灰間「何!?魔族じゃないって!?では、一体何が・・・?」
女性アナウンサー『何故、チョコだけが多くなくなったのか、
全く理解できません。これはやはり、
何者かの仕業としか考えられません・・・。』
その時、美由紀が帰って来た。何故か暗そうな感じがした。
美由紀「ただいま・・・。」
灰間「お帰り。・・・どうかしたのか?」
美由紀「いえ・・・。何もないわ・・・・。」
灰間(何だかとても悲しい気持ちを表している。
もしかして、母さんも・・・・。)
灰間は何だか汗を流しそうな表情でそう思った。
同じ頃、野口の家では。森下が大喜びに叫ぶ。
森下「やったああぁぁぁぁ!!!できたああああぁぁぁぁぁ!!!!」
野口と森下はチョコを作っていた。そのチョコがついに完成したのだ。
その完成したチョコを森下は両手で持って、喜んでいる。
森下「いよいよ完成したんだね!!手作りチョコが!!」
野口「ええ。凄く時間がかかったけど、凄く美味しそうにできたわ。
一緒に頑張った甲斐があったから、うまくできたのよ。」
野口も笑顔でそう言う。
森下「うん!これで徳丸君に食べてもらえば・・・・。」
野口「これで灰間君に食べてもらえば・・・・。」
野口と森下はそれぞれ、好きな相手に食べてもらう妄想をして、
頬を赤く染める。森下は凄い笑みを浮かべるが、
野口は恥ずかしそうな表情をする。
夜の町を一人で嬉しそうにスキップして歩く森下。
森下「らんららんららん!らんららんららん!」
自分の家に帰ろうとしているのだろう。だが。
森下の後ろに、何者かがいた。
それは、あの青い帽子の少年であった。
少年「ククククク・・・・!!何て美味そうな匂いだ・・・。」
少年はそう言うと、すぐに消えてしまった。これは、テレポートか。
BAR基地の司令室では、緒川が大神に報告をする。
緒川「大変な事が起きました。
店で売られているチョコレートだけではなく、
多くの人が持っている手作りチョコも突然に消えてしまったとの事です。
民家にあったチョコも大勢なくなっているとの事です。」
大神「何と・・・!チョコだけが多く消えるとは・・・。
これは妙な現象らしいな。恐らく、
何者かが超能力で盗んだのかも知れんわぃ。」
緒川「では、犯人はチョコレートが大好きで、それを食べまくろうと・・・。」
大神「ふむ。その何者かの正体をまずは探るべしじゃろう。」
野口の家の前に、あの少年が現れた。
少年「この家からも美味そうな匂いがするな・・・。
だが、入ってはいかんな。誰もいない時に入るとするか。」
少年はまたも消えていった。
次の日。ついにバレンタインの日がやって来た。秋田町の道路では、
灰間と徳丸、森下と野口がいた。
だが、何故かとても、悲しいムードになっている。
森下「ひっく・・・。ひくっ。えぐ・・・。」
灰間「森下。一体、どうしたんだよ?」
野口「ええ。それが、チョコがなくなっちゃったんだって・・・。」
徳丸「ええっ!?そ、そんな・・・!?」
徳丸はそう聞いて、悲しそうになる。そう。
森下の手作りチョコも消えてしまったのだ。
森下「ふえええええええぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!
ごめんなさいいいいぃぃぃぃぃ!!!」
森下は泣き叫んだ。徳丸にチョコを渡せなかったからだ。
徳丸も泣きそうに絶望する。
徳丸「何で・・・。何でこうなっちゃうの・・・・?
まさか、誰かが盗んだのでは!?」
灰間「俺もそう思う。で、野口。お前の方は?」
野口「あっ!ご、ごめんなさい・・・。つい忘れちゃった・・・。
そうだわ!!ネットの情報で、店だけじゃなくて、
一般人が持つチョコや家で、
作られたチョコも多くなくなったと聞いたわ!
ま、不味いわ!!急いで帰らなきゃ!!」
野口は焦りを感じて、自分の家に向かおうと走る。
灰間「の、野口!!」 灰間も野口を追おうと走る。森下や徳丸も続く。
野口の家に着いた灰間たちは、中へ入り廊下を走る。
野口「確か自分の部屋に・・・・!」
灰間たちは2階へと上がり、自分の部屋に入る。そこには。
徳丸と森下「ああっ!!!」 野口「私のチョコ!!!」
灰間「てめェが犯人か・・・・!」
灰間たちの前には、野口が作ったチョコを持っている、
青い帽子の少年であった。そう。この少年こそ、
今回の事件を起こした犯人であった。
少年「けけけけけ!!美味そうなチョコだ。・・・ん?」
少年は灰間たちに気づく。
灰間「貴様か!多くのチョコをなくしたのは!!」
少年「ああ。俺が盗んだから。」
野口「お願い!これは愛する者に渡すための想いなの!!」
少年「想い?んなもん知った事じゃねーよ。むしろ、
ムカツクから、なくしてやりてーくらいさ。」
灰間「ふざけんじゃねェ!!!」
灰間は殴りかかろうとするが、少年はまたも消えていった。
つづく
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