光次郎「・・・・皆・・・・ありがとう・・・・っ!」
3人の応援を聞いた光次郎は涙を流した。
彼は3人のために必ず生き残る決意をしたのだ。
こうして、数時間後。SSPとデスナイトの最後の戦いの日が来たのだ。
ついに光次郎たちはついにフライングに乗り、ドイツへ向かった。
前のコックピットには、桜と青井が。後のコックピットには野沢と清水が乗っていた。
野沢「このフライングファイターはマッハ5も飛べるから、
ドイツまでは数時間かかるけど、エンジンの心配はないわ。」
清水「全速前進をすれば必ず目的地へつける。気を緩めないで・・・。」
桜と青井「はいっ!!!」
桜はフライングの運転をしていた。だが・・・。
桜「・・・・奈々ちゃん。ちょっと運転変わってくれる?」
青井「あ・・・・。はい。」 桜が運転席から離れると、
青井がその席に座り、操縦桿を握って運転する。
青井「どちらへ行かれるのですか?」
桜「・・・・ちょっと、輸送室へね・・・・・。」
このフライングの機内には、他の隊員を数名乗せれる部屋があった。
そこに、光次郎とあかり、そして春日がいた。春日が腕組みして立って、
光次郎とあかりがベンチに座っていた。3人とも、切なそうな表情であった。
光次郎「・・・・本当にこれで良かったのかぃ?あかりさん・・・。」
あかり「はい・・・。それが私の望みですから。・・・・春日さん。
ごめんなさい。SSP隊員ではない私がこんなところにいるなんて・・・。」
春日「いえ。許すわ。デスナイトには強力な敵を多く構えているわ。
そんな奴等に立ち向かえるのは、マリオネットライターであるあなたくらいだわ。
安心して。私たちはあなたを兵器扱いしないわ。」
光次郎「・・・・そうだよ、あかりさん。君も立派な僕らの友達だよ。」
あかり「ありがとうございます・・・。私は、どうしても許せないのです。
真奈美さんを悲しいアンドロイドに変えたデスナイトを・・・・っ!!」
光次郎「・・・・真奈美ちゃん・・・・・。」
光次郎の脳裏にティアーズの亡骸から出てきた真奈美の霊がよぎる。
そして、この部屋に桜が来る。3人はそんな彼女の方を見る。
光次郎「桜ちゃん!?フライングの操縦は良いのか!?」
桜「うん。奈々ちゃんに代わったから。・・・・姉さん。」
あかり「・・・・桜。どうしたの?」
桜「私・・・不安なの。」
あかり「不安・・・・?」
桜「今日がいよいよデスナイトとの最後の戦いだよね・・・?
でも、その戦いで姉さんが死んでしまったら、どうしようかと・・・。
それだけじゃない!デスナイト総裁のところへ行って、
奴を倒す。その後、HN星のエネルギー物質を抹消するのが目的でしたよね?隊長・・・。」
春日「ええ・・・・。それで二度と人類はジャンボロイドを造れないわ。」
桜「でも・・・・っ!!姉さんもそのジャンボロイドの一人・・・!
エネルギー物質を消して、もし姉さんが動けなくなったら・・・・私は・・・!!」
桜は涙を流していた。せっかく会えた姉を失いたくないからだ。
光次郎「・・・それは僕もあかりさんを失いたくないよ。あかりさんは、
これまで何度も僕を慰めて、励ましてくれた。そのおかげで僕はここにいる・・・。
・・・・ねえ、あかりさん。もし、あの物質を消したら動けなくなるの!?」
あかり「・・・・いえ。たとえ、物質が消えようとも、私は生きます。
光次郎さん・・・・ご主人様であるあなたのために。そして、
桜・・・・妹であるあなたのために。もう一度・・・・姉妹として生きよっ!」
あかりが笑顔で桜に向かって手を差し伸べると、桜が彼女に抱きつく。
桜「・・・・・・姉さん!!!!」 桜は嬉しかったのだ。
あかりが本当に桜の姉の明里であると。そして、桜は嬉し涙を流した。
光次郎「こうして見ると、やはりあかりさんって桜ちゃんの姉だったんだね・・・。」
あかり「はい・・・。小さい頃から、桜はとても甘えん坊でいつも私を困らせていました。
けど、私はそんな可愛いこの妹が好き。
その私の妹が今やこんなに大きくなってくださりましたわ。」
あかりが微笑むと、光次郎も微笑む。そして、桜も微笑み、また春日も・・・。
ここは、黒と赤だけの世界。空が暗闇に染まり、足元には赤々しい物があった。
それは、多くに人々の死骸とその血だ。その上にダークネスセイバーが立っていた。
ダークネス・セイバー「・・・・私は生まれてから、これまで多くの人間を、
殺し、その血を見ていた。私は殺すためだけに造られた操り人形・・・。
だが・・・・私の毎日は殺しの日々だけ・・・。何だろう・・・この空しさは・・・・。」
桐原「ダークネス!!ダークネス!!起きろ!!!!」
桐原が何故か凄い表情で叫んでいた。彼の目線には眠っているダークネスがいた。
そう。ダークネスセイバーは夢を見ていたのだ。桐原の叫びにダークネスが目覚める。
ダークネス・セイバー「う・・・うう・・・ん。れ、零様・・・・?」
桐原「・・・・良かった。やっと修理完了だな・・・・。」
ここはデスナイト本部の修理室であった。ダークネスは台の上で、
修理を受けていた。そして、今。ダークネスは復活したのだ。
ダークネス・セイバー「・・・・ここは?どこなのですか・・・・?」
桐原「デスナイト本部さ。お前はマリオネットライターの攻撃を受けて、
瀕死になったのさ。だから、俺は慌ててここで修理を行った。
もし、お前が死んだら俺は今頃・・・。」
桐原はダークネスの死を不安していたのだ。彼にとって彼女は大切な存在なのだから。
ダークネス・セイバー「・・・・零様。戦いって、何の意味があると思いますか・・・?」
桐原「は?んなもん決まってるだろ?殺すためさ。殺せば殺す程、
強さと快楽が増していく。それを行った俺にはそれが込み上げて来るんだ・・・!」
殺しを好む桐原は笑顔でそう言う。だが、ダークネスは何故か悲しげな表情であった。
ダークネス・セイバー「私は・・・そんな物ではないのかと思います?」
桐原「何ぃ??」
ダークネス・セイバー「・・・・私はあなたと出会うまで、多くの人間を殺して来ました。
ですが・・・何故か空しかったのです。本来なら嬉しかったハズなのに・・・。
そこで、私は考えました。ただ、人間を殺す事が本当の私の生きがいなのかと。」
桐原「ダークネス・・・・。」
ダークネス・セイバー「・・・ですが、あなたと出会って私の目的が決まりました・・・。」
そして、ダークネスの脳裏に、彼女の過去が浮かんで来た。
ダークネスと幼い桐原は公園で遊んでいた。砂遊びをしている彼を、
まるで子供の遊びを見守る姉のような目で見ているダークネス。
その時、桐原が一輪の花を持ってきた。
桐原はこの花をダークネスに渡そうとしていたのだ。
その頃の桐原にはまだ優しさがあったのだ。そんな彼の優しさに触れた、
ダークネスの目から涙が溢れた。彼女は生まれて初めて嬉しい感情を感じたのさ。
彼女は桐原の花を手に持ち、彼を抱いた。そして、現在。ダークネスは、
昔からの花をどこからともなく持っていた。
ダークネス・セイバー「・・・・この花。覚えていますか?」
桐原「花か・・・。悪いが、忘れちまったな。」
ダークネス・セイバー「たとえ、あなたが忘れても私は忘れません。
あの頃のおかげで、私はあなたを守ると言う最大の目標ができたのですから・・・。」
桐原「そうか・・・・・。そういや、今回で最後の戦いだとな?」
ダークネス・セイバー「はい・・・。支部長・・・・。」
桐原「・・・・・絶対に生き残ってくれよ。ダークネス。俺のために・・・・。」
ダークネス・セイバー「はい・・・・。」
そして、二人はデスナイト本部のメインルームに来た。そこは、
とても暗く。そこに無数のブラックアタッカーはもちろん、多くの各支部の支部長がいた。
そして、彼らの前に巨大なランプがあった。そのランプの周囲に、
デスナイトのロゴマークが大きく描かれてあった。ランプが光り、総裁の声が出る。
デスナイト総裁の声『諸君・・・・。SSPの蛆虫共がついに、
このドイツにオール上陸してきた。彼奴等は我が基地をくまなく探している。
だが、我らは無数のジャンボロイドとモンスロイドがある。それらで迎撃するのだ。
彼奴等は私のいるところがミュンヘンの付近である事を知らない。
だが、このまま放っておけば見つかるやも知れぬ。そうなる前に全て片すのだ。
良いな!?デスナイトよ!!全力を尽くして、戦うのだ!!!!!』
支部長たち&ブラックアタッカーたち「ははっ!!!!!!!!!!!!!」
桐原(見ておれ・・・・!高町光次郎・・・・!!そして、マリオネットライター!!
お前らの首は必ずとってやる!!そして、ダークネスと・・・・・。)
ついに、フライングはデスナイトが生まれた国、ドイツへと上陸した。
つづく
[0回]
PR