エゥーラはセイリーの事を誰よりも大切に想っている。だから、
彼女を見捨てることなどできないのだ。
ダンク「ふっ。それで良いのだ。これより、
クラッシャーの二人を連行する!!!」
そして、複数の兵士がエゥーラを囲み、銃を構える。
このままでは、エゥーラとセイリーが連れて行かれてしまう。
セイリー(エゥーラ様。お許しを・・・・。私めのために・・・・。)
こうして、
エゥーラとセイリーは政府のダンク部隊に捕らわれてしまった。
エゥーラとセイリーは政府に拉致されて、一体どうなってしまうのか。
数分後。ティッカロスはゆっくりと目覚めた。
ティッカロス「う、うう・・・ん。はっ!!」
バンジョー「お目覚めかぃ?ティッカロス。」
ティッカロスは目の前に、バンジョーとカズーイ、ユミがいる事に驚く。
そして、すぐに襲いかかろうとする。
ティッカロス「っ!!貴様ら・・・・!!ぐっ!!?」
その時、ティッカロスの身体全身に痛みが襲う。
これではまともに動けない。
カズーイ「無理よ。あんたの自慢の角はもう砕けた。もう、
あんたの戦う力は全てなくなったハズよ。」
ティッカロス「ふ、ふざけるな・・・・!こ、この私が、
お前たちに負けるハズなど・・・・っ!!わ、私は、
お前たちを倒す・・・!倒して、我らの憎しみを・・・思い知りたい・・・・。」
ユミ「・・・・憎しみだけでは、何も変わらないわ。
負の感情に支配されては、本当に誰にも愛されないのよ?」
ティッカロス「ふっ・・・!元より我らは誰も愛されておらん・・・!!
そして、我らは他の種族を弾圧し、奴隷としてやるのだ。
二度と我らを迫害せぬように・・・・!それが、平和と言うハズだ!」
バンジョー「そんなの違う!やり返しで無理やり従わせるなんて・・・。
そんな事は愚か者がやる事だ!!
真の平和は誰かと愛し合う事ではないのか!?」
ちなみに、バンジョーの胴体、ティッカロスの角に貫かれた部分は、
ユミによって包帯に巻かせたそうだ。カズーイの胴体にも。
ティッカロス「何だ!?それは・・・!!生憎、我らには、
誰かを愛する事もできん。そしえ、誰からも愛される事も・・・・!」
カズーイ「あんたたちが誰かを愛してなくても、
あいつからには愛されてるんじゃない?ほら。」
カズーイはクリスマスツリーの方に羽を向ける。そこに、
1匹のツウィンクリーズが涙目でこう言ってる。
ツウィンクリーズ「もう争いはやめようよ・・・っ!君は1匹ぼっちじゃない。」
ティッカロス「つ、ツウィンクリーズ・・・!?」
ティッカロスはツウィンクリーズの存在に気づき、動揺する。
ツウィンクリーズ「むしろ、
僕たちが君たちティッカー族の友達になりたいよ!!」
ティッカロス「な、何・・・・!?」
ツウィンクリーズ「君たちが愛されなくて、寂しくて、
そんな切ない気持ちで悪さをしているなら・・・。僕たちが、
君たちを助ける!!僕たちが寂しさから解放してあげるよ!!!」
ティッカロス「何が解放だ・・・!!そんなデタラメ・・・・!!」
ユミ「デタラメだと思う?あのツウィンクリーズ。実は泣いているのよ。
そして、あんたの残った同胞たちも、別の意味で・・・。」
ティッカロス「む・・・っ!?おおっ!!」
ティッカロスは後ろを向く。
そこには、さらに多くの数のティッカーたちがいた。
だが、そのティッカーたちは何故か切なそうな気持ちであった。
ティッカロス「我がティッカー族の民・・・!?何をしに来た!?」
ティッカーA「・・・族長!もう戦いは止めましょう!!」
ティッカーB「僕たち。もう気づいたんだ!僕らが悪さをしても、
他の種族との仲良くできず、僕らにも平和が来ない事を・・・!!」
ティッカーC「私!他の種族とも仲良くなりたいわ!!そうすれば、
本当の幸せがやってくると思うから!!」
ティッカロス「お、お前たち・・・・。」
バンジョー「どうする?君以外のティッカーはもう悪意を捨てた。」
ティッカロス「・・・・・っ!私にはどうしても信用できまい・・・。
他の種族との共存が本当にできるのか・・・。」
ユミ「できるわよ。このツウィンクリーズとなら。」
ティッカロス「ツウィンクリーズ!?」
ツウィンクリーズ「・・・友達になろ?ティッカロス。」
ティッカロス「・・・・この私を許してくれると言うのか?
貴様たちを襲おうとした、この我々を・・・・。」
ツウィンクリーズ「うん。さァ!!熊さん!!スイッチを!!」
バンジョー「OK!!!」 バンジョーはツリーの支える鉢へ走る。
その鉢のスイッチを勢い良く押す。その時。
クリスマスツリーが光り始めた。ツウィンクリーズが全員、
ライトアップしたのだ。その輝きに、バンジョーたちは驚く。
ツウィンクリーズ「きゃっほおおおぉぉぉぉ!!!ついに、
復活したぞ!!クリスマスツリーが!!!」
ユミ「凄い・・・。これが、クリスマスツリー。」
クリスマスツリーの美しい輝きに、ティッカーたちは感動する。
ティッカーA「凄いわ・・・。」
ティッカーB「何て素晴らしい光なんだ。」
ツウィンクリーズ「さァ!!ティッカーの皆!!僕たちを友達になろうよ!!」
ティッカロス「・・・・ツウィンクリーズよ。本当に私を愛してくれるか?
そして、我らティッカー族と共に生きてくれるか?」
ツウィンクリーズ「うん!!だって、僕たち。友達だもん!
これからも、一緒に仲良くしようよ!!ティッカー族!!」
ツウィンクリーズの笑顔と優しい言葉に、ティッカロスは涙を流した。
ティッカロス「ありがとう・・・。ツウィンクリーズ・・・・!!」
こうして、ティッカー族とツウィンクリーズ族は友達となった。
その光景に、バンジョーとカズーイは笑顔になり、
ユミは涙目で微笑んだ。
ツウィンクリーズ「ありがとう。熊さん。鳥さん。妖精さん。
君たちのおかげで、
僕らはティッカー族と友達になれた。お礼に、これをあげるよ。」
そして、クリスマスツリーから、輝くジグソーが飛び出た。
そのジグソーをバンジョーは受け取る。
バンジョー「・・・こちらからも、ありがとう。」
カズーイ「あのティッカー族にもう二度と悪ささせないようにしてね。」
カズーイはそう言いながら、ジグソーをリュックの中に入れる。
これで、バンジョーとカズーイの持つジグソーは47個目となった。
ティッカロス「熊よ。さっきはすまなかった。私からのお礼も受け取ってくれ。」
そして、ティッカロスもジグソーを差し出した。
バンジョー「過ぎた事だし、もう良いよ。」
カズーイ「次、あたいたちを襲おうとしたら承知しないからね。」
そして、バンジョーとカズーイは48個目のジグソーをゲットした。
ユミ「それでは、私は白熊の坊やたちの元に戻るわ。
バンジョー君とカズーイちゃんはどうする?」
バンジョー「そうだね・・・。そうだ!!白熊の子供たちにあげるための、
プレゼント。一つ見つかったんだ・・・。」
バンジョーはリュックから目の付いたプレゼントを出し、ユミに見せる。
プレゼント「僕を泣き虫の白熊に渡して!」
ユミ「これが、白熊の坊やたちが欲しがったプレゼントの一つね。
わかったわ!無事に届けるわ。残りのプレゼントも頼んだわよ!」
ユミはそのプレゼントを受け取り、空を飛び去った。
プレゼントを欲しがる白熊の子供の1匹に渡すために。
カズーイ「あたいたちも行きましょ。」
バンジョー「ああ。そうだね。」
こうして、バンジョーとカズーイも、クリスマスツリーから離れた。
ツウィンクリーズたちとティッカーたちが仲良くなった場所から。
そして、
その二つの種族全員が笑顔で、バンジョーとカズーイを見送った。
ティッカロス「ツウィンクリーズよ。我らも、
あの熊と鳥のように共に生きようぞ。」
ツウィンクリーズ「うん!
君たちと僕たちならどんな困難にだって負けないよ!」
カズサの家では、クリグミとプルレスが一緒にベッドの上で寝ていた。
それを、カズサ、マンボ、アシナガが静かに見ていた。
カズサ「仲良く寝ているわね・・・。」
マンボ「ジンジョー。皆。仲良し。」
アシナガ「だよなァ。まあ、特にプルレスの奴は、
俺たちとあんなに多くの冒険をしたから、いっぱい疲れただろうよ。」
マンボ「朝まで、ゆっくり眠らせる。」
カズサ「そうね・・・。」
アシナガ「おっし!マンボ。俺たちは別の部屋で寝ようぜ。」
マンボ「うむ。カズサ。2匹のジンジョーの御守。任せた。」
カズサ「・・・・・ええ。」
暗い吹雪の中、バンジョーとカズーイは歩き続けた。
カズーイ「ううぅぅぅ・・・!!寒いわねェ。しかも、
あのシロアリの角に刺された部分がまだ痛むし・・・っ!」
バンジョー「早く、残りのプレゼントも探さないと・・・。
確か、残り2個だったよね。むっ!?こ、ここは・・・!!?」
バンジョーとカズーイの前には、
左右の岩壁に、それぞれ多くの穴があり、その穴が光っていた。
カズーイ「もしかして、誰かの住み処かしら・・・。おおっ!?」
そして、とある穴から、1匹のセイウチが出てきた。
セイウチ「・・・おや。見かけないお客さんが来たね。」
バンジョー「あ、あの・・・。ここはどこですか?」
セイウチ「ここは、セイウチの村じゃよ?」
バンジョーとカズーイ「村ァ!?」
つづく
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