まずは男湯。湯の中で、徳丸が緩い感じで浮かんでいた。
徳丸「ああぁぁ・・・。気持ち良いいいぃぃぃ・・・・。」
灰間「気持ち良すぎて、湯の中で浮かぶとか・・・。
ちったァ、普通に入れねェのか。(それにしても、
魔族反応が全くしねェな・・・。まあ、
周りは俺と同じ生徒ばっかりだしな・・・。)
徳丸「あれ?灰間君。風呂の中でも、
ペンダント付けてるの?」
灰間は湯の中に入っている状態でも、
ペンダントを付けている。
そう。灰間はこの町に魔族がいる事を知り、
警戒しているのだ。
灰間「ああ・・・。こいつを付けないと、気が済まなくてな・・・。」
徳丸「そうなんだ・・・。」
続いて、女湯。
森下「はああぁぁぁ・・・。気持ち良いわァ。」
野口「そうね。やっぱり、
温泉って、普通の風呂とは違うわね。」
日下部「何だか疲れが取れた気分ね。」
森下「それにしても・・・・。」
森下は野口と日下部の方をじーっと見つめる。
日下部「な、何よ?」 野口「どうかしたの?」
森下「・・・・大きさが違うわね。」
日下部「ど、どこがよ!?」
野口「も、もしかして・・・・・!?」
野口よ日下部は頬を赤く染めてしまう。
日下部「うっ!?森下さんの・・・以外と大きそう・・・!」
森下「ほえ?」
日下部「な、何でもないわよ!!」
3人が何について話しているのか、
それは胸の大きさの事であった。
風呂を上がった灰間たちは、
自分たちの部屋となる和室に来た。
徳丸「ううぅぅぅん!!
こんな部屋でくつろぐとは、最高だね!!」
森下「これで、やっと自由って感じがするね!」
灰間「・・・・で、何でお前がいるんだ?」
日下部「悪いわね。先生から許可を貰ったから。」
野口「まあ。良いじゃない。
日下部さんも私たちの友達ですし・・・。」
徳丸「それよりさ!星饅頭を食べようよ!
せっかく買ったしさ!!」
森下「うん!皆で食べようよ!」
野口「そうね・・・。さっそく出しましょ。」
野口は星饅頭の入っている箱を出し、その箱を開けた。
中には、星の形をした饅頭があった。
森下「おおぉぉぉ!!」 徳丸「美味そうだ・・・!」
徳丸と森下は喜びに満ちた表情をした。
日下部「さ。皆で食べちゃいましょ。」
その時、灰間のペンダントが光る。
灰間「・・・待て!!!」 灰間の言葉に皆が止まる。
徳丸「な、何だよ?灰間君・・・。」
灰間「その饅頭に毒が含んでやがる・・・!」
灰間は一つの星饅頭を取りだし、
それを複数の魚の入っている水槽に投げつける。
饅頭が水槽の中に入ると、
その饅頭の色が変化して溶けだす。
そして、水槽の中に入った魚たちが骨になってしまう。
野口たちはこれを見て、恐怖する。
森下「きゃああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
徳丸「な、何で饅頭が・・・・!?」
灰間「・・・・あの女の言った事は本当だったぜ。
この町に魔族が潜み、俺らを狙ってやがんのよ・・・!」
灰間はテーブルに置いてあったフォークを取りだし、
そのフォークを襖に投げつける。すると。
襖からの声「ぎえ・・・・っ!!?」
襖が開き、そこからガトリングを持った男が出て、
すぐに倒れた。
その男の頭には灰間の投げたフォークが刺さっていた。
この男も魔族である。
徳丸「もしかして、この男!僕らを殺そうとして・・・!?」
灰間「ああ・・・。ここは魔族の巣窟。
いつ、何が来てもおかしくねェ。
充分に警戒した方が良いぜ・・・!」
日下部「そうね・・・。念のため、大神隊長に連絡を・・・。」
謎の声「その必要はねェぜ・・・!」
灰間たち「っ!!?」
灰間たちは、この部屋に、
多くの魔族が入って来る事に気づき、驚く。
魔族の男A「くくくく・・・!!BARに助けを求めると、
こっちが困るからなァ。ちょっとは痛めつけねーとなァ。」
徳丸「な、何をやってんの!?
こんな時に騒ぎを起こしたら、
ホテルの皆さんに迷惑しちゃうでしょ!?」
魔族の女「馬鹿が!お前ら学園の連中以外、
この町に住んでいるのは全員、私ら魔族なんだよ!!
お前らこの町に来た人間を捕えるのが、
我らの趣味だ・・・!」
魔族の男B「この町は今や俺らの住み処となった!
お前らは俺らの家畜か食事となるんだよ!!」
魔族の男C「そして、お前ら以外の人間共は全て、
催眠魔法で眠らせてもらった。
もう助けは来ないわァ!!!」
複数の魔族が灰間たちに襲いかかる。
灰間「くっ!!おらああぁぁぁ!!」
灰間はパンチで魔族の男Aを殴り飛ばす。
魔族の男A「ぐあああぁぁぁぁ!!?」
日下部「はっ!!」
日下部はキックで魔族の女を倒す。
魔族の女「うわっ!!?」
魔族の男B「野郎・・・・!!」
残った魔族の二人がナイフを持ち出し、襲いかかる。
魔族の男C「死ねええぇぇぇ!!」
灰間と日下部「でええええぇぇぇぇぇぇい!!!!!」
灰間はキック、日下部はパンチで二人の魔族を倒す。
二人の魔族「ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
灰間「このホテルから脱出した方が良い!!
外へ行こう!!」
灰間たちはホテルから出て、
夜の篠塚町を走っていた。そこに。
灰間たち「おお・・・・っ!?」
灰間たちの前に、大勢の魔族がいた。この魔族たちが、
篠塚町の人間と全く同じ姿をしているのだ。
大勢の魔族「ひひひひひひひひひひひひひひ!!!!」
森下「きゃあっ!?」 徳丸「こ、怖い・・・!」
日下部「お前たちも魔族ね!?」
魔族の男「ああ・・・!そうさ。我々は、
この町の連中を封印し、
俺らがこの町の住人を演じてたのだ。
この町は我々の巣にして、人間たちを狩る事にしたのだ。
我々はお前たち人間を狩るのが趣味でなァ・・・。
はははははは!!!」
そして、大勢の魔族はそれぞれ凶器を持ち始めた。
その時、複数の銃声が響き、少数の魔族が倒れた。
魔族の男「何・・・・っ!?」
日下部「今の銃弾・・・!まさか!!」
灰間たちは別の方向を見る。
そこには、叶野と上川がいた。
叶野と上川がバルガンで少数の魔族を撃ったのだ。
叶野「やはり・・・!この町は魔族がいたんだな・・・!!」
上川「それも、この町の住人全員なんて、
聞いてないや!!」
徳丸「BARだァ!!!」 森下「来てくれたのね!!」
叶野「灰間!!日下部!!その3人を避難させろ!!」
上川「ここは僕たちが食い止める!!」
日下部「了解!!!」 灰間「行くぞ!!皆!!」
灰間たちは走った、大勢の魔族を叶野と上川に任せて。
灰間たちは篠塚町の別の地点を走る。
そこに、泣いている男の子がいた。
男の子「うえええええええぇぇぇぇぇん!!!」
徳丸「おっ!?ここに子供が泣いているぞ?」
森下「どうしたの?こんなところで・・・。」
徳丸と森下が泣いている男の子に近づく。
灰間「待て!!そのガキも魔族の一人だ!!」
その時、泣いている子供が急に泣くのを止め、
急に物凄い怒りをする。
男の子「ガアアアアアアァァァァァァァァウ!!!!!!」
男の子は悪鬼のような表情で徳丸と森下に迫る。
徳丸と森下「ひっ!!?」
その時、謎の鉄パイプが男の子の頭を殴りつけた。
男の子「ぐえ・・・・っ!!!」
魔族の子供は倒れた。
鉄パイプを使ったのは、例の女性であった。
女性「あ、危なかったわね・・・。」
灰間「あ、あなたは・・・あの時の!?」
女性「・・・・私は楠。
この町の住人の中で雄一の生き残りよ。」
日下部「雄一の生き残り・・・・?」
楠「そう・・・。私は、あの怪物の魔力から雄一逃れられて、
今でもこうして存在できるのよ・・・。」
灰間「怪物だと!?その怪物の魔力のせいで、
この町の人たちが行方不明となったのか・・・!?」
楠「ええ・・・。消えているだけだから、
今や生死すらわからない。
でも、魔族はその消えた人間たちに化けて、
この町を支配している・・・!」
つづく
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