杉浦「ふむ・・・・。その子は何でも、
いじめられっ子らしくて、友達もいなくてな。おまけに、
良い事もできずに迷惑ばかりかけてて、それで、
妹とその夫が怒って、その子を追い出していたんだ。
知り合いからの情報によれば、近くの学校の、
いじめっ子共が小さな子を暗いところへ閉じ込めたらしく、
きっとその小さな子が妹の子供かも知れん・・・・。」
上川「それで、その子はどうなったのですか・・・?」
杉浦「・・・・助けようとしてやったが、
死んでしまったそうじゃ。その時。見知らぬ男たちが、
その死体を持ち去ったそうなんじゃ・・・。」
上川「見知らぬ男たち・・・・っ!?」
杉浦「奴らの目的はわからんが、多分。
あの子の死を安らぐためかも知れん。もしかしたら、
宗教に関する連中だと思うな・・・・。」
上川(・・・・違う。違うと思う。もしかしたら、
その子の死体を運んだのは、魔族かも知れない。
だとすれば、あの魔獣の正体は・・・・っ!)
そして、BAR基地の司令室で大神を初め、
灰間、日下部、叶野が揃った。
大神「いよいよ、魔獣の迫る夜が近づいて来た。
空が暗くなると、どこかで奴が活動を始めるじゃろう。」
日下部「その前に魔獣の住み処などを探さないと!」
叶野「ですが、隊長。」
大神「何なら?」
叶野「上川がまだ来てませんが・・・・?」
大神「・・・・はぁ。何やっとんじゃ。あのガキ。
じゃが、今回の任務は時間が肝心じゃ。
遅刻した奴なんぞに、
構うヒマはないんど。さっそく、パトロールに向かい、
魔獣の出現に備えるんじゃ!!それと、魔獣の住み処を探し、
そこを一気に制圧するんど!!!」
隊員たち「了解!!!!!」
灰間はバルターボで、町を走っていた。この町には、
温泉から帰ろうと歩いている上川と杉浦がいたのだ。
灰間はその二人を見る。二人もバルターボに気づく。
上川「あっ。バルターボ・・・。ああっ!!」
上川はバルターボを見て、驚く。
まるで、何かに気づいたように。
杉浦「どうしたんだ?上川・・・・。」
そして、バルターボは二人の前に停まり、
窓から灰間の顔が出てくる。
灰間「何やってんですか!上川さん!!
もう任務は、始まってんスよ!?」
上川「い、いやぁ・・・。ごめんごめん;あの魔獣の事を、
考えてすっかり忘れちまった・・・・。あはははは・・・;」
上川は苦笑して、灰間は冷たそうにこう言う。
灰間「・・・あんた。もしかして、天然か?」
杉浦「おおっ!そう言えば、上川!
お前、BARの隊員だってな?」
上川「え、ええ・・・。何ゆきで・・・。」
杉浦「そうかそうか!BARの任務は魔獣を倒す事だからな。
頑張って行けよ?お前は地球を守る戦士の一人だからな!」
上川「は、はい・・・。そうだ!灰間君!!ちょっと聞いて!!」
灰間「何ですか・・・・?」
上川「あの魔獣の正体がわかったのかも知れないんだ!!」
灰間「えっ!?そりゃ本当ですか!!?」
一方、日下部はどこかの街中を歩いていた。
日下部「叶野さんはバルワンダー1号で、
空から探索している。私も頑張らなきゃ。・・・・あっ!!」
その時、彼女の前に一人の男が慌てて走って来た。
男「た、助けてくれえええぇぇぇぇ!!!」
日下部「ど、どうしたんですか!?」
男「は、廃坑ビルの中で魔獣が現れたんだよォ!!!」
日下部「何ですって!!?」 日下部はそう聞いて、驚く。
廃坑ビルに魔獣がいると聞き、そのビルの中に入った日下部。
このビルの中の部屋はとても暗かった。
日下部「まるで、闇の世界ね・・・。」
日下部はビルの中を歩く。
その時、魔獣の鳴き声が聞こえる。
魔獣の声「エエエエエエェェェェェェェ!!!!」
日下部「っ!!?ああ!!」 日下部は後ろの方を向く。
そこに、10メートルくらいのチドゲラーがいた。
日下部「魔獣!!!」 日下部はすぐにチドゲラーを撃つ。
チドゲラー「エエエエエェェェェェェェェ!!!!!!」
チドゲラーは攻撃を受けて、怒った口から光線を出す。
日下部「わっ!!」
光線は日下部の近くにある、
ビルの壁に命中して、爆発する。
壁が壊れ、外が見える。そこから夕日の光が出る。
チドゲラー「エエエエエエエエェェェェェェェェ!!!!!!!」
チドゲラーはその光を浴びて、
急に苦しみながら消えていった。
日下部「き、消えた・・・。わかったわ!魔獣の特性が!!」
バルターボに乗った上川は運転する灰間にこう語る。
上川「あの暗闇の夜に現れた魔獣の正体は、
どうやら子供の怨念から、
造られた存在かも知れないんだ。」
灰間「怨念から・・・・?」
上川「その子は不幸な人生を送っていて、
親に追い出されて、いじめっ子たちに暗いところに、
閉じ込められたんだ。そのまま放置され続けて、
死んだらしい。その死体を謎の集団が持ち去った。」
灰間「・・・・もしかして、集団は魔族ですか!?」
上川「かも知れない・・・!魔族は暗闇の中で死んだ、
子供の死体か魂を魔力で造り替えて魔獣にしたんだと思う!!
それが、本当なら魔獣は暗闇だけで活動して、
光に弱くなる性質を持ち、
物凄い憎しみを持っているに違いない!!!
・・・・あくまで、僕の架空的な予想だと思うけど・・・・。」
灰間「・・・いや。俺は思いますよ。上川さんの言ってる事が、
本当の事だとね。俺も、あの魔獣から何かを感じたから・・・。」
上川「灰間君・・・・。」 その時、灰間のシーバーが鳴り出す。
灰間「ん!?こちら、灰間!!!」
そのシーバーの声から日下部の声が響く。
日下部の声『あの魔獣の特性がわかったわ!!
奴は暗いところならどこにだって現れる!
今は夕日だけど、
さっき、暗いビルの部屋で魔獣が現れたの!!魔獣は、
光のないところならどこにでも存在するらしいわ!!!』
灰間「つまり、敵は光が弱点と言うワケだな・・・・っ!」
日下部の声『ええ・・・・・っ!』
灰間「わかった!!とにかく、暗いところへ行ってみる!!」
灰間がシーバーを切ると、
またすぐにシーバーが鳴り出した。
叶野の声『こちら、叶野!!』 今度は叶野からだ。
灰間「こちら、灰間!どうしたのですか!?」
叶野の声『海上保安官の潜水士からの情報で、
海の中で魔獣が現れたそうだ!!!』
灰間「何だって!!?」
上川「夕日での海の中って、暗かったのか!?」
つづく
[0回]
PR