そして、雪の結晶が突然、少しだけ光り始めた。
森下「あっ。光ったわ・・・。そうか!この結晶は、
嬉しくなると、光るんだね!」
森下はそう言って、さらに嬉しくなる。雪の結晶はさらに光る。
雪が降り注ぐ町を歩く森下の前に、バルターボが走ってくる。
日下部と灰間が乗っている。日下部が運転をしている。
バルターボは森下の前に停まり、窓から灰間の顔が出る。
森下「あっ!翔ちゃん!!」
灰間「おう。お前か。今日の夜は、雪が凄く降るらしい。
今のうちに帰った方が良いぞ。」
森下「うん。それより、見て見て!この雪の結晶、光ってるの!」
森下は光っている雪の結晶を灰間に見せる。
灰間「っ!?ど、どうやって光ったんだぃ・・・!?」
森下「雪が降り続けているから、嬉しくなったのかと思うよ。」
日下部「嬉しくなったとか、まるで生きてるみたいじゃない・・・。」
灰間「生きてる・・・?まさか!!」
その時、灰間のペンダントが光り始めた。
灰間(・・・・マジか。こいつは・・・!)
森下「ん?どうしたの?灰間君。」
灰間「・・・・森下。その結晶、どっかに隠した方が良いぜ。」
灰間がそう言うと、顔をバルターボの中に引きこめる。
そして、前へと走り、バルターボは森下から離れた。
森下「・・・・・灰間君?」
町を走るバルターボの中で、日下部が灰間に話しかける。
日下部「灰間。わかったわね?」
灰間「ああ。この事件は・・・あれのせいかも知れねェ・・・!」
バルターボが走った跡の隣にある民家の屋上では、
二人の怪人がいた。
ピンク髪の者「必ズ、コノ町ニアル・・・。」
水色髪の者「結晶ハ絶対ニ見ツケ出ス・・・!」
ピンク髪の者&水色髪の者「雪ノ結晶ハ、
我々ラギコル星人ノ物ダ・・・!」
この二人の正体は宇宙人であった。宇宙人の狙いは、
森下の持つ雪の結晶らしい。だとしたら、森下が危ない。
BAR基地の司令室では、灰間と日下部が戻ってきた。
大神「何?雪の結晶じゃと・・・?」
灰間「はい。俺の友人が持っていました。そいつの持っている、
雪の結晶は光っていました。友人からは、
嬉しくなるとああなるそうです。」
上川「まるで、生きてるみたいだね。」
灰間「いや。生きてるさ。あの雪の結晶は生きていると思う。」
叶野「何故、そう思える?」
日下部「私と灰間隊員の予測だと思うけど・・・。
あれは、地球外生命体かと思います。」
大神「だとしたら、大変な事が起きそうじゃけ・・・。
灰間。その友人とやらと会話して、
雪の結晶を渡せるように頼んでくれんか?」
灰間「・・・・ですが、あの結晶は彼女にとって、凄ェ大切な物かと・・・。」
大神「単に調べたいだけじゃ。異常がなければ、返しちゃるけ。」
灰間「・・・・わかりました。何とか、話してみます!
けど、森下の奴。悲しい目に会うかも知れねーな。どっちみち。」
夜。大鳥町では雪が前にも増して振り続けている。
灰間宅の和室では、美由紀がテレビのニュースを見ていた。
男性アナウンサー『最近、大鳥町とその近くの地区のみ、
毎日、雪が降り続けております。日が続く程、
雪が増していき、やがて大吹雪が降る事でしょう。ですが、
他の地域では雪がほとんど降っておりません。大鳥町に、
異常な気象が起きているでしょうか。それとも。ただの現象でしょうか?』
美由紀「怖いわァ。明日はきっと積もるに違いないわ。それにしても、
翔ったら、いつになったら帰ってくるのかしら。
夕食はもうできたと言うのに・・・。」
森下の家に一人だけ前に立っている者がいた。それは、灰間だ。
灰間は部屋のチャイムを押す。すると、玄関から森下の母親が来た。
森下の母「あら。どなたかしら?」
灰間「森下の友達です。彼女に用があって、来たんですが・・・。」
森下の母「ああ。静香の友達ねっ!ちょっと呼んで来るわ!」
森下の母は嬉しそうに、森下を呼ぼうと歩く。
2階の自分の部屋で、森下は机の上に置いてある雪の結晶を見ていた。
結晶は今でも光っている。
森下「うふふ。雪の光って、凄い癒されちゃう・・・。
このままこうしていたいな・・・。」
その時、母親の声が響く。
森下の母親の声「静香!!静香ァ!!」
つづく
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