プルレス「その場所は!?」
カズサ「白熊の村から少し遠くある、
少し小さな会場。そこで、ソリレース大会を行うそうよ。
地図を渡すから、それを参考にして大会に行って頂戴。」
カズサはどこからともなく、地図らしき物をボトルズに渡す。
カズサ「・・・・なお、ソリレースは、
この山のほとんどの地域を走って競争するから、
大変らしいけど、この聖なる山の地域をほとんど、
把握できるかも知れないし、ちょうど良いかも。」
ミル「へぇ・・・。それは、大変なレースね。
迷ったら、御終いって感じですわ・・・。」
バンジョー(セイウチ)「そうですか。では、行ってきます。」
カズサ「ええ。気をつけて。」
ボトルズ「ボギーさんに、
白熊の子供たちの事を教えなきゃ・・・!」
クリグミ「カズサお姉ちゃん。僕もソリレース大会に行きたい。」
カズサ「ええ。しっかりと、熊さんたちを応援しましょ。」
こうして、バンジョーたちは村を出て、
ソリレース大会の開かれる場所へと向かった。
そして、インフェロンのアジトでは。
インフェロン「お前ら・・・。
今日は何年何月何日か知っているか?」
フォーサ「はっ。それは、3000年12月24日にございます。」
インフェロン「そうだ・・・。今日はサンタクロースが来る日・・・。」
フォーサ「サンタクロースが子供たちに、
プレゼントを運ぶ日ですな?」
その時、インフェロンがお菓子の箱をフォーサに投げつける。
フォーサ「うっ!?」
インフェロン「あぁ?あのクソジジイが俺らにプレゼントを、
運ぶワケねェだろ。むしろよ。俺らがサンタになるんだよ。
罪なき子供たちに、
絶望をプレゼントする悪魔のサンタによォ・・・!
けけけけけけけけけけけ・・・・!!そして、
俺にもプレゼントしろや。美しい女の奴隷たちを。なァ?」
インフェロンはオギソに向かって、言う。
オギソ「・・・・・・っ。」
オギソは何故か少しだけ苦しそうな表情をしていた。
インフェロン「この日で、この聖なる山を完全に攻略しろ・・・!
できなかったら・・・てめーら皆、死刑だぜ・・・・!!!」
フォーサとオギソ「はっ!!」
廊下を歩くフォーサとオギソ。
しかし、オギソが急に倒れそうになる。
オギソ「あぅ・・・・!」
そのオギソをフォーサが支える。
フォーサ「大丈夫か!?オギソ・・・!いや、無理もないか。
昨日、複数の拷問を受けたからな。お前は。」
オギソ「けど、休むワケにはいかないわ・・・!
私は戦い続ける。
グランティの栄光のために。・・・ところで、
あなたの手下であるソリックは?」
フォーサ「ああ。奴なら、既に別の作戦をやらせている。
成功できれば、
我らグランティの計画はさらに進めるからな・・・。」
バンジョーたちは、地図を頼りに移動し、
ソリレース大会の開かれる場所に来た。
その場所は、少しだけレース大会らしい作りになっていて、
複数の人間やセイウチたちが観客として、
客席らしき氷のオブジェにいた。
そして、中央では、複数のソリがあり、
その一つのソリを、あのボギーが乗っていた。ボギーこそ、
このレース大会の主催者であるのだ。
ボギー「ヘーイ!!そこの皆!!レースをやらないか!?
その気になったら、そこのソリの上に乗ってくれ!!!」
ボギーに言われて、複数の参加者がそれぞれソリに乗る。
もちろん、バンジョーも一つのソリに乗る。
さらに、マンボ、テル、ミル、フラエ、ガンズも乗っていた。
他の者たちは客席にいて、応援するつもりだ。
ボトルズ「バンジョー!!カズーイ!!
頑張ってくださああぁぁぁい!!」
バンジョー(セイウチ)「うん!!しっかりとやってみせるよ!!」
ボギー「おっ。そこのセイウチ君。
何だか凄そうな感じがするね?」
ボギーはバンジョーに向かって、そう言う。
バンジョー(セイウチ)「・・・・あなたが、ボギーさんですね?
あなたに言いたい事があって、会って来ました。」
ボギー「この私に会いたいとは・・・。
一体、どんな理由だぃ?」
バンジョー(セイウチ)「・・・・あなたの子供たちが、
あなたをずっと待っています。プレゼントと共に・・・。」
ボギー「・・・・っ!そうか・・・。そんな事があったね。
けど、この大会は正々堂々とした勝負で終わらせたい。
子供たちに会うのは、その後だ。」
バンジョー(セイウチ)「本当ですね・・・!?」
ボギー「・・・約束する。」
プルレス「・・・・ところで、
何でマンボさんたちも参加しているんだろ?」
カズサ「さぁ・・・?何故でしょう・・・?」
マンボ(マンボ。前から、ソリレース、やってみたかった。
いよいよ、実現の時・・・!)
テル(この熊野郎・・・。セイウチなどに化けやがって・・・。
本当にグランティの手下か確かめてやる・・・!)
ミル(この者たちが、どんな別の脅威か、知りたいわ・・・。)
フラエ(クククク・・・!このレースに乗じて、
あのデスブラザーを抹殺してやるぜ・・・!!)
ガンズ(できるだけ人気のないところで、
暗殺するんだ・・・。)
マンボ以外は、
バンジョーとカズーイを警戒するために参加したそうだ。
フラエ「ククク・・・!ん?ああっ!!てめーわ!!」
その時、フラエは何者かを見て、驚く。その者は、
ソリそのものの生命体。
この者はグランティのソリックであった。
ソリック「ククク・・・!久しぶりじゃあねェか。てめーら。」
カズーイ(リュック)「バンジョー!!あのソリは・・・!!」
バンジョー(セイウチ)「グランティの怪物だったね・・・!
一体、何でこのソリレース大会に・・・!?」
マンボ「貴様。何故、このレース、参加する?」
ソリック「そう睨むんじゃねーよ。俺はよ、
グランティとか関係なく、この大会を楽しみに来たのよ。
一つのソリとしてね。俺は確かにグランティの戦士だが、
このソリレースは、
そのグランティの使命よりも一番楽しみてェんだ。
俺はこのソリレースで一位になるのが夢なのよ・・・。
だからよ、今回は皆で楽しもうや。皆でなァ・・・。
いひひひひひひひひひひ・・・・!!」
マンボ(このソリ。何か怪しい予感、する。)
その時、ボギーはマイクを持ち出して、こう叫ぶ。
ボギー「皆さん!!
今回もこの大会に来てくれてありがとうございます!!
私はこの大会の主催者、ボギーにございます!!
今回のソリレースも一緒にワイワイと楽しみ、
誰が一位か決めちゃいましょう!!」
その時、観客であるセイウチがこう言う。
セイウチ「何を言ってるんだ!!
どうせ、あんたが一位に決まってるだろ!!」
人間の男性「そろそろ、他の奴を一位にせんかぃ!!」
ボギー「うんうん!良い声してますね。でも、
私は今回も負けませんよ!!よーし!ルールは簡単だ!!
赤い旗のルートを順に潜ってゴールを目指すだけ!!
では、用意は良いかぃ!?」
そして、バンジョーたち参加者の皆さんが威勢良く叫ぶ。
参加者たち「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉう!!!!!!」
ボギー「よおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい・・・・!
ドン!!!!!!!!!!!」
そして、ついに。全てのソリが動きだし、レースが始まった。
その先頭をボギーが走っていた。
ボギー「わへえええぇぇぇぇぇぇい!!!」
カズーイ(リュック)「何て速いのかしら!?
あの白熊のソリは!!」
バンジョー(セイウチ)「追い抜かなきゃ・・・!!」
多くのソリが走り、
その先には赤い旗が二つ横に並んでいた。
その二つを潜れば良いそうだ。ほとんどのソリが潜ったが、
一つのソリが二つの旗を潜れず、抜いてしまう。
人間の少年「し、しまった・・・!失格だ・・・!!」
その時、少年の乗ったソリが急に壊れた。
このソリはレース用に作られて、
赤い旗を潜れなかった場合は、
自動的に壊れてしまうシステムを搭載しているのだ。
多くのレーサーが次々と赤い旗のルートを潜り続ける。
だが、その中で少数の者たちが潜れずに失格になる。
ボギーは徐々にバンジョーたちから離れつつあった。
ボギー「遅いぜ!!モタモタすんなよ!!」
カズーイ(リュック)「く・・・っ!!言いたい事を言って・・・・!」
マンボ「勝つ・・・・!!」
バンジョーのソリがボギーに近づきつつある。
同時にソリックも。
ソリック「よう。セイウチ君。
一緒に、あの白熊野郎を追い抜こうや・・・!」
バンジョー(セイウチ)「いや。君とは一緒に走りたくないや。」
ソリック「ほう。結構、強そうな奴だから、
勝負してみたかったけどね。
まっ。良いや。どうせ、俺様が一位になるんだからよ・・・。
お前らはいずれ、
失格するかも知れないらしいしな。クククク・・・!」
マンボ「あの怪物、何か企んでいる。気をつけねば・・・。」
バンジョーやソリックもボギーに近づき、他の者たちが、
ボギーたちから遠ざかって行くのを感じる。
ガンズ「くそ!!こいつら、速過ぎじゃねェか!!」
フラエ「ふざけやがって・・・!!
もっとスピードを上げろよ!!この馬鹿ソリ!!」
フラエは自分のソリを殴って、怒鳴る。
ミル「今回も一位から三位は、
こいつらかも知れないわね・・・。」
テル「そんな事、させるか・・・!!」
そして、ソリックは後ろの方を見て、
不気味な笑みを浮かべる。
ソリック(この距離なら・・・そろそろ良いだろう・・・・。)
つづく
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