そう。ここはセイウチたちの住み処であったのだ。
この通り、それぞれの穴から、それぞれのセイウチたちが出てきている。
さらに、穴の中で、家族らしい生活をしているセイウチたちがいた。
カズーイ「せ、セイウチがいっぱいいるわ・・・。」
セイウチ「何せ、最初から住んでいるのだからな。わしらは、
初めからこの聖なる山の住人であるんじゃ。」
バンジョー「そうですか・・・。」
セイウチ「もしかして、あんたたち。他の地から来た旅人かね?」
バンジョー「はい。そうですけど・・・。」
セイウチ「うむ。では、お客さん専用の泊まり場があるから、
そこへ行ってみると良い。看板が目印じゃよ。」
バンジョー「ありがとうございます。」
こうして、バンジョーとカズーイはセイウチの住み処を進んだ。
周囲のセイウチたちは、バンジョーとカズーイの姿に注目している。
セイウチA「何だろ?あいつら。この山の住人じゃないけど。」
セイウチB「リュックに鳥が入っているけど・・・。」
セイウチC「少なくとも、僕らに危害は加えそうにないだろう。」
バンジョー「・・・・うっ!?」
その時、バンジョーの身体に苦痛が起きる。恐らく、
ティッカロスの角に刺された部分が特に感じるだろう。
カズーイ「ちょっと!?大丈夫なの!?」
バンジョー「うう・・・。泊まり場と言う場所に、
怪我を治療するところがあると良いね・・・。」
カズーイ「そうね・・・。早く探してやらなきゃ・・・っ。
・・・っ!?バンジョー!!あれを見て!!」
バンジョー「何だぃ・・・?あっ!!」
バンジョーとカズーイが見たのは、とあるセイウチだった。
そのセイウチの手?(足?)には、ジグソーが握られていた。
バンジョー「あれは・・・ジグソーだ!!」
カズーイ「セイウチがジグソーを持ってるとは驚きだわ!」
そして、バンジョーとカズーイはジグソーを持つセイウチに近づく。
ジグソーを持つセイウチ「・・・・ん?」
そして、ジグソーを持つセイウチはバンジョーの方を見る。その時。
ジグソーを持つセイウチ「げっ!!熊だ!!隠れろ!!!」
ジグソーを持ったセイウチは驚いて、近くの穴の方へ逃げ入った。
バンジョー「あっ!!」 カズーイ「ちょっと!!」
バンジョーは穴の方に近づくが、その穴の扉が閉まる。
ジグソーを持つセイウチが扉を思い切り閉じたのだ。
どうやら、ここがジグソーを持つセイウチの家らしい。
カズーイ「待ちなさい!!そのジグソーを見せなさいよ!!」
ジグソーを持つセイウチ「五月蠅い!!お前のような熊なんか嫌いだ!!
去れ!!ここは熊が来て良い場所じゃないんだよ!!!」
セイウチの怒鳴り声に驚くバンジョー。
カズーイ「ふん!何よ。バンジョー。あのセイウチに何かした?」
バンジョー「いや・・・。初めて会ったんだけど・・・。
・・・あのセイウチの持つジグソーの事は後で考えよう。
今は休み場が欲しいからね。」
バンジョーとカズーイは、
ジグソーを持つセイウチの家から離れた。すると。
扉が開き、そこからジグソーを持つセイウチが出た。
ジグソーを持つセイウチ「ふうぅぅ・・・。あの熊は逃げたな?
これで、このウォーザも、外にしても安心だな。」
セイウチの名はウォーザであった。ウォーザは、
バンジョーとカズーイがいなくなって、安心しているようだ。
一体、ウォーザはバンジョー・・・いや、熊に何の恨みがあるのだろうか。
ウォーザ「それにしても、現れたなんて驚いたよ。あの熊の背中から、
鳥がくっついていた。やはり、奴だ・・・!奴が来たんだ・・・・!!」
ウォーザは怒りを表すように震えていた。
プレゼント工場の外では、フォーサとオギソが一緒にいた。
フォーサ「この聖なる山では、毎日のように雪が降り続けている。
朝も昼も夜も。ずっとな・・・。」
オギソ「そう・・・。私はこの山の住人ではないから、
この山の事については本当にわからないところが複数あるけど。」
フォーサ「・・・・オギソよ。俺は、この山にある、
セイウチの住み処へ行こうと思う。あそこは、俺の生まれ故郷だから。」
オギソ「駄目ですわ。そのような勝手な行動、
インフェロン様が知ったら、お怒りになられます。特に、
我らグランティにとって良からぬ事が起こった場合・・・。」
フォーサ「今は敬語を使わなくても良い。今は俺と君だけだ。」
オギソ「・・・そうね。けど、あなたは私より階級が上だから・・・。
深夜だし、そろそろ寝るわ。あなたはどうする?」
フォーサ「・・・もう少し、この雪を見ていたい。先に寝てくれ。」
オギソ「わかったわ。では、お休み・・・。」
オギソはアジトの中へと入った。そして、フォーサは切なそうにこう呟く。
フォーサ「・・・・ウォーザ・・・・・。」
オギソは廊下を歩いていた。その時。
ブルーグラントルングの声「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
オギソ「・・・・・っ!!?」
オギソは驚いた。目の前には、炎に包まれて倒れている、
ブルーグラントリングの姿があった。ちなみに、
ヘッドホンをしていたらしい。その近くには、インフェロンがいた。
オギソ「インフェロン様!!何故、また部下を・・・!!」
インフェロン「黙れ・・・!この野郎。俺が寝ているところ、
近くで何かと歌っていたからよ・・・。五月蠅かったから、殺した。
言ったよね?うるせ―事をしたらぶっ殺すと。俺が眠っている時・・・!」
インフェロンはオギソに近づく。そして。
インフェロン「おい。気分転換してーから、ちょっと俺の部屋に来いや。」
オギソ「どうするおつもりですの・・・?」
インフェロン「お前を慰み者にしてーんだ。わかるか?この意味。」
オギソ「で、ですが・・・。」 オギソは恥かしそうに言う。
インフェロン「はぁ?お前も俺に殺されてーの?ん??
それに、あの行為は前にもやったから、もう平気だろーがよ!」
オギソ「・・・・は、はい。あなたの思うがままに・・・。」
オギソは涙目で辛そうに言う。
その頃、バンジョーとカズーイより強い悪鬼、
デスブラザーとヘルシスターは大勢のチンカーの死体に囲まれていた。
そのチンカーたちは皆、粉々に砕けている。
デスブラザー「クク・・・!ククククク・・・・!!」
ヘルシスター「楽しそうだな・・・。デスブラザー。」
デスブラザー「ああ。楽しいさ。今日は12月22日だろう。
その二日後が楽しみなのよ・・・・!!」
ヘルシスター「その日に何が起きるのだ?」
デスブラザー「ククククク・・・・!!聖なる山が、
聖戦の場となる日さ。その日まで、この山に集まった奴らの中で、
何人生き残れるだろうか・・・。それが非常に楽しみでなァ・・・・!!」
ヘルシスター「その生き残った者たちを一気に殺すのだろ?」
デスブラザー「ああ。そうさ。そして、これを機に俺は、
再び世界を地獄へと変えてくれる・・・!
このグランティの暴力が支配する、
この時代よりさらなる混沌の地獄へな・・・・!!
ふははははははははははは!!!!」
デスブラザーの笑い声が、雪の降る夜へと響いた。
こうして、クリスマスツリーは輝き、ツウィンクリーズ族とティッカー族は、
共存を果たしました。ですが、
これで聖なる山での戦いが終わったワケではありません。
エゥーラとセイリーが政府に拉致され、
ジグソーを持つセイウチの少年、ウォーザが、
バンジョーとカズーイを拒絶しました。そして、
デスブラザーの謎の企み。この聖なる山での戦いは、
まだまだ続きます。果たして、バンジョーとカズーイは、
このステージでのジグソーを全て集める事ができるでしょうか。
次回につづく
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