聡子「光次郎君・・・・・。」 光次郎は聡子の声を聞いて、立ち止まる。
光次郎「っ!?さ・・・・聡子さん・・・・・!?」
光次郎は目の前に聡子のがいる事に驚き、彼女の前に立つ。
光次郎「な・・・何故、こんなところに・・・・?」
聡子「・・・・・やはり、SSPに入っていたのね・・・・・。」
光次郎「えっ!!!??」 光次郎は聡子にそう言われて、さらに驚く。
聡子「ごめんね・・・・・。私、あなたに尾行していたの・・・・。
そうしたら、まさか・・・・・。あなたや・・・・。
桜ちゃんに奈々ちゃんまでSSPに入ったなんて、凄くビックリしちゃった・・・・。」
そう。聡子はついに光次郎がSSPである事を知ってしまったのだ。
そして、聡子は悲しげな表情をしていた。
光次郎はそれを見て、こう思っていた。聡子はこの真実をどうするのかと。
光次郎(ど・・・・・どうしよう・・・・・。な・・・なんて言えば、
いいのかな?こうなれば・・・・っ!!)
光次郎は困った表情をしながら考えた後、聡子にこう言った。
光次郎「あ・・・・あのっ!!もし、できたら・・・・!
できなくてもいいんですけど・・・・。この事は、
内緒にしてくれませんか!!?したくなかったら、しなくても・・・・・。」
聡子「・・・・・・しょうがないわね。してあげるわ。」
光次郎「えっ!??本当ですか!!!?」
光次郎はそれを聞いて、喜びそうになる。
聡子「ええ。ただし、条件があるわ。」
光次郎「条件・・・・?」
聡子「毎日、必ず生きて。あなたがデスナイトとの抗争で、
怪我でもしたり・・・。それより、殉職しちゃうなんて・・・。
私、そんなの嫌だから・・・・・。」
光次郎「・・・・ふふっ。僕は最初から死ぬつもりなんて、
ありませんよ。怪我はともかく殉職したら、もう二度と聡子さんとは会えないから・・・。」
聡子「そうね・・・・。もし、約束が終わる日があるとしたら・・・・・。」
私が終る日・・・・・・かな?」 聡子がそう言うと、光次郎はいきなり驚いたような表情をする。
光次郎「聡子さんが・・・・・終る日・・・・!??」
聡子「・・・・・くすっ。私が学園を卒業する日よ!だって、ほら。
あなたは1年で私は2年でしょ?私ね、あなたより早く卒業するんだよ?
まあ、仕方がないよね。先輩は先に後輩と別れる日があるんだから・・・・・。」
光次郎「・・・・そうですか・・・・。」
それを聞いた光次郎は切なそうな表情する。そして、聡子も・・・・。
聡子「私が卒業しても・・・・・死なないでね・・・・っ!」
聡子はそう言いながら、光次郎に後ろを見せて、走り去っていった。
光次郎「・・・・・聡子さん・・・・・。泣いてた・・・・?」
そう。聡子は泣いていたのだ。それは、光次郎がSSP隊員である事を、
知ったためではない。何か別の事情があるそうらしい。
そのため涙を流しているが、一体何故だろうか・・・・?
聡子は走りながら、泣いていた。
そして、夜の高町邸。既に帰宅した光次郎は、
既に学生服に着て、あかりと一緒にキッチンで、夜食をしていた。
光次郎「・・・・・・・。」 光次郎は落ち込んだかのように、
カレーを少しずつゆっくり食べていた。それを見たあかりは心配する。
あかり「どうなされましたか?光次郎さん。何か落ち込んでいるそうですが・・・?」
光次郎「うん・・・・・。なんでもないさ。ただ・・・・。
終る日ってなんなのかと思ってね・・・・・・・。」
あかり「終る日・・・・・。それって、別れの日でもあるのですか?」
光次郎「ああ・・・・。それは、ソニックキャリバー事件で、
僕が体験したあの悲劇・・・・・っ!」
光次郎は悲しみや怒りを表すようにスプーンを握り締める。
そう。光次郎が体験した【終る日】。それは、あの忌まわしい、
ソニックキャリバー事件の事であった。その事件で、
光次郎は目の前で、友人の真奈美を殺されてしまった。
そう。その日こそが、光次郎の友人・真奈美が【終る日】であった。
光次郎にとっては、今でも思い出すと憎しみと怒りが込み上げて来る、
許されざる思い出なのです。光次郎は今思っている。
もし、聡子も同じ運命を辿ってしまったら・・・・。
光次郎「そんな事・・・・・させない。もう二度と・・・・・っ!」
あかり「あ・・・・あの・・・・・。光次郎さん。」
光次郎「ん?どうした。あかりさん。」
あかり「その・・・・。ごめんなさい。気に障った事をしてしまいまして・・・・・;」
あかりはおそらく、光次郎を怒らす事をしてしまったのではないかと思って、謝った。
光次郎「いや。いいよ。あかりさんは悪くない。悪いのは、デスナイトだから・・・・。」
あかり「・・・・・終る日・・・・。その日のせいで、真奈美さんは死んでしまった・・・・。
でも、大丈夫です。終る日はもう光次郎さんの前では、存在させません。
たとえ、それが実現できてしまったとしても、きっと新しい出会い・・・・。
そう。新しい始まりが、きっとあるのかと思いますよ。」
光次郎「始まりか・・・・。でも、今は・・・・・。」
あかり「今は・・・・なんです・・・・?」
光次郎「・・・・・いや。なんでもないよ。」
あかり「そうですか・・・・。何かあったら、気にせず、
いつでも私に相談してくださいね。一人で抱えているのは体に悪いですよ・・・・。」
光次郎「うん・・・・。ありがとう・・・・・。」
そして、光次郎はパジャマに着て、二階の自分の部屋のベッドで横渡る。
もう寝る時間なのである。しかし、光次郎は布団の中に入って、何か呟いていた。
光次郎「聡子さん・・・・・。一体、何があったんだろ・・・・?
確か、終るって言ったよな・・・・?一体どういう事なんだ??
聡子さん。あなたは僕に何を言いたいんだ・・・・!??」
一方、聡子も自分の家にいた。聡子はとある居間で、父と会話をしていた。
聡子「・・・・やはり、私が卒業したら行くのですね?父さん・・・・。」
聡子の父「そうだ。我々には使命があるのだ。君には友達がいようと思うが、
別れは必ず訪れるのだ。いつまでも依存してはいかん。
可哀想だが、これは運命なのだよ。許してくれ、我が娘よ。」
聡子「はい・・・・。十分、承知しています。(・・・光次郎・・・・・。)」
聡子は父の話を聞き、悲しそうな表情をした。
本当は卒業しても、まだ日本にいて、光次郎と一緒にいたいそうだ。
どうやら、聡子は家族の都合に苦悩しているらしい・・・・・。
そして、デスナイト対日本支部のアジトでは・・・・。
桐原「よくやったな。ウィング・フェニックスのマスター、
元中国支部のエース、李亜紋(リ・アモン)よ。」
ウィングのマスターは中国にいそうな拳法家の衣装を着ている
男であった。顎からヒゲが少し長く生え、目つきも悪かった。
この男こそが、李亜紋であった。
つづく
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