ゴビ「え・・・・?いやだよ。
何で君にゴビの水をあげなきゃならないの・・・?」
トランカー「そ、そんなァ・・・!?
だって、君・・・。水を多く持ってるでしょ?
す、少しくらいは・・・。」
ゴビ「駄目だよ。この砂漠で生き残りには水が必要だもの。
ゴビはその水を集めるのに、凄く苦労しちゃうの。
だから、分ける事なんてできないんだ。ごめんね。」
トランカー「ぼ、僕が死んだって良いの!?
この砂漠の自然が一つ消えちゃっても良いのォ!!?」
ゴビ「うーん・・・。所詮、植物だし・・・。
植物さんなら、別に良いんじゃないのかなァ?」
トランカー「えええぇぇぇぇ・・・・!??」
トランカーはゴビの言葉を聴いて、絶望しつつある。
その様子を遠くからテルとミルが見ていた。
ミル「全く、頑固者と言うか我儘と言うか・・・。
このラクダ。助けたくらいで私の事を天使と呼ぶとか、
ちょっとオーバーなところがあるかも?」
テル「しかし、あのラクダの態度。
昔のミルの性格に似ているみたいだな。」
ミル「何よ!?私、植物に非道な事は昔からしてないわよ!?」
テル「けど、お前。小さい頃、俺にケーキ分けてくれなかったよな?」
ミル「あ、あれはとても美味しくて、
分ける余裕なんてなくなっちゃっただけよ!
あ、あの時はごめんね・・・。
・・・・ってか、あんただって、
私にそうめん分けてくれなかったじゃない!?
あれは一体、どう言う事なの!!?」
テル「あ、あれはとても美味ししくて、
お前が近くにいる事に気付かなかっただけだ!!
・・・すまなかった。」
ミル「テル。・・・・もう少し、
周囲の事を把握できるようになったら?」
ゴビ「ねェ?二人共。何をベラベラ喋ってるの?」
テルとミル「あ・・・・。」
ゴビはテルとミルに近づいた。
ゴビ「とても楽しそうに会話しているね。」
ミル「そう?ただの喧嘩ですけれど・・・。ところで、
君がこの砂漠を支配する一族の末裔なのがわかってるけど、
この砂漠はラクダが支配していたの?」
ゴビ「うーむ・・・。
この砂漠を支配する者の名前には、必ず、
僕と同じ名前であるゴビと付いているんだ。だからここは、
ゴビバレーと呼んでいるのさ。」
テル「そうか・・・。この砂漠の名の由来を理解したぜ。
・・・して、何故、支配者の名がゴビと決めていたんだ?」
ゴビ「・・・・わかんないけど、
そのゴビの名はこの砂漠の世界では長と言う意味であるらしく、
何かに使うための魔法のパスワードでもあるらしい。
・・・・って、お母さんとお父さんから聞いたけど・・・。」
ミル「その何かのために使う魔法のパスワードって?」
ゴビ「・・・・ごめん。そこはわからないや。
それについては、古の物が知ってるけれど・・・・。」
テル「古の物だと?」
ゴビ「うん。彼は・・・・・。」
その時、一人のクラッシャーの戦士が慌てて走ってきた。
クラッシャーの戦士「大変だ!!
グランティが攻めてきたぞ!!!」
ミル「何ですって!?テル!!」
テル「ああ・・・!ラクダ!ここで待ってろ!
続きは必ず、聞かせてもらうからな!!」
テルとミルはカルーゼルたちの元へと戻ろうと走る。
グラントリング「おらああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
多くのグラントリングがクラッシャーの拠点に接近している。
その前の地点で、袋のバリケードから、
複数のクラッシャーの戦士が銃器で一斉連射で迎え撃つ。
クラッシャーの戦士A「拠点を守れええぇぇぇぇっ!!!」
クラッシャーの戦士B「一人たりとも入れるなァ!!」
銃弾で倒れていくグラントリング数名の近くから、
キアイドーが飛び出して来た。
キアイドー「とおおおぉぉぉぉぉぉう!!!」
キアイドーは左腕の刃を思い切り振るい、
袋のバリケードを吹き飛ばす。
それにより、複数のクラッシャーの戦士が吹き飛ぶ。
クラッシャーの戦士「うわあああぁぁぁぁぁ!!??」
キアイドー「者共!!クラッシャーを滅するぞ!!」
司令室らしきテントの中でカルーゼルが報告を聞いて驚く。
カルーゼル「何!?迎撃部隊がやられただと!?」
クラッシャーの戦士「奴らが既に、ここに入ってくるぞ!?
どうする!!?」
カルーゼル「グランティめ・・・!俺も出る!!」
テントから出たカルーゼル。そこは、既に戦場となっていた。
多くのクラッシャーの戦士と多くのグラントリングが、
それぞれ数を減らして、激しく戦っていた。
カルーゼル「おのれグランティ・・・・!!」
カルーゼルはネギらしいのを持ち出した。
つづく
[0回]
PR