森下「あら?お母さんが呼んでるわ。」
森下は母親の声を聴き、部屋から出て一階に降りる。
森下「お母さん。呼んだ?」 玄関に来た森下は母親に近づく。
森下の母「友達が来ているわよ。」
森下「友達・・・?あっ!翔ちゃん!!」
森下は灰間の姿を見て、嬉しくなる。
灰間「悪いけど、お邪魔するぜ?」
森下「良いよ。良いよ。入って入って。」
こうして、灰間は森下と一緒に、2階の部屋に来た。
森下「どう?私の部屋。可愛いでしょ?」
灰間「うんうん。可愛い。可愛い。それより、
俺はお前の持っている雪の結晶に用があって来たんだよ。」
灰間は森下の机の上にある雪の結晶の方を見て、言う。
灰間はゆっくりと雪の結晶に触れる。すると、灰間のペンダントも光る。
灰間「・・・・・やっぱりな。」
森下「何がやっぱり?もしかして、雪の結晶が素晴らしいって事かしら?」
灰間「違うね。森下。・・・・悪いけど、これから。
お前にとって、悲しい事になるかも知れねーぜ?」
森下「え・・・・?」
灰間「・・・・この雪の結晶。ちょっと貸して良いか?BARで調べたいしよ。」
森下「BARで調べる・・・・?何で?」
灰間「・・・・これから言う俺の言葉を、よーく聞けよ?
この雪の結晶は・・・宇宙生物かも知れねーんだ。」
森下「う、宇宙生物・・・・!?」 森下は悲しそうな表情になる。
灰間「そうだ。毎日、大鳥町だけに雪が降ってるのは、
その雪の結晶のせいかも知れないんだ。だとしたら、
結晶は生きていて、そいつ自身が雪を降らせて・・・。」
森下「・・・・嘘でしょ?そんな冗談をいきなり言うなんて・・・。」
灰間「いや。本当だ。この雪の結晶は地球で作られちゃいねェ。
大体、雪の結晶なんて自然で作られるとかありえないさ。だから、
その雪の結晶は・・・宇宙で生まれたのかも・・・・。」
森下「確かに・・・それもありうるかも知れないね・・・。でも。
でも・・・!この雪の結晶は渡したくない!!」
森下は雪の結晶を胸に抱いて、叫ぶ。
灰間「も、森下・・・・!?」
森下「私。この雪の結晶が大好きだもん!!ずっと持ち続けたいもん!!
だって、この結晶は私にとって、雪を愛し続けた私に神様が、
与えてくれた記念品なんだからァ!!!・・・・私ね。
幼稚園の頃は友達がいなくて、いつも寂しかったの。その日に、
おじいちゃんもおばあちゃんも死んでしまったの。その時なの。
そんな悲しみにくれた私を慰めてくれたのは、雪だったの・・・。
優しく降る雪が私の心を慰めてくれた。だから、雪が好き!
そして、この雪の結晶も愛しているわ!」
灰間「どうしても、渡せねーのか・・・。」
森下「うん。もし、奪ったら、絶交しちゃうから・・・。」
灰間「・・・・わかった。もう何もしねェ。けど、
これから、お前の身に危険な何かが迫ってる気がするぜ。
せいぜい、気をつけな。あばよ・・・。」
灰間は静かに部屋から出ると、森下は両膝を床について泣き崩れる。
森下「ふええええええぇぇぇぇ・・・・・。」
その時。そんな森下の姿を、外にある別の民家の屋上から、
二人のラギコル星人が見ていた。ピンク髪はA、水色髪はBと呼ぼう。
ラギコル星人A「間違イナイ。ヤハリ、
アノ女ガ雪ノ結晶ヲ持ッテイタ・・・!!
今カラデモ、奴ヲ襲イ、雪ノ結晶ヲ取リ返シテヤル・・・・!」
ラギコル星人B「待テ。マダ、生マレル時期デハナイ・・・。明日ニナレバ、
冷凍エネルギーガ溜マリ、凶暴ナ魔獣ヘト成長スルダロウ。」
ラギコル星人A「ソウダ。明日ニナッタラ、スグニアノ女カラ、
雪ノ結晶ヲ奪イ、ソノ結晶ニ我ラノエネルギーヲプラスサセル!」
ラギコル星人B「ソノ時ガ、
最強ノ冷凍魔獣ガ誕生スルダロウ。ソウスリャ、
地球ハ極寒地獄トナリ、我々ノ別荘地ニナルダロウ・・・!!」
ラギコル星人「イッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒ!!!!!」
ラギコル星人の二人は不気味に笑っていた。
次の日。今日も学園は終わり、一緒に歩く灰間と日下部。
日下部「そう。結局、渡せなかったわね?」
灰間「何かよ。やっぱ悪いって感じがしてよ・・・。今日、
森下に話しかけて見たが、機嫌悪そうに無視しやがったぜ。」
日下部「あーあ。なっさけないわね。男のクセに。
私だったら無理やりにでも奪い取ったわ。」
灰間「そうすりゃ、女同士の争いになっちまうし。」
日下部「そんな争い、勝ってやるわよ。それより、
今日の雪は前よりさらに振ってるわ。吹雪が来そうね。
雪の結晶が起こそうとしているんだわ。」
灰間「・・・かもな。森下に身の危険がなけりゃ良いけど。」
同じ頃、森下は一人で雪の結晶を持ちながら歩いていた。
森下「灰間君なんか知らない。BARなんか知らない。
誰も渡さないんだから。この雪の結晶は・・・!」
森下が機嫌悪そうに歩いている時。ついに、
二人のラギコル星人がジャンプしてやって来た。
ラギコル星人「ウッウッウッウッウッウッウッウッウッウッウ!!!!!」
森下「ひっ!?う、宇宙人・・・・!?」
二人の星人は森下の前に着地。森下は急に怯えだす。
ラギコル星人A「女・・・!ソノ雪ノ結晶ヲ返シテモラウゾ・・・!!」
森下「い、いや!!これは、神様が私にくれた物なの!!」
ラギコル星人B「ソノ雪ノ結晶ヲ作ッタノハ神デハナイ。
元々ハ我々ラギコル星人ノ物ダッタノダ・・・・!!」
森下「な、何ですって・・・・!?」
ラギコル星人A「教エテヤロウ。ソノ雪ノ結晶ハ、魔獣ノ卵ナノダ!!
我々ハソノ卵ト共ニコノ地球ニ来ルツモリダッタガ、
何カノ事故デ、雪ノ結晶ハ、コノ日本ニ落下シテシマッタ。」
ラギコル星人B「コノ町ダケニ雪ガ振リ続ケテイルノハ、
雪ノ結晶ガエネルギーヲ発シテ、雪ヲ降ラセテイルカラダ。
コノ町ヲ凍ラセルタメニナァ・・・・!!」
つづく
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