日下部「うん・・・。意外と美味いわね。このジュース。
・・・って言うか、いっぱいあるわね。」
日下部はジュースが他にも多くある事に気づく。
野口「皆。いっぱい飲むと思って、いっぱい買いすぎちゃったから。
日下部さんも、飲みたい物があれば、飲んでも良いです。」
日下部「そう。それにしても、桜ってこんなに多く落ちているのね。」
灰間「日下部は花見とか行ってないのか?」
日下部「幼い頃になら行った事あるわよ。けど、
桜がこんなに落ち続けているところは知らなかったわ。」
森下「ふみゅううぅぅぅぅん・・・。すやすやぁ・・・。」
森下はいつの間にか、眠っていた。
徳丸「森下さん。もう眠っちゃった。酔いが強すぎたかな?
それにしても、ここにいる人たち。皆、幸せそうだな。」
徳丸は周囲を見回す。そこでは、多くの人々が幸せそうに、
桜を見たり、飲食をしたり、歌を歌ったり、遊んだりしていた。
日下部「そうね。でも、これは当たり前な事だし・・・。」
徳丸「でも、その皆が幸せな時間を当たり前な事にしたのは、
日下部さんや灰間君、BARの皆さんのおかげだよ。
BARの皆が魔獣たちから地球を守ってくれているおかげで、
僕ら市民は安心して暮らせるんだ。
だから、今もこうなっているんだ。」
日下部「・・・・そう。」 灰間「確かにな。」
野口「でも、あなたたちも、幸せな時間を得て欲しいわ。
BAR隊員ではなく、普通の人間として。」
日下部「確かに、私には幸せと言う物を感じた事は少ないわね・・・。」
灰間「魔獣が完全にいなくなった時期には、
できるだけそうしたいもんだな。」
灰間たちはしばらく、
人々が幸せなところを散りゆく桜と共に見ていた。
森下「う、ううぅぅぅん・・・。あれれ?私、どうしちゃったんだろ?」
その時、森下が目を覚ました。
そして、すぐに日下部の姿を見て、驚く。
森下「あっ!!日下部さん!!どうして、ここに・・・?」
日下部「え!?さっきの事、忘れちゃったの・・・!?」
徳丸「酔ってる時の記憶がないんだよなァ・・・。たはは。
・・・そうだ!!この森で、
とてもでかい桜の木があるって聞いたんだ!!」
灰間「でかい桜の木?」 森下「あるの!?そんな木。」
徳丸「うん。あるよ。この森を象徴するような凄い木なんだぜ?
桜がどの木よりも一番多いんだって。」
森下「うわーお!是非、見てみたいわ!」
徳丸「そうだね!じゃ、行こう!灰間君たちは?」
灰間「悪いが、ここでジュースを飲んでおくよ。」
野口「私も残るわ。」 日下部「私も念のため・・・。」
徳丸と森下「じゃ、行ってくるねーっ!!」
こうして、徳丸と森下は一番大きな桜の木を探しに、
灰間たちから離れた。
そして、二人はある人気のない場所で、ついに見つけた。
この森で一番大きな桜の木を。
その木から、とても多くの桜が散っていた。
森下「凄いわ・・・。今まで見た物よりとても綺麗・・・。」
徳丸「うん・・・。これが、桜咲きの森で一番最高の桜の木さ。
後で、灰間君たちにも見せようよ。」
森下「うん!この感動さは是非、皆に味わってもらいたいわよね。」
謎の声「くすくすくすくす・・・・。」
その時、謎の笑い声が聞こえた。
徳丸と森下は驚きと共に後ろを向く。
そこには、浴衣衣装の美しい女性がいた。
浴衣の女性「あなたたち。この木に何か用かしら?」
森下「はい!見て感動するために来ました!」
徳丸「この木はとても美しくて、最高な気分を味わえます。」
浴衣の女性「そう。ありがとう。私も、この木が大好きなの。
綺麗な桜を散らし続けるこの木が・・・。」
森下「そうなんだ。優しい人なんだね。お姉さんは。」
徳丸「あの・・・。できれば、名前を教えてくれますか?
僕たち、何だか仲良くできそうな気分ですので・・・。」
浴衣の女性「名前・・・。そうね・・・・。では、
マノン星人とかはどうかしら?」
森下「マノン星人・・・?」 徳丸「もしかして、遊星人?」
浴衣の女性はマノン星人と名乗る。もしかすると。
マノン星人「そう。桜が散るのが大好きな者よ。
まるで、人の命が散っているかのように見えるのがね・・・!」
そして、マノン星人の身体が一瞬だけ変わる。それは、
銀色の怪人のような姿であるが、すぐに人間の姿に戻った。
そして、徳丸と森下の目の輝きが消えた。
マノン星人「うふふふふふふ・・・。」
マノン星人はとても大きな桜の木を見る。その木には、
二つの赤い目が見え始める。
何か、心臓の音みたいな音が聞こえる。
マノン星人「そろそろ動いてくれるわね・・・。その前に、
お願いできるかしら?二人の地球人さん。」
徳丸と森下「・・・・・・はい。」
灰間、日下部、野口は何故か動きを止まったままであった。
一体、何をしようと言うのだろうか。
野口(・・・どうしよう。日下部さんと灰間君。
誰から話しかければ良いのかしら?何だかそうしづらいよ・・・。)
日下部(早くこの森を調査しなきゃいけないってのに、
すぐに抜けようとすると、何言われるかわかったもんじゃないわ。)
灰間「・・・二人とも、何を黙り込んでるんだ?」
灰間が話しかけると、野口と日下部がすぐに動き出す。
野口「一緒に歌を歌わない!?」
日下部「一緒に調査しない!?」
二人が同時に言葉を放ったので、灰間は混乱しそうになる。
灰間「・・・・何を言ってるんだ?」
つづく
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