BARは後に到着した防衛軍の救助隊と共に、
被害者の救出を行っていた。日下部と上川は灰間を探している。
上川「灰間君は見つかったかぃ!?」
日下部「いえ。まだです・・・・。あっ!!」
その時、上川と日下部はフラフラしながら歩いている、
灰間の姿を見る。灰間は二人のところへゆっくりと来る。
灰間「うぅ・・・・・・っ。」
日下部「灰間!?な、何をやっていたのよ!?」
日下部はそう言いながら、倒れそうな灰間の体を支える。
灰間「あ、あの魔獣・・・!闇の中に隠れやがった・・・。」
上川&日下部「・・・・・・・っ?」
隊員はBAR基地の司令室に戻った。
叶野「魔獣はティアーズを圧倒する程に強いですが、
何故か、夜が明けると急に逃げて行きました。」
大神「つまり、敵は夜行性らしいの。」
日下部「いえ、夜行性と言うより、暗いところでしか、
活動しないのかと思います。夜は暗いですし・・・。」
上川「それに、私は思うんです。あの魔獣から、
何かを感じさせていると・・・・。」
大神「何かを・・・?」
上川「よくわかりませんが、憎しみに近い感じかと・・・。」
灰間「あの魔獣からそんな感じをしたんですか?」
上川「多分・・・・。」
大神「魔獣の詳細については、ゆっくりと調査するけ。
敵は夜くらいに現れるらしいけ、夕方から調査してみよう。」
隊員たち「了解!!!」
灰間は隊員服から、
私服に着替えて自宅へ帰ろうと町を歩く。
そこに、野口、森下、徳丸に会う。
野口「あら。灰間君。」
灰間「ん?お前たちか・・・。もう学校は終わったのか?」
野口「うん。今日は午前中だったの。
灰間君が欠席だったのは、
BARの任務で忙しかったからだよね・・・?」
灰間「ああ・・・・。」
徳丸「それで、今度はどんな魔獣が出たんだぃ?」
灰間「全身を骨に纏ったような奴で、
夜にしか活動しないそうだ。
ウルトラマンティアーズをも圧倒する力を持ったんだよ。」
森下「ええぇぇぇぇっ!?
じゃあ、ティアーズが負けたの!?」
灰間「そうかもな。詳しくはテレビのニュースで確かめろ。」
灰間はそう言うと、3人から離れて行った。
上川も別の町にある自分の家に帰ったそうだ。
その家はとある古そうなマンションの一室であった。
そこで、上川は一人暮らしをしているらしい。
上川「ふぅ・・・。テレビでも見るか。」
上川は横たわりながら、リモコンを使ってテレビをつける。
そのテレビの映像でティアーズとチドゲラーが戦っていて、
男性アナウンサーの声が聞こえて来る。
男性アナウンサーの声『突如、
静かな夜に現れた不気味な魔獣。
その魔獣はとても強く、我らがウルトラマンティアーズを、
圧倒していきます!ですが、
夜明けになると魔獣は去って行きました。これから、
夜は魔獣が起こす地獄の時となってしまうでしょうか?
人々の眠れる時が訪れてしまうでしょうか?』
上川「・・・けど、必ず勝機はあるハズ。僕にはわかる。
何故、魔獣が夜でしか活動しないのか。
その秘密を知れば、
何かの攻略法が掴めるハズだ・・・!」
上川は険しそうに言うが、後に寂しそうな表情でこう呟く。
上川「暗いところか・・・。そう言えば、子供の頃。
悪戯して親にどこか暗いところに閉じ込められて、
寂しかったよなァ。もしかして、あの魔獣も!?
いや、ありえないな。けど、何か理由があるハズだ。
魔獣が夜だけで活動する、その理由が・・・。
さて、温泉にでも行くか。それでゆっくり考えよう。」
夕日の町を歩く上川は、とある寂しそうな中年の男に会う。
中年の男「はぁ・・・・・。」
上川「あ。隣の杉浦さん!どうしたんですか?」
男の名は杉浦。上川と同じマンションに住んでいるそうだ。
杉浦「温泉に行く途中で急に電話があってな・・・。」
上川「電話?また妹さんですか?」
杉浦「ああ。わしの妹が結婚して、
子供を育てていると言うのは、
君もわかっているだろ?」
上川「ええ。聞こえていますから。その子供は、
もう小学2年生を迎えていますよね?それが何か?」
杉浦「うむ。その我が妹が自分の子供を、
捨ててしまったそうなんだ。一ヶ月程に・・・・。」
上川はそれを聞いて、驚く。
上川「す、捨てた・・・・っ!?どうしてです!?」
つづく
[0回]
PR