ミクス「・・・・・・・・。」 ミクスはいつもより凄く落ち込んでいる表情であった。
プルレス「バンジョーさん・・・・カズーイさん・・・・。」
二人はいなくなったバンジョーとカズーイの心配をしているそうだ。
ボトルズ「・・・・心配しないでください。彼らなら生き残れます。」
ユミ「・・・・そうよ。あいつらって強いもんね。」
ボトルズとユミがそんな暗い二人を慰めるように言う。
ガンズ「・・・・ところで、ガムロさん。」
ガムロ「何だ?」
ガンズ「・・・・・この通路、一度も敵が姿を現していないが・・・・。」
ガムロ「我々を油断させるための作戦でも仕掛けたのだろう?
良いか!皆!!いかなる場所でも警戒心を忘れるな!!!
警戒心なければ、敵の不意打ちをくらうだろう!!決して、考えなしで突っ込むな!!!」
ブレンティメンバーたち「おうっ!!!!!」
フラエ「ふん・・・・。(警戒心なくても俺は死なねェって。
それよか、この通路。実は敵がいるって感じがするけど?)」
フラエには気づいていたのだ。この通路に静かなる恐怖の罠がある事が・・・。
ボトルズ、ユミ、プルレス、ミクスの後ろに歩いている、
ブレンティメンバーの男性が突然、立ち止まり、コーラを持ち出した。
ブレンティメンバーの男性「ふぅ・・・。ちょっと喉渇いたぜ・・・。」
男性はそのコーラの缶を開けた。どうやら飲むつもりだ。
彼の横の壁には大きな穴らしい部分があった。
ミクス「・・・・・・っ!?」 その時、ミクスは何か恐怖を感じたように、後ろへ向く。
ユミ「ん?どうしたの??」
ミクス「今・・・・何かが起きた・・・・!」
プルレス「何だぃ?何かが起きたって・・・・・。ん?」
ボトルズ、プルレス、ユミ、ミクスは後ろの方へ向く。だが、
そこには一つのコーラが落ちているだけであった。飲んでなかったか、凄く毀れている。
プルレス「・・・・ただのコーラが落ちているだけじゃないか?」
ミクス「・・・・・ごめんなさい。何か、恐怖を感じた気がしたのけど・・・・。」
ユミ「どんな恐怖だったの?」
ミクス「え・・・・えっと、まるで・・・誰かが殺された気がして・・・・。」
ユミ「そんな事はないない。ここ、敵なんていないし。
簡単に死なないよ、私たちの仲間たちはw」
ミクス「・・・・・そ、そうですね・・・・。」 ボトルズ「さぁ!急ごう!!」
4人は歩いた。ただ、ミクスだけ後ろを少しだけ気にしながら、歩いていたが・・・。
あのコーラを飲もうとしたブレンティメンバーの男は一体、どこへ消えたのだろう?
一同は歩き続ける。そこに異変があるとユミが気づく。
ユミ「・・・そう言えば、ここってなんか穴だらけね・・・・。」
ガムロ「むぅ・・・・。そうだな。」 ブレンティメンバーの男「確かに、そうだなァ?」
ユミの言う通り、この通路の壁には、多くの大きな穴がある。
これは一体、何の意味を表すのだろう。
ボトルズ「・・・・確かに、大きな穴がいっぱいありますね。」
プルレス「・・・・この中に近道とかあるんじゃない?」
フラエ「は?そんなワケねーだろ。お前、頭悪いのか?」
プルレス「な・・・っ!!」 プルレスはフラエに罵られて、怒りそうであった。
ガンズ「・・・・っ?これは・・・・!!」 ガムロ「どうした?ガンズ。」
ガンズが足止まると、ガムロたちも止まって彼に近づく。
ガンズ「見てくれ。この窓を・・・・!!」
ユミ「ああっ!!」 ボトルズ「これは・・・・水面・・・!?」
なんと、この通路に大きな窓があった。そこから青い空間の大きな部屋が見える。
そう。その部屋はなんと、水に満ちた部屋であった。そこに、
黒い魚が複数泳いでいた。さらに、多くの鉄クズまでもが漂っている。
ミクス「な・・・何これ・・・!?」 プルレス「なんか、不気味だね・・・。」
二人はこの窓から見える風景に怯えそうになる。
水中に漂う鉄クズを黒い魚が喰っている。この魚は普通の魚とは違う。
ボトルズ「魚が鉄を食べている・・・!この魚は異形だ・・・・っ!!」
そう。この魚は普通の魚ではない。この黒い魚は何者かが人工的に造った、
生態兵器で、鉄クズ処理のために行うと言う不気味な存在なのだ。
ブレンティの皆さんはこの光景を見ていた。後ろに大きな穴がある事に。
その時、メンバーの一人であるモヒカンの男が、こう言った。
モヒカンの男「・・・・わかったぞ。ここは鉄クズ処理部屋だ!!
誰かが黒い魚にいらない鉄を食べさせているんだ。だから、
この部屋の水は綺麗に見えるんだ・・・・っ!!」
そして、彼の後ろの大きな穴から一瞬だけ光があった。
ボトルズ「そうですか・・・・!つまり、
ここは役に立たなかった鉄を捨てるための、処刑場ですね・・・。ん?」
ボトルズは後ろを向けますが、モヒカンの男がいつの間にかいなくなった。
プルレス「どうしたんですか?」
ボトルズ「・・・・あ。いえ。僕に情報を教えてくれた人がいきなり消えて・・・。」
ブレンティメンバーA「・・・そう言えば、一番後ろに歩いていた奴の姿も見えないな。」
ブレンティメンバーB「モヒカンの奴もいなくなりやがったぞ?どうなってんだ??」
ガムロ「・・・・一体、何があったのだ・・・・・?」
フラエ「・・・この大きな穴のせいだろ?たぶん・・・。」
ユミ「ええ?あの二人が大きな穴に入って、消えるなんて・・・。」
フラエ「お前、馬鹿か?ったく、何で出て来てくれねェんだよ・・・。」
そして、フラエは右腕の筋肉を強化し、大きな穴の方へ近づく。
フラエ「ぬん!!!」そして、フラエはその大きな穴に向かって右手の拳を振り上げた。
そして、その拳を大きな穴に中に入り込んだ。・・・・フラエは拳を穴から離れる。
ボトルズ「ああっ!!こ、これは・・・・・!??」
ボトルズはフラエの右手を見て、驚く。彼の手に何かがついているのだ。
そう。フラエの右手には、まるで血のような赤い液体が塗られていた。
ガムロ「フ、フラエ・・・・!!お前、一体何を・・・・!!!」
ガムロがフラエが何をしたのかと疑うように、恐る恐る彼に聞く。
フラエ「・・・・この穴に何かがいた。そいつが仲間を食べたかも知れねェ。」
ガムロ「な・・・なんだと・・・・・!?」
ガムロは前方の通路の方を見る。そこには、多くの大きな穴がある。
フラエは知っているのだ。その多くの穴には何者かが潜んでいると・・・。
ガムロ「あの大きな穴を警戒しなければ、また仲間が減っていく・・・!!
だが、そこを通れば出口がある!もう後戻りはできない・・・・!!
走ろう!!全速前進で走って、大きな穴の罠を振り切るんだ!!行くぞォ!!!」
ガムロが走ると、他のメンバーも走り出した。走り続けるブレンティメンバーたち。
だが、ミクスだけいきなり疲れ出した。彼女だけ遅れてしまう。
ミクス「はぁ・・・はぁ・・・。わ、私・・・走るの・・・苦手・・・・。」
ユミ「っ!!捕まって!!ミクスちゃん!!!」
ユミがミクスに向かって手を伸ばすと、ミクスがその手を掴む。
そして、ユミはミクスを抱いて、飛び出した。これでミクスも走って疲れずに済む。
ミクス「あ・・・・ありがとう・・・・。ユミさん・・・・。」
ユミ「良いって良いってwこのまま一気に脱出しましょ!!」
走り続けるガムロたち。ミクスを連れて、高速で飛ぶユミ。
・・・・だが、メンバーの中にまた一人が消えてしまう。そして、また一人・・・。
ガムロ「おおっ!!もうすぐ出口だ!!!」 ガムロの目には、
別の部屋が見えて来た。そこがこの通路への出口なのだ。
ガムロ「もうすぐ出口だっ!!走れえええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
メンバーたちは必死に走り続ける。そして、ついに全員この通路から出られた。
通路から出た一同全員は今、何かと暗く少しだけ青い部屋であった。
ここは前の時より凄く広かった。左右にはプールのような水面がある。
ユミは床に着地して、ミクスをおろす。
ボトルズ「や・・・やっと、出られた。」
ユミ「でも・・・何だってのかしらね?今の大きな穴は・・・。」
ガムロ「・・・・今のところ、不明であるが。ここで小休止をとるとしよう。」
こうして、一同はここに、小休止をとった。それぞれ休憩するメンバーたち。
ミクス「・・・・・ねえ。ユミさん。」
ユミ「ん?」
ミクス「あの熊さんと鳥さん・・・。大丈夫かなァ。」
ユミ「大丈夫だと思うよ。」 プルレス「そうだよ!あの二人は強いんだぜ!」
ガンズ「まあ。どちらにしろ、あの二人は生かしてはおけんがな・・・。」
ガンズがそう言うと、ミクスはまた怯えそうになり、こう返事する。
ミクス「っ!!私・・・。あの熊さんと鳥さんを殺したくない・・・っ。」
フラエ「たとえ、お前がそうしなくても、俺は必ず奴等の命(タマ)をとるぜ。」
ガンズ「もし、最悪な事態であったら、奴等はお前を殺す事もあるんだぞ・・・!ミクス。」
ミクス「私を・・・・殺す・・・・・!??」
フラエ「そうさ。あの熊と鳥は罪なき者をも数万人殺したと聞くらしい。
もしかしたら、お前のようなガキも容赦なく殺してしまうかもな。あの二人・・・・。」
フラエは笑みを浮かべて、そう言う。さらに怯えるミクスを庇うように、ユミが怒鳴る。
ユミ「ちょっとォ!!そんな言い方ないでしょ!?」
フラエ「真実を言っただけだよ。文句あるのか?」
ガンズ「俺はただ、ミクスのために言ったんだ。そして、お前のためにもな・・・。」
フラエとガンズはそう言い残して、離れて行った。
ユミ「・・・・気にしなくて良いのよ。ミクスちゃん。
あの熊と鳥なら・・・・きっと、あなたの味方になってくれるわよ。」
ミクス「う・・・・うん・・・・。」 ミクスはそう聞いて、少し落ち着く。
プルレス「それにしても、何さあの二人!!嫌な事言って・・・・!!」
ユミ「仕方がないのよ。あの二人は戦いが好きだから・・・。私もちょっと好きだけど。」
プルレス「そうですか・・・・。けど、ブレンティは、
この世界を守るために戦ってるよね!?グランティと戦うんだから。」
ユミ「・・・・そうかも知れないけど、違うのよ。私たちは・・・。」
プルレス「え・・・・?」 ボトルズ「どういう事ですか・・・・?」
フラエ「俺たちは俺たちのやりたい事のためだけにやってるだけだ。
誰が好き好んで世界の救世主になるかっつーの。この世の中は腐っている。
そんな腐ったもんを守る価値なんてあるのか?」
ブレンティメンバーA「俺は金が貰えるためなら、何でもするけどな。」
ブレンティメンバーB「俺は元犯罪者だから、この組織しか居場所はねーから。」
ガンズ「俺は・・・・戦うためだけにこの部隊に入った。」
フラエ「そうだ・・・・。俺たちは生き残れるためなら、
何でも良い!手段を選ぶな。敵は全て殺す。それが俺の生きる道だ・・・!」
プルレス「そうか・・・・。皆にはこの組織に入る理由があったのか・・・!」
ボトルズ「けど・・・ほとんどの理由が小さい気もします・・・・!」
ユミ「私は・・・何の目標がないから、あえてこの道を選んだ。
ミクスちゃんは家族がいないから、私が育てているわ。」
ガムロ「・・・・私は故郷をグランティに焼かれた。だから、私は復讐のために戦う・・・!」
フラエ「・・・・わかったろ?これで俺たちがブレンティに入ったワケが。
俺たちは世界防衛とかのために戦うんじゃねェ。己の欲望のために戦うんだ!」
プルレス「・・・皆・・・・・。」 ボトルズ(これが・・・ブレンティ・・・・。)
プルレスとボトルズはブレンティの戦う理由を知って、複雑な気持ちであった。
その時、不気味な笑い声が突如、聞こえ始めた。
謎の声「フヒヒヒヒヒヒヒヒ・・・フヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ・・・・・!!!!」
つづく
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