ある夜。灰間の家。灰間は自分の部屋で寝ていた。
だが、その灰間が何故か魘されているようであった。
一体、どんな夢を見ているのだろう。
これは、幼き頃の灰間が、
自分の父、鉄郎と御別れをする時である。
鉄郎「今度、探検する遺跡は今まで我々人類の歴史に、
ほとんど記されてない時代にあると思われる産物だからだ。
だが、私は決して負けないつもりだ。」
幼い灰間「・・・そうだよね!お父さんは、
絶対に帰って来てくれるよね!?」
幼い灰間は笑顔でそう言う。鉄郎も笑顔で言い返す。
鉄郎「ああ。必ず帰って来るさ!それまで、待ってくれるか?」
幼い灰間「・・・・うん!」
灰間の父、鉄郎は考古学者である。彼は、
とある古代遺跡の探検に行ったが、
それ以来、行方不明になっていたのだ。
そして、暗い闇の中。幼い灰間は走っていた。
段々と遠ざかって行く鉄郎の後姿を追うために。
幼い灰間「お父さん!!お父さん!!!」
幼い灰間は何度も呼びかける。だが、
鉄郎は徐々に暗闇の中で消えて行く。
幼い灰間「父さん!!父さん!!父さん!!!」
灰間「親父!!!!!」
灰間は起き上がった。夢から覚めたのだ。
灰間「・・・・夢かよ。畜生。
親父・・・。一体、どこにいんだよ・・・・!」
灰間は父・鉄郎を探すために、
BAR隊員として、数々の魔獣と戦ってきたのだ。
だが、それでも、鉄郎は見つからない。
父に会えるのはいつだろう。灰間はそう考えていた。
朝が昇った。灰間は母、美由紀と共に食事をしていた。
灰間「むぐむぐ・・・。うん。やっぱ、
母さんの作った卵付きパンは美味ェな。」
美由紀「そう・・・。良かった・・・・。」
美由紀は微笑むが、何故か切なそうな表情をする。
灰間「ん?どうしたんだ。母さん。」
美由紀「うん・・・。翔の胸のペンダントを見てると、
何故か急に寂しい感じがするの。お父さん・・・。
いつになったら、帰ってくれるのかしら。
翔はもう中学3年になったと言うのに・・・・!」
美由紀の目から涙が溢れる。
灰間「・・・・泣かねェでくれよ。俺も、
泣いちまうじゃねーか・・・。けど、まだ信じよう。
親父が必ず帰ってくれる事を・・・・!」
美由紀「そうね・・・。信じなきゃ・・・・。」
ウルトラマンティアーズ 第52話・再会の時
騎士魔獣・ゲルナイト
暗黒魔獣・クレッセント
登場
秋田学園の廊下を歩く灰間と野口。
そして、森下や徳丸もいた。
野口「・・・・そのペンダント。まだ持ってるのね。」
灰間「まあな。親父の形見だしよ。今でも。
そして、これからも大事にしているつもりだ。
それに、このペンダントのおかげで、
様々なハプニングから逃れられたしな。」
徳丸「そうそう!あれから、色々とあったよなァ。」
森下「そうだねェ。確か、1年前からだったかしら?」
野口「そうね・・・。あれから1年。
魔獣たちが現れて、ティアーズと言うウルトラマンが、
その魔獣から地球を守ってくれたものね。」
灰間(・・・・そうだ。あの1年前。最初の魔獣が、
この町を襲った時、このペンダントが突然、
俺にウルトラマンの力を与えやがったんだ・・・。
それ以来、俺の人生は変わったんだ。)
灰間たちは学園から出た。既に下校時間だからである。
つづく
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