍棒でスィールをさらに何度も攻撃してしまう。
スィールは倒れそうになるが、何とか耐えている。
スィール「・・・・・・・っ!」 バム星人「・・・・・・・・!!!!」
星人はそんなスィールに怒りをさらに爆発。バム星人は、
スィールの胸元に棍棒を突く。その棍棒から電流を流し、
スィールの全身がかなり強烈な電撃を浴びてしまう。
スィール「ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
電流が流れる間、スィールの身体から骨が見えるようになってしまう。
そして、スィールは倒れてしまう。
スィール「ぐ・・・っ!うう・・・・!!」
バム星人「ひゃはははははははは!!!もう貴様は終わりだ!!
だが、まだまだもっと苦しんで死んでもらうぞォ・・・・・!!」
スィール「はぁ・・・。はぁ・・・。はぁ・・・。はぁ・・・。」
バム星人はスィールをさらに襲おうとした。その時であった。
ついに灰間がこの草原に来た。
灰間「スィール!!!ティアーズ!!!!!」
灰間はウルトラマンティアーズに変身した。
つづく
[0回]
PR