野口は何かを見つけたかのように驚く。
それは、顔が猫のような感じで、体が線のように細かった。
だが、その顔の表情は、
落書きで描かれたような感じだった。
野口「か、可愛い・・・・!私はこれにする!」
野口は猫の人形を手にした。
日下部「私は、これにするわね。」
日下部はいわゆるこけしを手にした。
日下部「・・・で、灰間は何を買ったの?」
灰間「ん?ああ。これだけど?」
灰間は青い空のポスターを持っていた。
日下部「・・・・・何か地味ね。」
灰間「悪かったな。生憎、俺に合ったもんがなくてな。
こいつは母さんにあげようと思うんだよ。」
日下部「へぇ・・・。そっか。」
灰間「・・・・・ところでよ。日下部。
あの福崎って奴、どうなっている?」
日下部「福崎!?もしかして、
あのアンチミラクルマンの事かしら?奴は・・・。」
福崎。福崎丈と呼ばれた少年は、
アンチミラクルマンと呼ばれ、
社会に嫌われていて、多くの者に迫害されていた。
その少年が負の涙と呼ばれるアイテムにより、
悪の魔人へと変貌したが、
ティアーズによって元に戻されたそうだ。
日下部「・・・・奴なら、ある病院にいるわ。あの時から、
精神崩壊が強かったのか、
今じゃ廃人になっているそうよ。
もう福崎に、何もする力が残ってないらしいわね。」
灰間「そうか・・・。ま、死ぬよりはマシか。」
日下部「不思議ね。
あんた自身に泥を塗った奴を心配するなんて。」
灰間「・・・・・悪かったな。」
こうして、灰間たちは篠塚町にある様々な店に入った。
そして、夕日となった。
野口「いよいよ、6時に近くなったわ。それじゃ、
先生の言う通り、ホテルへと移動しないと。」
徳丸「そうだね。流石に疲れたよ。」
森下「私もォ。」
日下部「ホテルは確か、この先ね。」
灰間「・・・だな。(それにしても、この町の住人たち、
ほとんど・・・っつーか、全員が魔族な反応をしてたな。
でも、そいつらは俺たちに何もしちゃいねェ。しかし、
相手は魔族だ。強く警戒しておかねーと・・・。)」
ホテルへと進む野口たちの前に、
ある一人の女性が立ち止まった。
その女性は赤い衣装を着て、髪が長かった。
女性「待って!!」
灰間「っ!?何だ。あんたは・・・。」
女性「もしかして、あなたたちもホテルへ行く気!?」
野口「ええ・・・。そうですけど?」
女性「駄目よ!行っては!!ホテルに行くと、
あなたたちも魔族に喰われてしまうわ!!」
女性は必死な感じで言った。
日下部「何を言ってるの?
この町に魔族はいないわ。」
灰間(いや。残念だけど、この町に魔族がたくさんいる。
でも、この女だけ、魔族じゃねェ。普通の人間だ。)
ペンダントが光り、灰間にそう教えたのだ。
女性「・・・この町に住んでいるのは、全員魔族なの。
そして、
魔族はあなたたちのようなこの町以外の者たちを、
全て襲い、奴隷にしたり食事にしたりしているのよ。
魔族はこの町を支配し、
そこから地球侵略を目指すつもりよ・・・!」
徳丸「でも、僕にはそんな感じがしないよ。」
森下「私も何だか信じられない。」
野口「・・・それでは、この町の魔族たちが、
私たちを狙っていると言うワケですか?」
女性「ええ。だから、早くこの町から逃げた方が良いわ。」
野口「でも、私たち。修学旅行で来たし、
ホテルに行かないと・・・。」
女性「なら、クラスの人たち全員に説得した方が良いわ。
そして・・・・。っ!?」
女性は何かが見えた感じがし、
すぐに走って逃げ出した。
日下部「あ!逃げたわ・・・。」
灰間「何なんだ?あいつは・・・。っ!?」
灰間は後ろの方を見る。そこに、
建物の隙間に隠れている一人の男がいた。
その男は魔族の一人で、今の女性を監視したようだ。
だが、灰間に見つかった気がして、すぐに隠れた。
日下部「どうしたの?灰間。早くホテルへ行きましょ。」
灰間「・・・・そうだな。」
灰間たちはホテルの中に入った。
まずは食堂でクラス全員で食事を行っていた。
灰間たちはカレーを食べていた。
徳丸「ううぅぅぅん!!篠塚町特製のカレー、美味い!!」
森川「美味しい!!こんなカレー、食べた事がないわ!!」
野口「・・・・ねェ。灰間君。
あの女性の言う事、本当だと思う?
私、何だか怖い感じがして来た・・・。」
灰間「ああ。俺もそんな感じだ。俺たちクラス以外が、
周りは全員、魔族と言う事になるな。
何かやべェ事になったぜ。」
日下部「心配する事はないでしょ?こんな時、
私たちBARが戦えば良いじゃない。そして、
電話で大神隊長に連絡を取って、
援護を頼めば良いのよ。」
灰間「・・・・そうだな。」
野口「・・・今は食事しましょ。
早く風呂にでも入らなきゃ!」
日下部「そうね・・・。」
こうして、灰間たちは食事を楽しんだ。
そして、次は温泉に来ていた。
つづく
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